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「白鳥の湖」 レニングラード国立バレエ2002年名古屋公演

2002年2月3日(日)
愛知県芸術劇場大ホール
「白鳥の湖」全3幕4場 

オデット/オディール オリガ・ステパノワ
ジークフリート   アルチョム・プハチョフ
ロットバルト    イーゴリ・ソロビヨフ


レニングラード国立歌劇場管弦楽団

ルジマトフがゲストの東京4公演制覇後の、地元マールイ公演です。マールイは今わたしが一番見ているバレエ団(そうなってしまうのよね〜、笑)なので、ゲストが目当てとは言え、何回も見ていれば、そこのダンサーにも自ずと愛着がわいてくる今日この頃。ということで、マールイ日本公演での最終日でもある「白鳥の湖」に行ってきました。

去年の名古屋公演「眠れる森の美女」(シェシナ&メルクリエフ)は、メルクリエフはよかったけれど、シェシナのオーロラが、どうも今一つで(オーロラに絶対必要と思われる花と気品と軽やかさが、わたし的に不十分だった)感想も上げていない状態なのですが、今年は全体的になかなかよかったので、こうして書いています。が、しかしキャスト表が配られないのと(どうしてなの〜)わたしが、全然チェックしていなかったせいもあり(すみません〜)主役二人以外のキャストが、ほとんどわからないという情けない事態になっております。ロットバルトがソロビヨフさんだったかどうかつうのも、実のところはっきりと思い出せない〜、悲しい〜。 
ロットバルトが思い出せないというのは、座った席のせいもあるかもしれません。今回思いっきりサイド席(上手3階一番舞台寄り)を購入しました。舞台には近いので、ダンサーは結構よく見えるけれど、全景と舞台奥は全く見えないという席なのでした。なので舞台前方にあまり出てこないロットバルトは、見えない所にいることが、多かったようなのです。ここはここで、いろいろと楽しかったけれど、バレエをあまり知らない人にはお勧めできない感じですね。わたしは、去年浜松でマールイ版「白鳥」を見ていたからいいけれど、まるっきり初めて見る人が、この席で鑑賞したらマールイ版は、あまりにもわかりにくいだろうなとちょっと心配になりました。と席の話はこれぐらいにして。
今回お目当てバレリーナは、タチアナ・ミリツェワ。そして、直前にお勧めバレリーナとして教えていただいたエレーナ・コシュビラなのでした。なので、少しイレギュラーな感想文になると思いますが、こういう見方もありか、つー感じで軽く読んでいただけると幸いです(笑)。
しかしだからといって、ステパノワとプハチョフが良くなかったというわけでは、もちろんなく、主役がきちんと踊れていてこその脇の良さ、またはその逆というわけで、今回の「白鳥の湖」からは、ロシアバレエの手堅さをしみじみ感じました。

さて、お目当てバレリーナ、ミリツェワは1幕のパ・ド・トロワに登場。ひときわ冴える美貌と柔らかな上半身の表現が魅力的です。もう一人はロマチェンコワでしたが、わたしはずっとミリツェワばっかり見てました(笑)。マールイのパ・ド・トロワはキーロフと同じ振付でわたしの中では、この振付がベスト版。これ以外を見せられるとどうもつまらないんだな。
プハチョフは前髪がちょっと危険な感じなんですが(余計なお世話か)、たたずまいはなかなかどうして、立派な王子さまでした。マールイ版の1幕は王子さまはほとんど踊らないので、立ち姿が命ってところがありますが、よかったです。
ステパノワのオデットは実にきっちりとした踊りで好感がもてました。白鳥の娘達を率いる堅実な王女さまって感じ。


続く宮廷の場、花嫁候補にコシュビラ発見。メリハリのある踊りで目立ちます。ミリツェワはハンガリーの踊りに登場。見る度に思うのですが、「白鳥の湖」のデヴェルティスマンは素晴らしいですね。それぞれの楽曲も素晴らしいし、振付(ここはまたキーロフと一緒)もいいです。たとえストーリー的になんら繋がりがなくても、続くグラン・パ・ド・ドウへと気持をすごく盛上げてくれる。うーん、好きだ。
ステパノワ&プハチョフのパ・ド・ドウは、すごく華やかって感じではないのですが、確実なテクニックと表現で魅了してくれました。

最終幕、二羽の白鳥という踊りで、ハビブリナと一緒にコシュビラ登場。しかしこんなところにハビブリナを使うってのもなんかすごいというか、コシュビラの方が圧倒的にテクニックがあるとわかってしまって、いいのかしらんとちょっと心配しちゃいます。いや、ハビブリナはテクニックで勝負するタイプのバレリーナではないから余計なお世話かもしれませんが、このバレエ団を代表するプリマなだけに…ううむ。やっぱりこんなところに出しちゃいけないと思うなあ。いっくらスターシステムをとってなくてアット・ホームなのが売りのマールイでもさ。二人並んで踊るとどうしてもコシュビラの方に目がいってしまう。すごく溌剌として見ていて気持がいい踊りなんですよ。
そして肝心の幕切れシーンは席の関係上、全く見えず(笑)。去年のザハロワ&ルジの胸が痛いようなラストシーンを思い出しつつ(失礼だな、笑)、今頃、湖に身を投げたかしらなどと想像しつつ、見ることに。わたしの後ろに座っていた高校生ぐらいの方々、どんなラストだったかきっと全然わからなかっただろうな…。
しかし、お客さんの反応は上々(よく入ってるし)。拍手もたくさん。いや、ほんと長い間の日本公演本当にお疲れ様でした。そしてありがとう〜。来年もまた来てね〜。おっとその前に夏公演がもうすぐでしたね。ゲストのルジマトフが楽しみなのはもちろんなのですが、シェスタコワやミリツェワ、コシュビラも楽しみです〜。あとこれで楽しみな男性ダンサーが出てこれば、言うことないんだけどなあ…。ま、なにはともあれ、みなさん元気に来日してね!待ってまーす。

☆カオル
… 2002/06/26 …
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