[286] 2004/04/08(Thu) 23:02 ゆき [ベジャール・ガラ大阪公演]

東バのベジャール・ガラなのですが、深くお詫びしなければなりません。「ボレロ」は首藤さんではなく、高岸さんでした。以前、6日の大阪公演に首藤さんの「ボレロ」を、と書いてしまったので、万が一そのせいで首藤さんだと思って行かれた方がいたらどうしましょ、と当日キャスト表を見て蒼くなったのでした。
でも、今のこの時期に東バの「ボレロ」といったら、当然首藤さんだと思うでしょう。私の隣の方も、首藤さんだと思ってチケット取ったと言っていましたし。他にもそう思った方はいらしたようでした。首藤さん最後のボレロということがこんなに話題になっているのですから、無理もないでしょう。詐欺といわれても仕方ないような。

高岸さんの「ボレロ」ですが、よかったです。やっぱり生は違いますね。最初すごくしなやかな感じで、だんだん高揚していく、といった感じで、最後の方、なんだかすごく気持ちよさそうに踊っているように見え、周りを鼓舞していっているように見えました。

「ギリシャの踊り」は、その前の「春の祭典」と打ってかわり、どちらかというと爽やかな感じでした。地中海が舞台です。男性は白い長ズボン、女性は黒レオタード。音楽が、異国情緒溢れる感じで、とても素敵でした。ソロを踊られた中島周さんという方はのびやかな感じで、パ・ド・ドゥでは、若い溌剌としたもの、ちょっとコミカルなもの、吉岡さんと木村さんのしっとりとした感じのものなどがあり、群舞の場面もよかったです。
3演目ともよかったですし、行ってよかったと思ったのですが、キャストのことでは、なんとなく釈然としない思いもあったのでした。

[288] 2004/04/09(Fri) 23:32 ぷちぷち [4月7日 大阪 「ザ・カブキ」]

観賞前に注目していたのは、以下の三つ。

(1)「切腹/自決」の概念の伝え方(西洋では自殺は「罪」だそうなので。)
(2)日本の伝統芸能が、バレエでどう表現されるのか(特に衣装)。
そして、もう一つのお楽しみが、
(3)バレエダンサー、首藤康之のダンス

ですね、いくらかっこいいこと言っても、結局はここに着地してしまいます。それでも、最近の「最後のボレロ」の件は、個人的には、少々辟易気味。「首藤さんのボレロ、見たい!」→「がーん、日程合わない!」→「え、追加公演!」→「うわーん、やっぱ行けない!」と、みっともなく頭の中で一人相撲を繰り広げた挙句、目に飛び込んできたのが「ダンスマガジン」五月号の広告。首藤さんの「最後の『ザ・カブキ』」という宣伝文句に閉口し、一旦は見切ったものの、その後には「ぴあ」の窓口でチケット購入。こうして、わざわざ大阪まで足をはこぶ阿呆が一人、出来上がりました(苦笑)。

さて、舞台ですが(これが本題)、まずは(3)から。
私的には、高師直を演じた木村和夫さんの方が、味があって、しかも踊りに強さがあってよかったと、思いました。
まぁ、塩治判官の役柄上、「控えめ」な踊りになるのかもしれません。高師直を切りつけるシーン、切腹のときの表情に、雑誌の舞台レポートやファンの方がおっしゃられる「彼らしさ」が、多少見えたかな、と。

(1)に関しては、やはりというべきか、「武士の切腹」、「自決」が、ある意味「異教の蛮習」としての視点で捉えられていたように思えました。私自身は、自ら命を絶つことに関して、美化したくはありません。ただ、当時の武士にとって、斬首が一番、屈辱的な罰でした。そういう背景も考えてほしかったと思いました。ただ、武士の描き方、史実の捉え方に関しては、映画「ラストサムライ」よりは、よかったと思います。

