[24] 2003/11/04(Tue) 10:17 カオル [とりあえずご報告]

11/2にキャンデロロ、11/3に「マノン」を観ました。
キャンデロロのアイスショーは期待通り楽しかったです。
そして新国立の「マノン」はですね、素晴らしかったです。
詳細はまた後ほど書きますが(ちょっと語りたいモードかも〜、笑)わたしが観た最終日はとにかく全てよかったです。初演なのに初演とは思えないほどの完成度でした。
ああ、ほんと観に行ってよかった〜。素敵な舞台をみせてくれてありがとう!新国立バレエ、という感じです。
というわけでとりあえずのご報告でした。

[25] 2003/11/04(Tue) 12:09 びあんこ [マトヴィエンコのデ・グリュ!]

私はオスタのマノン、小嶋さんのレスコーが目当てでしたが、ハートをわしづかみにしたのは、意外や(失礼)マトヴィエンコのデ・グリュでした。初々しく、情熱的でラインも美しくて、技術も申し分なし。イレール・ショックも吹き飛びました。今日もまだ夢心地です〜。
新国立バレエ団のがんばりにも頭が下がります、ぜひ再演して、今度はもっとたくさんの方に見ていただきたいですね。

[26] 2003/11/04(Tue) 18:39 ゆき [先にちょっと感想みたいなもの]

私も「マノン」行って来ました。2日の日でしたが。
とにかくまず思ったのが、「もう絶対に一階前の方の隅はやめよう」、ということでした。前の人の頭で真ん中が見えない。フェステバルホールほどではありませんでしたが。後ろの人のことを考えると、あまり前に乗り出すわけにもいかず、ずっと頭を左右に振っていたので疲れました。
こういう席は、後の方にとったときのS席に多いみたいなので、背の低い私は注意しなければ、と思いました。

Kバレエの時も思いましたが、ロイヤルの衣装は綺麗ですね。
目当てだった小嶋さんのレスコーが印象的でした。出の所は、正直いって「・・・」だったし、最初の方、着地とかがやや不安定だった気がしますが、ラインがとても美しく、はっとさせられました。
粗筋だけ読むと、「なんて悪い奴だ」と思ったけど、なんだか悪者というより哀れな奴って感じで、飄々としたところもあり、憎めない人だと思いました。死ぬところは本気で可哀相でした。
こういう「お金が全て」と思うようになるに至るまでは、それまでの人生において、色々な背景があったんだな、とか、妹のことも可愛く思っていて、金持ちと結婚することがみんなが幸せになること、と本気で思っているような。
酔っ払ってる演技も上手で、その時のへらへら笑ってるのが退廃的に見えて、金持ちに媚びて生きる人生の哀しさのようなものを感じてしまいました。
その酔っ払ってる後ろで、デ・グリュのマトヴィエンコが、娼婦たちに言い寄られたりして延々と困り続けるのですが、困った顔似合うなあとか、見るところの多いシーンでした。マトヴィ君は、シルフィードのジェイムズとか、女性に振り回されたりちょっと可哀相な役が似合うなあと思っていたので、この役も合ってたと思います。きっと根が真面目で純情な人なんだなあとか思ってしまいました。回を重ねるともっとよくなっていきそうな気配も感じました。今回は初々しさもよかったですが。
オスタは、結構小柄なんですね。難しそうなリフトが多いように見えたので、マノンが大きいと大変そう。思ったより可愛らしい感じでしたが、最初の方から薄幸そうな雰囲気。デ・グリュはマノンが好き好きーって感じでしたが、マノンの方からは、そこまで情熱的な愛情は伝わってこなくて、笑顔のなかにも時折ふっと寂しそうな表情をみせたりして、うまくいかないことを薄々予期しているかのような。誰が悪いというのでもなく、時代や社会が悪いというように思いました。
レスコーの愛人の湯川さんもよく、「こうもり」は湯川さんと小嶋さん(と山本さん)の日なので、楽しみになりました。
脇もよかったと思います。演奏や脇は日を追うごとによくなっていったらしいので、3日は一番よかったのかもしれませんね。

[28] 2003/11/05(Wed)15:05 カオル [レスです]

とその前に新国立「マノン」について一言。
わたしが何に一番感動したか、といいますと東京フィルハーモニーの演奏に感動したのかもしれません。今まで一度もマスネのバレエ「マノン」の曲をいいと思ったことがなかったわたしが、「マノン」ってこんなにドラマティックで素晴らしい曲だったのね、と目からじゃないや、耳からうろこがポロポロ落ちました。「マノン」の生演奏は世界バレエフェスティバルで、寝室や沼地のパ・ド・ドウ部分は聴いています。それこそ同じ東フィルなんだけれど、バレエフェスでは一度も音楽に関しては満足したことがなかった。「マノン」に限らず全体にいつもあんまり上手くないなと不満たらたらだったし、「マノン」にいたってはオーバーで変な曲だなあとか勝手なことを思う始末。それが今回同じ東フィルとは思えない素晴らしい演奏で、音楽とダンサー達の熱演で舞台にどんどん引き込まれました。
バレエの舞台というのは、本来こういうものなんだ〜、と生舞台の持つ力をまさに体感できました。
今回はいつもみたいに、お目当てダンサー(笑)がいないのも、舞台それ自体を公平に楽しむ事ができた一因かもしれません。

[29] 2003/11/06(Thu) 23:10 ゆき [あのパンツルックの人は?]

