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マシュー・ボーン「くるみ割り人形」

2004/4/2(金) 愛知芸術劇場大ホール

クララ ケリー・ビギン
フィルバート/くるみ割り人形 ニールウェスト・モーランド
シュガー/プリンセス・シュガー アンジャリ・メーラ
フリッツ/プリンス・ボンボン ニール・ペンリントン
マシュー・ボーンの公演が名古屋くるのか、最初はこんな感じでした。そして全6公演にびっくり。いろいろ思うところはありましたが、せっかく名古屋にきてくれるので出かけることにしました。

しかし、マシュー・ボーンに関して、わたしは語る資格が多分ない…。(なら、こんな文章書くな、という感じですが、一応記憶にとどめておきたいので)
なのでボーン・ファンの方はあまりこのさき読まれない方がいいです。

何故資格がないかというと各界で大絶賛された「白鳥」がわたしは好きではないからです。ビデオで見ただけですが、アダム・クーパーがいいのはわかる、でも、振付と物語、衣装や背景、どれもわたしにはダメだった。どこがいいのかよくわからなかった。
しかし何故苦手なのかという理由は、ある程度わかっています。クラシックの「白鳥の湖」がわたしは好きすぎるからなんです。
それこそ振付、物語、衣装、背景、ぜーんぶ好きです。個々の版で微妙に違うしそれによって好き加減も微妙に違ってきますが、それでもみんな好き。まあ、頭がどうしようもなく古典に凝り固まっているわけですね。ぶっちゃけた話、ポアントとチュチュじゃない「白鳥の湖」なんて…というわけです、わたしの中では。
ついでですが、マッツ・エック版はけっこう好きかも、でして、ノイマイヤーの「幻想 白鳥のように」はドラマチックだわ、好きだわ〜です。

で「くるみ割り」ですが、これはクラシックも版によってかなり振れ幅が広い作品なので、わたしの頭もそんなに凝り固まってはいません。でも前述のようなわけなので、ボーンとわたしの相性がいいとは、とても思えないことからほとんど期待はしませんでした。事前に仕入れた知識では、「白鳥」とは違って楽しそうな作品だから楽しめればいいかという感じで観に行きました。

実際それなりに楽しかったです。クララがそう簡単に王子様とうまくいかないのも、楽しかった。孤児院の時メガネをかけててメカに強そうな子がやっぱりメガネをかけたパジャマのキューピッドになって、やきもきしているのも楽しかった。あとマシュマロの女の子達はキュートで可愛かった。
前後しますが、クララが理想とする王子は筋肉ムキムキ、ムッキーマン(ねえ、どーして裸にサスペンダーするの?)なのも楽しかった。
最後のどんでん返しもなるほどね〜と楽しかった。

で、まあ、色々と楽しめたわけですが、でもわたしがどんな舞台(バレエや歌舞伎や演劇)をみる時でも求めたい美しさが足りなかったです。単純に美しくても、グロテスクに美しくても、小難しく美しくても、滑稽に美しくてもなんでもいいんだけれど、とにかくわたしの心に触れる美しさが足りなかったです。
これは、いろんなところでも言われていると思いますが、圧倒的なものが欠けてましたね。でも、圧倒的なものが入っちゃうと、わたしはまた受付けなくなっちゃうかもしれないし、どうかな、「くるみ」だから大丈夫なのかな。うーん…。

というわけでやっぱりわたしとボーンの相性はいまひとつ、というかいまふたつあたりだな、と認識したのでした。

カオル  DATE :: 2004/05/13 Thu

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