時間を止めることは誰にも出来ないけれど
サイト4周年記念



「おはよー!」
「あ、カイリおはよう!」

よく晴れた朝。
が浜辺の桟橋で小船を用意しているとカイリが声を掛けてきた。

「ソラは?」
「まだ寝てる、昨日遅くまで遊んでたんだってさ。」
「あらら、」

呆れたように言うカイリには苦笑いをすると、
小船を繋いでいた紐を解いた。
今日もまたあの離れた小島で遊ぶ。
何か特別な遊具があるわけでは無いけれど、
そんなものがなくたって時間を忘れる位毎日楽しく過ごすことが出来る島。
そこはたち子供にとっての楽園だ。

「それじゃ、先にいっちゃう?」
「うん、そうしよう。
 きっとソラはリクと一緒に来るだろうしっ!」

そう言って桟橋から飛び降りたカイリは
が乗っていた小船に降り立った。
その衝撃で小船は揺れるものの、何度もやって慣れているため、
二人はその揺れに上手くバランスをとって笑った。
と、同時に

「おいおいカイリ、俺はソラのお守役か?」

呆れたような声は頭上から降りてきた。
二人が顔を上げると、
桟橋の上にリクがいた。

「さあ?何の話かな?」
「ひっでー。」

くすくす笑うカイリにリクがふざけて怒る。

「おはようカイリ、。」
「リクおはよ!」
「ぉ、おはよぅ!!」

リクの挨拶にに声を掛けたときと同じ調子で返すカイリ。
しかしアカネの返事は声が裏返っていて、何かおかしかった。
見れば目の泳いでいる
そわそわもじもじとどこか落ち着きが無い。
そしてリクを見れば彼はそれをどこか面白そうに見ているようで、
なんとも妙な二人だった。

「!」

少し考えたカイリ、何かはっとしたのかニヤリと笑った。

「いけなーい!アタシ家にわすれものしちゃった☆
 戻るついでにソラ起こしてくるからさ、二人とも先に行ってて☆☆」

「え!?」

星なんか飛ばして、思い出したようなわざとらしい言葉を言うと
カイリはが驚いた声を上げたのに聞く耳も持たず
一目散に街の中へと行ってしまった

・・・

「・・・え、ちょっと待ってカイリ、それじゃ私も一緒に!!!」
「ソラならカイリに任せて大丈夫だろ、」
「げっ!リク、いつの間に・・・わぁ!!」

もう豆粒ほどに遠のいたカイリ(早ッ!)に向かってが叫んだが
いつの間にか小船に降り立っていたリクがを引きとめた。
驚いたは思わず飛びのくと、バランスを崩して倒れそうになった。

「大丈夫か?」
「う、うん・・・ありがとう。」

案の定、支えてくれたのはリクで、近くに彼の顔が寄っているのが分かると
はすぐさま身を引いて彼から距離を置いた。








「なに警戒してんの?」
「別になにも!」

小島へ向かう小船の上、リクと向き合うように座る
ぎゅっと体をちぢこませ目を合わせないようにしていた。
警戒心の塊の様子にリクは笑って尋ねるとはそっぽを向いて声を上げる。
その反応をみてまた面白そうに笑うリク。
はバカにされている気がして悔しくなった。

「昨日のこと、気にしてるんだろ、」
「・・・、」

船をこぐリクはそう言うと、はさらに実をちぢこませる。
見れば顔は真っ赤になっていて、案の定の反応にリクは嬉しそうに笑った。

「じょ」
「言っとくけど、冗談じゃないからな。」

あの言葉も、行動も。

言いかけたの言葉にかぶせるようにリクが言った。

「・・・!!!」

顔を上げた
真っ赤になった顔と、見開いた目。
口はパクパクと開いたり閉じたりするものの言葉にならない。



が好きだ。」



2度目になる言葉。
それでもは昨日聞いたときと同じように心臓が鳴る。
そして昨日と同じ様に近づいてくる彼の顔をもう見ている事が出来なかった。





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ひたすら 恥 ず か 死 い ・・・!!(not誤字)
4周年記念リクエスト内容「リク幼馴染夢」
リクがプリキ☆ア5の夏男とダブる(汗)中身はソラなのに(汗)

(2008/2/14)

写真素材提供 NOIONさま