(2)は、日本的特色はある程度残されていますが、バレエの舞台進行上いらないものは、取られていたように思えました。「仮名手本忠臣蔵」を知っている分だけ、頭の中で対比ができて楽しめると思います。私は五段と六段しか実際に見てないのですが(仁菜さん、私は歌舞伎もビギナーですよ)、「ああ、やっぱり西洋舞台ではこうなるのかな。」とか、「それは違うぞ!」などと考えたり、ツッこんだり、楽しめました。
バレエの視点から見ると、やっぱり逢引シーンのダンスが控えめでしたね。先日、オペラ座バレエ団の「ロミオとジュリエット」を、図書館で借りてきたビデオで見たのですが、逢引シーンは確かに美しいけど、思わず赤面。あと、新田義貞の兜をめぐるシーン、将軍の名代として来た足利直義公を目の前にした、高師直、塩治判官の踊りも。「御恩と奉公」、「いざ、鎌倉。」という、高校卒業以来聞いていなかった言葉を思い出しました。
ダンサー個人に関しては、高岸直樹さんが見事でした。この公演の主役として、見事に責任果たされた、って感じです。私的には、第一幕のラスト、ソロで踊る場面が一番、印象的でした。大義のため、色恋沙汰のため、命をかける人間の悲しさ、もろさを伝えるような、見事なダンスでした。このダンスが終わった後、会場からは割れんばかりの拍手が起こりました。あと、顔世御前を演じた斉藤友佳理さんも、しっとりとした日本的美を表現していてよかったし、伴内を演じた高橋竜太さん、早野勘平を演じた後藤和雄さんもよかったです。お軽は、こちらの過去ログで、ひろさん、仁菜さんがおっしゃっていらっしゃるように、確かに色っぽかったですね。ちなみに、「ヴァリエーション1」、「ヴァリエーション2」のダンサーって、どの場面で何を踊ったんでしょうか?
討ち入りのシーンは、打ち掛けが美しかったです。四十七士の中に、「あれ、さっき見た顔がいるんじゃないか?」と、思ったんですが、キャスト表を見てビックリ、先程塩治判官を演じた首藤さん、高師直を演じた木村さん、そして勘平役の後藤さんが入っていました(笑)。

カーテンコールは、私の知る限り、5回。最後のカーテンコールは、お客さんから手拍子が起こって、実現しました。多くのお客さんがダンサーを間近で見ようと、舞台の縁ギリギリまで集まって、(正確にはオーケストラボックス付近まででしたが)、さらに二階席にいたお客さんも二階席の最前列付近へ集まって、とってもいい雰囲気でした。私も行きました。間近で高岸さん、首藤さんが見られて、感激のあまり、オペラグラスを手に持ったまま、ブンブン振ってしまいました。周りにいた人すみません、今後、気をつけます。
長いカーテンコール終了後、劇場を出るお客さんのおしゃべりに耳を傾けながら(これが関西弁で面白いんです。)、大阪の幸せな夜は、更けていきました。

[336] 2004/05/22(Sat) 12:30 カオル [オン・ユア・トウズ名古屋公演]

えー、昨日のマチネ公演を観てきました。わたしはシュツットガルト・バレエの公演は観ていないので、生舞台は初めてでした。途中ちょっとたるいところがあったけれど、全体的にはまあまあ楽しめたかなという感じです。
バレエ・シーンはあまり期待をしていなかったから、うん、まあこんな感じかなといったところ。
サラ・ウィルドーに関しては、ロイヤルのプリンシパルだった頃のダンスが観てみたかったなとだけ言っておきますです。踊り自体はそれほど悪くはなかったですけどね。
でも、マカロワの映像でみたベッドの上でアラベスクのポーズ(だったと思うけれど)をとるシーン(ジュニア役の人にサポートされてですが)がなかったのが寂しいなあ。みたかったです。
アダムは一人で踊るところはかっこよかったけれど、サラとのシーンはほとんどサポートだけなのでやっぱりちょっと物足りなかったです。

