★Kバレエカンパニー「ドン・キホーテ」(大阪、名古屋)1月

[536] 2005/01/11(Tue) 12:52 ゆき [Kバレエ「ドン・キホーテ」]

ザハロワのメドゥーラ、良いだろうなあと思っていただけに、残念でしたね。私も、白鳥も観られませんが、白鳥はよかったみたいですね。ゼレンスキーも無事に来てくれたようで、それは何よりです。

くるみラッシュの次は白鳥ラッシュの中、フェステバルホールでKバレエのドン・キ観てきました。実は私、名古屋公演のチケットを取り損ねてしまいまして、仕方なく大阪まで行くはめに。2日公演でしたが、ほぼ満席でした。
まあまあ楽しかったですよ。横長のホールで端しかとれなかったため、少し切れましたが。1階でも後半なので、段差はちゃんとありました。
熊川さんは素晴らしいです。目の覚めるような高い跳躍、回転、バランス、目が釘付けで、1幕目から拍手喝さいでした。
白鳥の時も思いましたが、それでいながら、自分だけが目立とうという意識は、もうないように思いました。演技は少々おとなしめのような気がしましたが、その辺りも含めて、とても好ましく思いました。昔より洗練されてかっこよくなっているとおもいますし、今のところ、いい感じで年を重ねているのではないかな。

群舞の衣装は、モノクロでけっこうシックな感じでした。が、闘牛士のショッキングピンクのソックスは一体・・。
エスパーダのキャシディは、昔の写真は、やせていて髪の毛もあってかっこいいのに・・。でも、キャラクテールぶりはやっぱりさすがで、あの体型で、よくあんなに動けるなあと感心しました。

この日のキトリは、康村和恵さんでした。一幕は、落ち着いたローズ色の衣装で、だからというわけではないでしょうが、ちょっと地味だったかも。頑張ってましたし、清潔感のある、かわいいキトリでしたが、キトリはかわいさより、大輪の花が咲いたような華やかさや粋なところが欲しいところ。また、この役に必要な推進力、エネルギーが欠けていたような。
やっぱり、もっと明るい真紅の衣装だったら、もっとぱっとして見えたかも。
ギエムが「私にはスペインの血が入っている。だからキトリが踊れる?まさか。関係ないわ」と言っていたように、日本人には○○は・・という言い方は嫌いなのですが、もしかして日本人にキトリは・・と思えてしまったので、そう思わせて欲しくなかったな。悪くはなかったのですよ。こういうキトリが好みな方もいるでしょう。
他には、ガマーシュのサイモン・ライスがとてもよかったです。

2幕の風車の場面の最初に、ダンスマガジンのインタビューでも言っていたアダージオがあるのですが、この辺り、個人的にとても気に入りました。康村さんは、アダージオは良いです。

ラスト、やっぱりインタビューでも言っていた、キトリのお父さんの髭をバジルが剃るところ、可愛くてよかってです。ハッピーな感じのラストでした。

全体的に、好みだったとは言いかねる部分もありますが、そういうことは別として、これだけのものを作り上げた熊川さんには、やっぱり尊敬してしまいます。よかったねテディ、と思いました。芳賀望さんの笑顔も見られたことだし、行ってよかったです。
もうすぐのマールイのドン・キは観られないのよねえと哀しくなったりもしましたが。ペレンのキトリは大丈夫かな。心配。

[544] 2005/01/22(Sat) 01:10 カオル [Kバレエ「ドン・キホーテ」名古屋公演]

観てきました〜。
いやー、良い舞台でした。「ドン・キホーテ」を観た〜という満足感いっぱい。
最後、盛り上がって体温高くなったわ。おかげで帰り道寒くなかったもの。
これに比べるとやっぱり、マールイの「ドン・キ」(ペレン&ルジ)は・・・。うーむ、ここでそれについて多くを語るのはやめよう。

