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ヤナーチェク記念チェコ国立ブルノ歌劇場バレエ
ロミオとジュリエット
7月20日(金) 愛知芸術劇場大ホール



音楽/セルゲイ・プロコフィエフ
演出/振付:ズデニェク・プロケシ
指揮/ヤン・スバヴィテル
チェコ国立ブルノ歌劇場オーケストラ

ジュリエット─ヤナ・プシビロヴァー
ロミオ────ミハル・シュティーバ
マキューシオ─トマーシ・オッティフ
ティボルト──ボリス・ハナーク




 この公演の存在は、もともとこのHPの常連さんでいらっしゃる比呂さんからの情報で知ったのでした。チェコ国立ブルノ歌劇場バレエ??? 全く聞いたこともないよ〜、って感じでしたが、まだわたしが生で見たことのない「ロミオとジュリエット」全幕をオケ付きで、格安料金でやってくれるというので、名古屋でこんな機会もあんましないかも、と思いチケット購入を決めました。
 チケットは発売日次の日ぐらいに、主催の名古屋テレビに直接買いにいったわけですが、まだ、ほとんど売れていない状態。ここのところずっといい席でバレエを見ていなかったので、欲求不満気味のわたしは、もしかしたらあんまり上手いバレエ団じゃないかもしれないけど、いいや、最前列買っちゃえ〜、とばかりに最前列をゲットしました。

 掲示板にも少し書きましたが、しかし、これがなかなかの拾い物って感じでよかったのです。「ロミオとジュリエット」のバレエを世界で初演したのは私達、という誇りを持っているからだと思うのですが、バレエ団全体の印象も、生き生きしてて活気があるように見えました。

 「ロミジュリ」は、全くのコンテンポラリーであるリヨン国立バレエのプレルジョカージュ版を別にすれば、舞台セットや衣装が豪華で時代の雰囲気を忠実に表そうとしているものがほとんどのような気がします。しかし、ブルノ・バレエの場合、衣装はまあ、当時の雰囲気でしたが、舞台装置は思いっきり簡素です。木の枠で二階層に作られた装置が二セット舞台の右と左にあって、それがジュリエットの部屋になったり、キャピレット家の入口になったり、もちろんバルコニーになったりします。なので舞台進行がとてもスピーディでどんどん進んで行きます。このスピード感は「ロミジュリ」の場合重要要素な気がします。なんせ恋人達は恋に落ちたとたん疾走しますからね。で、その疾走感が、バルコニーのパ・ド・ドウ部分でもっと欲しかったなと思うのです。恋愛の頂点に上り詰めるような息苦しいような、そんな感じが欲しいのよ〜。要するに見せ場がもっと欲しい〜、というわけで、プシビロヴァーとシュティーバ、テクニックはばっちり、容姿スタイルも「ロミジュリ」そのもののこの二人のダンスをもっと見たかった、つうのが本音です。

 「ロミジュリ」というのは、シェークスピアのテキストもプロコフィエフの音楽も素晴らしいので、それだけでもう半分は成功しているようなもんですが、それだけにあと半分が難しいともいえます。プロケシ版はよくまとまっていて、良い印象をうけました。決定版といわれるマクミラン版と比べてもそれほど遜色はないと思います。が、しかし、マクミラン版を踊るプシビロヴァーとシュティーバも見てみたいものだなあ、とひそかに思うのでした。絶対やらないだろうけどね。

 ブルノ・バレエは他に「ジャンヌ・ダルク」とか「メアリ・スチュアート」とかへー、どんなのか、見てみたいなあと思わせる作品をレパートリーにしているので、これを機会に来日公演が増えることを期待したいです。うーん、しかし現地に行ったらきっと安く見られるんだろうなあ…。

カオル

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