あと古き良きアメリカ〜な時代の音楽をたっぷり聴けたのはよかった。こういう音楽を聴くと「トムとジェリー」を思い出します(トムジェリ好きなの)。

>平日マチネでさすがに2階席は空席がめだってましたが、会場全体の雰囲気はよかったです。お客さんも盛り上がってました。
ソワレはさらに盛り上がったかもしれませんね。

[337] 2004/05/23(Sun) 00:13 仁菜 [オン・ユア・トゥーズ@名古屋]

私は昨日ソワレの方を観ました。
10年前に一応シュツットガルトで観てたんですが、すっかり忘れておりまして、部分的には思い出せましたが、こんなんだったかな〜というところがたくさんありました。プログラムが行方不明なので、誰が出演したかもわかりません。ハイデとクラガンのプロデュースだったような記憶はありますが。

でも、ライティングとか、構成とか雰囲気は何となくシュツットガルトのよりずっとスタイリッシュだという気がしました。10年も前なのでしかたがないとは思いますが、当時はどうもやっぱり、ドイツ人にはミュージカルは合わないんじゃないかな、という感は拭えず、バレエも半端で、そのせいであまり記憶に残ってないんじゃないかと思います。素晴らしかったら、きっともっと覚えているはずですもの。

ともかく1幕は本当に可笑しかったです。アダムも真面目そうな顔して本当に笑わせてくれたし、特に終わり頃は凄いサービスで(とだけ言っておこう)目が点になってしまいました。でも、涙が出そうなくらい笑い転げてしまいました。

彼は特に黒いスーツで踊ると本当にカッコイイですね。タップで踊る所など、「リトル・ダンサー」のビリーがそのまま成長した感じで、よくぞ彼をこの役に使ってくれた、と映画監督を賞賛してしまいます。勤労会館のステージはタップに適した床かどうかは知りませんが、ミュージカルのカンパニーは自前でタップ用の床を用意していることが多いみたいですよ。

彼がタップや歌の訓練をもっと若い頃からしていたことは、今週号の「アエラ」にも載っていますね。表紙もアダムだし。この写真はちょっとアダムの魅力を100%引き出してはいませんね。一般の方(バレエに縁のない方)もご覧になるので残念です。でも、関連記事に、敏腕プロデューサーが挙げるスターの条件に「気品があって華があるだけでなく、ワルを感じさせる部分があること」というようなことが書いてあって、アダムの場合はとっても納得です。(皆さんもそれぞれご贔屓のスターダンサーを思い浮かべてたりして)今回のミュージカルではとってもいい人のような役でしたが、それでも最後のダンスシーンなど十分セクシーでカッコよかったし、来年の「危険な関係」ならそれこそワルの役ですから、彼の魅力をもっと見せてくれることでしょうね。

歌も上手かったし、本当にいろいろな才能を持った人なんですね。彼の英語もきれいで聞きやすかったし、セリフはアメリカン・イングリッシュと書いてありましたが、そのせいかしら。フランキー役のケイシーの英語も聞き取りやすくて、席が結構前だったので字幕が見にくかったから良かったです。やっぱりミュージカルは英語国民の芸術(芸能?)だなぁとつくづく思いました。
サラ(ヴェラ)とかコンスタンティンやセルゲイはいかにもロシア訛りみたいな英語だったし。あれはやっぱりバレエ・リュスを茶化しているのですね。セルゲイはディアギレフがモデルだろうし、ヴェラとコンスタンティンのPdDは「海賊」のパロみたいだったし。そんなことも10年前だったらあまり知識がなかったのでわからずに観ていたんだと思います。

バレエ・シーンは、元々バレエ・リュスを皮肉っているのだから、大したことはないだろうとは思っていましたが、やっぱりイギリスのダンサーにロシアのダンサーのような期待をしてはいけないかな、と思います。何かの対談で、アダム達はロイヤル時代熊川哲也のテクニックに圧倒されたって読んだことがありますが、演劇中心のせいもあるけど、メソッドも違うような?