Kバレエの「ドン・キ」ですよ。
キャストは予想通り、キトリ荒井祐子さん、バジル熊川でした。
バジル熊川はやっぱり真骨頂ですねー。ほんっとお見事。すごいです。
どこまでもたかーい跳躍。いつまで回ってるんだかピルエット。うーん、思わずひゃーっと声が出ちゃう。
荒井さんは、もうちょっと、うん、あとほんのちょっと踊りにキレがあると言うことないなあというキトリでした。でも十分、よかったです。明るくて可愛らしいし、演技もよかった。
おしいのは(私的に)エスパーダのキャシディかな。やっぱあの体形でエスパーダってのはないでしょう、と言いたいです。ファンの方すみません。でもねえ、闘牛士には見えないです。
女性陣はみんな素晴らしいです。キトリお友達とGPDDのヴァリエーションを踊った、康村さんと長田さん、それからメルセデスと妖精の女王(マールイで言う森の女王のことね)の松岡さん、キューピッドの神戸さん、みんな上手いよなあ。

それからガマーシュのサイモン・ライスさん、楽しませていただきました。マールイのガマーシュのマラーホフさんもすっっごく好きなんだけれど、ライスさんのも楽しかったです。
このガマーシュは剣はそんなに怖くないのね、結構ちゃんと戦うシーンあり。踊りもしっかりあり。踊りも演技もほんと楽しかったです。

全体的に良く考えられた演出で、このツアーも終盤に差し掛かっているせいか、ダンサー全員が一丸となってがんばっている感じが伝わってきてよかったです。

[545] 2005/01/22(Sat) 03:12 仁菜 [Kバレエ「ドン・キ」名古屋公演]

カオルさんも行かれたのですね。
私も久しぶりにKバレエを観ました。2001年の「ジゼル」以来です。考えてみたら、日本での熊川君はあと2000年の「カルメン」しか観ていません。(除:ロイヤル公演&越智バレエ「眠り」客演)チケットが取りにくいので、こんなに人気出る前に観ておけばよかったと思ったものでした。

キトリは荒井祐子さん、地元なので彼女が出るだろうとは思っていました。とても可愛くて、上手だし、↑でゆきさんのおっしゃってる「この役に必要な推進力、エネルギー」も結構あったと思います。とても若くて元気いっぱいのキトリ、という感じでした。強いて言えば、色気はちょっと少ないかもしれませんが、熊川君とのパートナーシップは良かったように思いました。Kバレエに移籍したのは成功だったのじゃないかと思います。

衣装は確かに全体に渋いというか、シックというか、特に第1幕はモノクロの世界の中で、闘牛士のショッキング・ピンクのソックスと、オレンジがかった黄色と裏ピンクの闘牛用のマントが妙に浮いていて落ち着きませんでした。シックなのも悪くはないのだけど、日本人がそういう色だと余計地味になるように思います。キトリや花売り娘の衣装も、レースの模様が凝ってはいるのだけど、色のせいで少し華やかさが足りないように思いました。白と黒のスペイン風な衣装も素敵ですが、多数の色彩の中で際だって見えるのがいいように思います。

それに対してセットは豪華でした。いかにもバルセロナの町並みらしい石造りの建物で、奥行きも感じられ、今まで観たドンキのセットでは一番立派なように思いました。(それだけにやっぱり衣装の色がくすんで見えてしまう)

メルセデスと妖精の女王を踊った松岡梨絵さんは、大人っぽくて美しく、踊りも良かったです。この版は大道の踊り子がいなくてメルセデスが全部踊るのですね。
康村和恵さんは花売り娘と、第3幕のGPdDの第1ヴァリを踊っていましたが、特にヴァリの方、素晴らしかったです。
若手の芳賀望さんと輪島拓也さんも伸びやかでジャンプも高く、先が楽しみな感じでした。
他のキャラクターのガマーシュやサンチョ・パンサ等もそれぞれ見せ場があり、なかなかおもしろかったです。1幕でサンチョが放り上げられる場面がなくてさみしかったのですが、3幕にちゃんとあったし。エスパーダのスチュアート・キャシディは(ロイヤル時代あんなんだったかしら?)ゆきさんも書いておられますが、異様に濃くて存在感がありました。(笑)
言うまでもなく熊川君は絶好調で、回転のキレはもちろん、さすがの高いジャンプは足の長さを補って余りあります。今世界であれだけ跳べるバジルって彼とコレーラくらいでしょうか?(コレーラのバジルは観たことないんだけど)

