それでも地球は回る。 サイト4周年記念




「何か変なんだ。」

「何が?」
うつむくソラに、がジュースを渡す。

「深呼吸をしても、すっきりしないんだ。」
「どういうコト?」

首を傾げつつもはソラの向かい側に座った。
今日のソラはなんだか変だ。
・・・いや、少し前から、だった気がする。
眉間にシワを寄せて悩み顔。いつものソラらしくない。
そりゃあ、ソラだってなにか悩むことはあるだろうが、
やっぱりウンウンと悩んでどんよりしているソラよりは、
いつだってヒマワリのような笑顔をみせてくれる
ピーカンなソラの方がは好きなのだ。

「もしかして具合が悪いの?」

はそういって、ソラの額に手をあてる。・・・少し熱い気もする。
しかしソラは首を振った。

「エアリスはどこも悪い所は無いって言ってたんだ。でも・・・」
「すっきりしないんだ?」
「そうなんだよ〜」

はあ〜、と深く深くため息をついた。
何とかしてやれないものか、はそう思った。
戦えない自分をいつも守ってくれるソラに、少しでも助けになりたかった。

「溢れるみたいなんだ。」

「何が?」
「わかんないけど、深呼吸すると、この辺膨らむだろ?そんな感じ。」

ソラが肺を指差す。
つられては自分の肺辺りに手を当てる。

「エアリスにそういったらさ、
 『胸のなかで花が咲くみたいでしょ?
  沢山の小さな花が咲いて、胸の中で溢れて、今にも口から零れ出しそうな感じ。』
  って、笑って言うんだ。俺、何かの種でも飲んじゃったのかも・・・」

「もしかしてスイカの種、とか?」
「かも・・・」
「じゃ、じゃあソラのおヘソからスイカの芽が・・・」

それは都市伝説である。
とすかさず教えてくれるレオンやユフィは現在外出中。

「・・・」
「・・・」

二人の間で思い沈黙が流れた。

「俺、死んじゃうのかな・・・」
「やだよソラ、そんなこといわないで!」

ソラのつぶやきにが顔を青くする。
今にもソラのおへそからにょよりと芽が飛び出し、
ソラの栄養を吸いながらすくすくと大きくなっていくスイカと、
栄養を吸われてしよしよになっていくソラの様子を一瞬が思い浮かべて頭を振った。

「やだ!ソラしんじゃやだ!」
・・・」

今にも泣きそうな
ソラは慌てて何か元気つけることをいえないかと思うが
自分自身、原因不明の病の存在に不安を感じていた。

「き、きっとおいしいスイカが出来るだろうからさ!皆で食べてよ!」

やっとの思いで出てきた言葉はそんな感じで、

「・・・!!!」

の顔から血の気が引いていくのをが見えた。

「そういうこといわないで!!!!」
!」

ついに泣き出してしまったに、
ソラはギクリとする。





・・・・




「・・・ねえ、収集が着かなくなる前に教えてあげたら?」
「そうね、なんだか予想外の方向へ話が進んでるものね。」

わんわんと泣き喚くと、それをなだめるソラ。
そんな二人から見えないところで、
ドナルドとエアリスが二人の様子を見守っていた。

「ソラにはまだ、恋心っていうのは難しかったんじゃない?」
ちゃんも、ね。」

二人はふかぶかとため息をついた。

しばらくして、ユフィとレオンが帰ってくると、
泣き腫らしたをみたユフィがそばにいたソラに鉄槌を加える。

慌ててが事情を説明するのだが・・・


「はあ?」
「・・・」


ユフィのあきれた声とレオンのため息が空しく響いたという。





抑えきれないほど溢れる言葉

「君が好きです。」





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大変お待たせしました。王国心ソラ夢でした。
にぶちん同士。(2009/7/5)

写真素材提供 NOIONさま