「マノン」は概ね好評のようで、なんだか嬉しいです。小嶋さんのレスコーは、悪い奴というより、かわいいとか思ってしまい、それはレスコーとしてはどうなんだろうとも思いますが、私は大好きでした。酔っ払って転ぶところでは、隣の人がびくっとしていましたが、思い切りがあってよかったです。
マトヴィは、私も女神を映像で見たときは、普通に上手だなあと思った程度なのですが、こういう演劇性の強いものの方が合ってるかもしれませんね。最初の方は、ちょっと緊張してるかな、とも思いましたが、純情さがよかったです。
ところで、たしか2幕、館で娼婦たちに混じって一人だけパンツルック(という言い方でいいのだろうか)の人がいましたよね。どうでもいいかもしれませんが、見てて非常に気になったのですが、あれは何なのでしょう。他がスカートなので妙に目立っていたし。もしかして男娼?そう思うと、なんだか痛ましくみえてしまいました。
[30] 2003/11/07(Fri) 11:43 びあんこ [男装の娼婦?]

「マノン」2幕に登場のパンツルックの人。彼女も娼婦では、と思うのですが? 異性装をすることで、異性の気を引いている? 男の格好だと、かえって女の魅力が引き立つこともあるのでしょうか。
パリオペラ座の「ル・パルク」という作品が放映された時、解説の長野由紀さんが、そのようなことを仰っていたのです。
舞台は18世紀? イザベル・ゲランの男装が、たいへんりりしくも女らしくて素敵でした。黒髪オスカル? 相手役はイレールで、これまた絵に描いたようなアンドレぶり? で素晴らしかったです。
といったわけで、初めて「マノン」ビデオであのパンツルックを見たとき、「ル・パルク」のエピソードを思い出したのです。
パンツルックの人を気に入った客(山本隆之さん)もいて、お尻を撫でたりしてましたね。あんな山本さん、見たくなかった。(笑)
小嶋さんのレスコーはとても気に入りました。野卑なだけの男ではなく、憎めないところもあるのがレスコーだと思います。くるくる変わる表情が楽しかったです♪

[31] 2003/11/07(Fri) 12:06 カオル

小嶋さんのレスコー、3日の公演では結構悪党に観えましたよ。しかし踊りが抜群に美しいので、そっちにばっかり感心してしまいました。
ご質問の娼婦の館にいたパンツルックの人ですが、これは当日ご一緒したむうんさんともあの人って男娼なのかそれとも男装した娼婦なのかどっちなのかなあとお話した覚えがあります。
結論はもちろんでませんが(演出の方に聞くしかない?)、そういう嗜好の男性のために男娼でもおかしくないとは思います。
ゆきさんは痛ましくみえましたか?わたしはむしろ猥雑さが強調されて楽しいな、と思ったクチです。

[32] 2003/11/07(Fri) 17:52 catwalker [マノンのパンツルックの娼婦について]

いつも楽しく読ませていただいています。マノンのパンツルックの娼婦について盛り上がっていたので、私も一言。あのリボンの騎士みたいな子は、私には年若い少女がボーイッシュな子供っぽい格好をしているというふうに思えました。つまりロリコン趣味の男性のための女の子という感じではないでしょうか?それに、あの役のダンサーは誰なんでしょう? とても可愛らしく印象に残っています。

[33] 2003/11/07(Fri)19:31 RIE [私は]

2回観て、2回目で少年男娼だと勝手に結論付けました>パンツルックの娼婦(理由=その方が自分的に楽しいから。わはは)
で、それを喜んで買う山本くんの好色ぶりがすごくハマっていたのにちょっと驚いた・・・。(笑)
ガリムーリンは同じ役でもそれほど淫靡にみえなかったのに。
冷酷看守も良かったし、あなどりがたし山本氏。

[34] 2003/11/08(Sat) 00:06 くり [私も見ました]

こんにちは。私も3日の「マノン」見ました。
出演者の皆さん、みんな良かったし、演奏がまた良かったですよね。特にマトヴィエンコのデ・グリュー、とても良かったです。若くてそしてそれゆえに愚かなほど一途で・・っていう役に合っていると思いました。
で、私もパンツルックの娼婦が「可愛いっ!」と目に止まったのですが、catwalkerさんの説に1票。私も年若い少女が中性的な魅力を出すために、ああいう格好をさせられているのだと勝手に解釈してました。ほんとはどっちなんでしょう?
あの衣裳、とても可愛かったので着てみたいと思ってしまいました。(笑)
そういえば、18世紀の女流画家が描いた自画像であんな格好をしているものがあったように思います。(勘違いかな?)