音楽は、結構覚えていました。聞いたことのあるものが多かったし。やっぱり古いのでちょっとまったりしていましたが。
カオルさんもトムジェリお好きなんですね。私もです。あの漫画には本当に名曲がたくさん使われていますね。子供の頃知らずに聞いていて、後で知ったクラシックの名曲がなんて多いことか。「こうもり」とか「幻想即興曲」「ラプソディー・イン・ブルー」etc.

>ソワレはさらに盛り上がったかもしれませんね。
うーん、ミュージカルの終わりって、ああいうものなのかな〜 カーテン・コールもあまりないし、お客さんは喜んで結構いつまでも拍手していたのに、2回くらいでライトがついてしまったんですね。皆え〜もう終わり?って感じでした。
まぁ、リンゼイ・ケンプ・カンパニーみたいに(最近見ないけどもう来ないのかなー)何度も何度も出てきてくれてそのたび手拍子ってのも手が疲れますけどねー
ちょっと、物足りない終わり方でした。

私はAMP白鳥でアダムにはまった口なので、あの演目は嫌いではありません。もっとも、初めてテレビ放送を見た時は、最後の白鳥達の残酷さ、不気味さに、何これ?と気持ち悪くなって、ビデオ録ったのに消してしまったんです。今思うと、あーなんて勿体ないことを。録り終わって、最後の部分だけ巻き戻して見たので。結局去年オーチャードで観た後、ビデオ買いました。今思うとDVD買えばよかったのに、前の人がビデオ買ってたので、ついつられて、「ビデオ下さい」って言ってしまいました。アダムのポスターがもらえたからよかったけど。

やっぱり生で観ると違うと思いますよ。私はチャイコフスキーは天才だと思いました。違う振りでも、あの音楽が順番通りに出てくるとすごく納得してしまうんですね。この音楽でこういう振付もあるのか、と思うところが結構あって。公演のシーンと舞踏会のシーンが好きです。白いアダムと黒いアダム、どちらも素敵でした。

[338] 2004/05/23(Sun) 00:23 ゆき [私も行ってきました]

私も、観てきました。名古屋公演初回の木曜日です。
正直最初、「こっちにも来てくれるんだったら行ってみよう」といった軽い気持ちで、ほとんど期待していなくて、それがかえってよかったのか、思ったよりずっと楽しめて、よかったです。

その日も、2階席の入りはあまりよくなかったのですが、平日で3回公演なら、こんなものかな、と思いました。私のいた最後列だけずらっと埋まっていたので、そこだけ安い席だったのかも。
その日も会場全体の雰囲気はよかったと思います。特に2幕になると、客席の空気もずいぶんほぐれた感じでした。クーパーは、観客の心をしっかりつかんだ印象がありました。

一幕最後の劇中バレエと、2幕のタップとバレエが混ざったシーンが楽しかったです。客席でも一番盛り上がってましたし。タップもちゃんと聞けてよかったです。自前の床を用意しているところも多いのですね。なるほど。たしかにどんな床でも、というわけにはいきませんものね。ありがとうございます。

肝心のラストの「十番街の殺人」は、ちょっとイマイチかなあと思ってしまいました。<br><br>あと、「どのバレエ作品が好き?」と聞かれてクーパー演じるジュニアが「白鳥の湖」と答えてウケたところがおかしかったです。白鳥は名古屋には来てくれませんでしたが。
白鳥といえば、DVDが、会場で売られていましたが、チャコットでの倍くらいのお値段でした。

カーテンコールはたしかに短かったですね。私は長いカーテンコールが苦手なので、大抵途中で出るのですが、それでも今回は短いと思ってしまいました。
「トムとジェリー」、懐かしいですねー。

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