吐く息は白い サイト4周年記念



寒い日は人肌恋しくなります。



「うわっ!ソラの手冷たい!」
「ホント、まっかじゃん!」

白い息を吐きながら、とカイリが言った。

「仕方ないだろ、手袋無かったんだから。」

マフラーに覆われてモゴモゴ言わせながら鼻を赤くしたソラが
不機嫌そうに言い返す。
その様子をみて彼女ら二人は呆れたように笑った。

冬の日の出は遅い。

春夏頃ならもう青いはずの空も
今は金色に輝く朝日の光に照らされ白く見える。

夏の似合うこの島にも短いながら、一応冬は訪れるのだ。
それも結構身にこたえる寒さ。
吐くたびに息は白くなる。

登校の際にがソラの手に触れてみれば、
カチンコチンとなっていた彼のそれに驚きの声を上げたのだ。

「もう、バカなんだから。」
「待ってて、私カイロ持ってたはず、」

カイリの呆れ声には慌てて荷物の中を探す。
しかしその行為は制された。
誰が?愚問、カイリの手によって。

「いいよ、」

男は風の子って言うくらいだから。

「え、言ったっけ?」
「ひっでーなカイリ!」

首をかしげると抗議の声を上げるソラ。
しかしカイリは腰に手を当ててキッパリと言い張った。

「だまらっしゃい!」

これぐらいでへばってちゃ漢は語れないぞ!

ポイントはオトコが男でなく漢であるところ。
彼女の理想は相当熱いものなようだ。

それこそ、北風の吹きつける外で寒風摩擦するような。


((・・・そりゃ熱い。))


思わず遠い目をしてしまったとソラだった。

相変わらず吐く息は白い。


「ともあれその手はあっためたいねぇ。」

そういっては手袋をしてソラの手を取った。
ぽすぽすとした感触で優しくこする。

「おー、あったけー。」
「ほんと?」

ほー、っと息を吹きかけて、ぽすぽすとこする。
すると冷たさのせいでぎこちなかったソラの指の動きが
しっかりしてきて、あったまってきたことを教えてくれた、



がいてくれれば冬も寒くないな。」





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4周年記念リクエスト内容「ソラ夢」でした。
デスティニーアイランドに冬がやってきたよ。(2007/1/21)

写真素材提供 NOIONさま