[35] 2003/11/08(Sat) 12:00 カオル [こういう話は面白いですね〜]

パンツルックの人、果たして男か女か。わたしは原作を読んでいませんが、多分原作にもそんな細かいことはかかれてないでしょうね。バレエの舞台が原作の18世紀の風俗をそのままきっちり取り入れているというわけでもないでしょうし。そのままでは、多分踊れないよね。
それぞれみる人の好みの解釈ができて、楽しめる仕掛けのひとつとして楽しみましょう。

[36] 2003/11/08(Sat) 12:43 むうん [男娼説に1票(笑)]

カオルさん、会場ではどうも〜。ウチのサイトの宣伝もどうも〜。
そうですよね、こういう話は面白いですよね〜。(会場で話して、さらにココで話す私たち・・・(^_^;)
で、パンツルックの娼婦は、私は男娼だと思いました。なぜなら、ガリムーリンも山本さんも、他の娼婦には抱きつくのに、あの娼婦を買ったときはお尻ばかりなでていて、胸には触らなかったから。(笑)
・・・うーむ,『マノン』は奥が深い・・・。(←ちょっと違うか?)

>catwalker さん
あの役を踊っていたのは、フェリとオスタの日は中島郁美さん、酒井さんの日は下拂桃子さんです。
他の娼婦が爆発事故に遭遇したようなカツラ(^_^;)だったから得をした面もあるかもしれませんが、お二人ともとても愛らしかったですね〜。

[38] 2003/11/10(Mon) 00:34 ゆき [こんばんは]

たしかに出だしのところは、ダンスマガジンでのベラルビの美しい写真の印象が強かっただけに、まあ、・・・どうかなって感じでしたが、踊りはとってもきれいでしたよね。たしかに王子っぽくてレスコーらしくはないかもしれませんが、そんな言はどうでもいいと思わせるものが個人的にはあったかなあという気もしたりします。
酔っ払いのシーンでは、私は2日の日も、なんだか哀しさのようなものを感じてしまいました。「飲まずにはいられない」みたいな。
私も同じような感じで、哀れな男、と感じました。

娼婦たちのかつらは、私は「アニーだ。アニーがいっぱい」とか思ってしまいました。
私は、萩尾望都さんの「残酷な神が支配する」で男娼=痛ましいという図式が出来てしまいました。いや、別に男娼の話ではないんですけどね。でもロリコンの方でもやっぱり痛ましいなあ・・。(とにかく少年少女には弱いのです)。こんなに反応下さるとは思ってなかったので、嬉しいです。特に説明がない分、想像の幅が広がりますね。

[41] 2003/11/10(Mon)07:17&am 仁菜 [マノン等あれこれ]

今頃書いてますがPCの調子が悪かったので。
96年のマラーホフの降板、今回のイレールの降板と、ケチがついてばかりの「マノン」ですが、思ったより楽しめて良かったと思いました。やはり舞台装置・衣装などがロイヤルからのものという雰囲気も大きなメリットだと思いましたが、新国立のダンサーたちも、皆さん賞賛しておられるように頑張っていたと思います。
以前、オペラで「椿姫」をヴィオレッタ(バレエでは原作と同じマルグリット)アルフレード(アルマン)その父親の三人だけが来日スター歌手で、それ以外は日本人という舞台を観たのですが、どうにも日本人の鬘の合わないことばかりが気になり、三人は良かったのだけれど少し不満の残る舞台でした。なので、日本人ダンサーに少し不安はありましたが、今回の舞台は素晴らしく良かったと思います。他の舞台でも日本人ダンサーの混じったのは観ていて、中には物足りないものもありますが、新国立の舞台からはそんな印象はほとんどなく、満足でした。音楽も皆さん言っておられるようにとても良かったし。
こちらで話題になっているパンツルックの女性は私もcatwalkerさんの意見に一票と思いましたら、Miyukiさんが強力なご意見を。(初めまして、でしたか?)何かそのご意見の根拠となるもの等示して下さるとよりわかりやすいのですが。時代背景などもありますし、ロイヤルやABTの舞台でもこの衣装の女性は出ていたようなので。西洋服装史によると、女性が表着としてパンタロンを着用するのは19世紀末になってからのこと、と書かれています。(千村典生「ファッションの歴史」鎌倉書房より)
ちなみに、原作には娼館は出てこないので、当然この女性について云々するようなものは何もありません。原作はバレエとは大分違っています。全体の流れはほぼそういう風なのですが、GMも親子で同じ名前で出てきて、(これがマノン逮捕の原因を作ることになるのですが)レスコーはGMに射殺されるのではないし、マノンが死ぬのも沼地ではないし、あげればキリがありませんが。マクミランの作ったバレエ「マノン」はもうそういう形で定着しているので、今さら原作との違いをあげるまでもなく、これはこれで一つの完成された作品ですので。興味のある方は原作を読んでみるのもよいかと思います。

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