キトリとドルシネア姫は同じダンサーがオデットとオディールのように踊るものだと思っていたら、この版ではデコラティブなドレスにベールをつけたドルシネア姫がチョコチョコ出てきます。でもドレスのせいなのか、太くてオバサン風な姫に見えてしまって、どうにも気になりました。この姫の幻を見たドン・キホーテがキューピッドの弓にあたって恋の虜となり、姫を追い求めて旅に出ることから物語が始まるのですが。
でも、夢の場では荒井さんがドルシネアを普通に踊っていました。この時の衣装が(森の精や女王も色違いの同じデザイン)花びらのようで、いかにも妖精っぽくて良かったです。
ただ、夢の場では風車は引っ込めてほしかったです。また、キューピッドが一人だけで、お供がいないのが少し寂しかったですが、カツラがスッキリしていてよかったと思いました。

主役にゲストなしでここまでやれるとは、日本のバレエのレベルも高くなったなーと感心しました。荒井さんが名古屋出身というせいもあるかもしれませんが、今日は名古屋にしてはすごく盛り上がり、ラスト近くはあの速い踊りに合わせた手拍子、ブラボーの嵐が続き、そしてカーテンコールの最後はスタンディングでした。久しぶりに楽しい名古屋公演でした。
どうしてもルジ@バジルと比べてしまうところがありますが、あれはあれで特別なのよね〜 
今回なんだかまだ書けそうにないです。
[546] 2005/01/23(Sun) 13:29 ゆき [地元でも見たかったです。]

Kバレエのドン・キ、名古屋公演の方もよかったみたいですね。カオルさんと仁菜さんは、3通りのキトリとバジルを短期間で見ることになったのですね。
やっぱりキトリは荒井さんでしたか。大阪公演では、長田さんと花売り娘などを踊ってました。フレッシュなのが長田さん、ちょっと姐御入っているが荒井さん・・。Kバレエのなかで一番キトリに合っているのは、やっぱり荒井さんでしょうね。
康村さんは、「コッペリア」の祈りでは魅了されたので、情緒的な役柄の方が合ってるかな。もしくは、脇でより光るタイプなのかも。

ドルネシア、最初プロローグで出てきたとき、誰?とか思ってしまいましたが、夢の場面で、「あ、ドルネシアだったのか」とやっと気がつきました。(鈍い)プロローグで、ドン・キホーテにドルネシアとキューピッドが見えて旅に出るところは、全体的に筋が通っていていいな、と思いました。
夢の場面、このドレスのドルネシア姫もいて、(たしかにちょっと太めに見えますね)キトリのダンサーもチュチュで出てくるのはちょっと「?」ではありましたが。
やっぱりパンフレットは高くて買えませんでしたが、キーフォルダー買いました。(2千円。やっぱり高い。でもこの熊、手足の関節が動くのです。だからどうってわけでもありませんが・・・)

コレーラのバジルは、映像でちらっと見ただけですが、動きが少しかくかくした感じで、あんまり個人的には好みでないかな。コレーラは好きなんですけど。いい人そうですし。

主役がゲストなしで出来るということは、良かったですね。ヴィヴィとのコンビも観てみたかった気もしますが。

次は白鳥の再演ですね。以前文句言ってしまった群舞の衣装を除けば、素敵な衣装が多くて装置も立派です。熊川さんは、あんまり王子向きではないですが、頑張って王子してるところも、微笑ましいです。

