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ダンス・ファンタジア 9月11日(土) 愛知県芸術劇場大ホール

今年2月の「ダンス・クロニクル」に続く第2回あいちダンス・フェスティバルです。
感想まいりますが、パンフレットを買っていないので(爆、でも高かったの〜)もしかしたら見当違いのことを書くかもしれません。何かありましたらご指摘お願いいたします。


「ドン・キホーテ」より夢の場

振付 プティパ  音楽 ミンクス

豊田シティバレエ団

ドルシネア姫の三宅佑佳さんはテクニックは安定していたと思いますが、手や指先の表情が微妙に気になってしまいました。
ドルシネアはキトリよりある意味難しいよね。コール・ドはがんばっていたと思います。


「薔薇の精」

振付 フォーキン  音楽 ウェーバー

森弥生 越智友則

セットが立派だった!の割には少女の衣装が安っぽい気がしました。うーん、あの蛍光ピンクのリボンはねえ。
踊りは正直不完全燃焼です。まあ、ルグリやルジマトフやコルプ(映像になってるもの)と比べちゃいかんですが、薔薇の精は難しいってことですね。少女もちょっと表情が硬いし踊りも硬いし、ロマンチックな感じが足りないし、この役も若けりゃいいってもんじゃないなあとしみじみ思いました。
あの立派なセットは越智バレエ自前なのかな(失礼なことを言ってるかも)。それなら今後も上演するだろうと思うので、いっそうの精進をお願いしたいです。


「奇跡の人」

振付 川口節子  音楽 マーラー

川口節子バレエ団

ヘレン・ケラーの話。どんなもんだろ?って感じでしたが、なかなかどうして面白かったです。
曲がいいかもね。マーラーの交響曲第5番4楽章ですから。曲の力は大きいなあ。
てっきりヘレン・ケラーが「ウォーター」と叫ぶ場面で終わりという流れかと思ったら、そのシーンはけっこう早めにあって、ヘレンが新たな障害を持った少女を自分がサリバン先生に救ってもらったように救ってあげるというラストでした。
それがあのアダージョにのって展開するので感動的でした。


「NO WAY」

振付・選曲 ベン飯田

塚本洋子バレエ団

眠ってしまいました。どうもこういうのは苦手。ありがちなノイズ系現代音楽とありがちな振付。ダンサーのみなさんは一生懸命踊っていたなという印象でした。


「OUR SONGS」

振付 島崎徹  音楽 アルカンジェロ・コレルリ「合奏協奏曲」より

松岡伶子バレエ団

前の「ダンスクロニクル」で島崎徹はわたしとの相性が良くないとわかっていたのでこれもそんな感じでみておりましたが、やはり良くなかったです。
衣装も可愛かったし、それなりにきれいだとは思う、思うけれどもわたしにとってはそれだけ、という感じです。


「BEAT TIME」

振付 近江貞実  音楽 民族音楽

望月あや子 三木雄馬
市川せつ子バレエ団
岡田純奈バレエ団

うーん、フォーサイスの「イン・ザ・ミドル…」風だった。でも気持ちの合わない振付よりフォーサイス風の方が、興味深く観ることができるのは確かですね。
なかなかかっこよかったです。日本のコンテンポラリーもこれぐらい踊れるんだという素直な感動もありました。
ちなみに三木雄馬さんは個人サイトがあります。
望月さんは「ダンスクロニクル」の「ラ・シル」よりこっちの方がずっといいと思いました。


「99Duos」

演出・振付 ジャン=クロード・ガロッタ  音楽 Strigall

倉知可英 杉山昌(グループエミールデュポワ)

面白かった。ダンサーは最初ちょっと違うけれど、パンツ(ほんとに下着)とキャミソールだけ。
激しく痙攣する、自分の身体を何度も胸から下へ手でなぞるといった生々しい身体性を感じさせる振付。
わたしの周りの席からは気持ち悪い、という声も聞こえてきたけれど、わたしはきれいきれいな振付よりこういうやつの方がずっと好きだな。
何よりもエロスを感じさせるじゃありませんか。何もないよりエロの方がずっといい。
観ててなんとなくいたたまれなくなるような、そんな不穏な感じがしてよかったです。


「戸外にて Out Doors」

振付・映像 アレッシオ・シルヴェストリン
音楽 バルトーク

AACオーディション・ダンサー

シルヴェストリンはフランクフルト・バレエにいた経歴の方なので、フォーサイス風なのはまあ当たり前として、それなりに楽しめました。
しかしフォーサイス風を二本もみせられると、本家がみたくなりますねえ。
映像はしかしダンスとのシンクロ度がいまいちのような気がしたがどうでしょう。
フォーサイスの「失われた委曲」での音楽と映像とダンスのシンクロ加減は気持ちが悪くなるほどだったけれどね。

ダンサーの中にとても背の高い方がいて、迫力がありました。ジロのようというのは誉めすぎにしてもこういう方がコンテンポラリーを踊るのはいいですね。


「パッシング・ヴォイス」

振付・美術 熊川哲也  音楽 パッヘルベル

荒井祐子 芳賀望

TVで一度みたことがあります。その時もまあまあだわ、と思ったのですが、実際舞台でみるとしっかりした作品になってるなあとちょっと感心。
荒井さんは表現力がありますね。もちろんテクニックも申し分ないので観客を引き込む力が今日出演したダンサーの中では別格でした。
芳賀さんはもうちょっとダンスにキレがあるといいなあ。バジルに抜擢されているんだよね。がんばってほしいです。


2004/09/12 Sun カオル

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