古典のKバレエで、眠りは見たことないですが、「ジゼル」が一番全体的に感心しました。とてもよく考えられているとおもいました。2幕でヒラリオン(DVDのこの頃のキャシディは、今より痩せていた)がウィリに出会うところ、照明が効果的ですごく怖くてよいです。マールイの電球は、やっぱりちょっと・・。1幕の熊川さんのアルプレヒトは、純愛ともプレイボーイともつかない感じで、ジゼルのことは大好きだけど、庶民には溶け込めず、時々とまどってるところとか、よかったです。バチルドが高慢な感じというところもあり、手に口づけしなければいけないところなど、すごく嫌そう。1幕のラストいったん去るけど、また戻ってくるところも良いです。

[552] 2005/01/26(Wed) 23:10 山猫 [遅ればせながら]

「ドン・キ」名古屋、観てきました!
カオルさん・仁菜も行かれようで、同じ公演の感想を読ませてもらえると自分があまり気にしてなかった部分まであらためて気付かされたりして嬉しいです。

いやー、楽しい舞台でしたねー、そしてやっぱり熊川くんはすごい!
ダンスも演技ももちろんだけど演出もいいです、古典を古典のまま しかし現代の私たちが納得できる、自然だと感じられる風につくってくれますからね、
逆に言えば他のバレエ団がそういう点を気にしなさすぎ?なのかも、
バレエではあるけど 劇の部分では演劇畑あたりから演出家を入れたりしてもいいんじゃないでしょうかね。

>デコラティブなドレスにベールをつけたドルシネア姫
バリシニコフ(ABT)のドン・キと同じなので特に気のもならなかったんですが、冒頭に登場させたりするのも話がわかりやすくていいと思います。


とってもいい舞台だったんで 逆にあえて「私ならこうしたい」って事を書いてみます。

  『第一幕のセット』 
実際にスペインに行ったことの無い自分にとって、スペインのイメージは「強烈な光、そしてそこに生まれる深い影」・・・って、これはマンガ「愛のアランフェス」からの受け売り(当時いとこが別マを読んでて自分もハマった:自爆!)
バレエ「ドン・キ」に影の部分はいらないけど、その「強烈な光」をもっと表現して欲しかったような、
具体的には第一幕のセット とっても豪華ですばらしいセットでしたが 左右そして後ろの上部まで(水道橋?)も石造りで ちょっと閉塞感があって、バックはもっと真っ青な空を多くとってもいいんじゃないかなぁ、などと思ったり、
衣装ってあまり気にしないんですが もう少し華やかな方がいいかな、と思ったり

  『カミソリ』
当時の床屋のメインの仕事がどうだったのかは知らないんですが、今の日本では髪を切るのがメインなわけで、初めて観た人で ヒゲを剃るマイムを見て床屋だって分かる人はいないんじゃないかなぁ。(まぁバレエを観る人の場合 そんな人はごく少数かもしれませんけど) もし自分が演出するなら クシとハサミを持たせちゃいますけどね、狂言自殺の場面でも あの折りたたみ式のカミソリはどう考えたって刺さらないでしょう(笑)その点ハサミなら違和感ないし、でも怖すぎかな

暮れに越智バレエのドン・キを観たんで どうしても比較してしまってたんですが、荒井裕子さんは上手いし可愛いしとってもいいんだけど もう少し「芝居っけ」(あえて表現力とは言わず)が欲しいかな とは思いました
越智久美子さんは さすがにベテランでそのへん上手かったもんですから。
これはまあ余談ですけど 越智に客演してたヤナ・サレンコ(キエフ?)さん、短剣を使った踊り(大道の踊り子?メルセデス?)なんか踊ったんですが今更ですけど彼女うまかったですねー

身勝手な希望を書いてしまいましたが、みなさんレベルが高くって、全体としてとっても良かったです。
キューピッドの神戸さんのカツラも違和感なかったですし(笑)
めちゃめちゃオイしいガマーシュはじめ、それぞれに見せ場があるっていうのも好みで、バレエでのスタンディング・オベーションも初体験させてもらいました