アナフィラキシーのこと


梨奈は生後9ヶ月のときにはじめてアナフィラキシーショックを起こしました。
そのときはこの言葉自体を知らなくて、
翌月になって小児科ではじめて知りました。

食物アレルギーで命にかかわることがあるなんて、
そのときまでは知らなかったから、
知ってから1ヶ月くらいはまるで地獄にいるみたいな気分で泣いて過ごしました。

アレルギー体質の人が最近は4人に一人とも言われていますが、
体質を持っていても症状はさまざまで、
アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎・結膜炎、花粉症、喘息、
そのほか自覚症状のない人まで。
アナフィラキシーショックを起こす人は
アレルギーの中で1/100とかそうでないとか。
とりあえずそんな確率の低い、敏感な身体であるのです。

梨奈の場合、原因は今のところは小麦で
今まで数回、そういう症状になりました。
いきなり激しく泣き出して、狂ったように掻き出したかと思うと、
顔が腫れ始め、関節が腫れ始め、全身が腫れてきます。
耳なんて、1.5倍くらいに大きくなってしまう・・。
真っ赤っかのぶよぶよで、しまいに呼吸がゼイゼイいってきます。
症状が落ち着くまでは、はじめのときは1時間くらいでしたが
最後のときは3時間くらい続きました。

アナフィラキシーショックって詳しくはなんやろう、
本を読むと難しい言葉が書いてあってわかりにくくて、
ただ、「劇的反応」で、ひどければ心臓が止まってまう・・・・
なんて、強烈な言葉だけが頭から離れなくなります。

最近になって、ようやくちょっとだけ分かってきました。
が。
本当のところ、はっきりしたことは分かっていないことが多いらしいです。

「アナフィラキシー様反応」っていうのは「即時型」のことで
即時に"蕁麻疹"が出るのがこれに当たるそうです。
そして「ショック反応」とは、広義でとらえることが出来て
呼吸困難もそうやし、血圧の低下もそう、意識混濁、心臓停止もそう。
どれかひとつが起きるだけでも「アナフィラキシーショック」。

梨奈は今までは即時に起きる全身の蕁麻疹と喘息みたいな症状。
だから「アナフィラキシーショック」と言われたようです。

アナフィラキシーショックは原因を特定して発症をブロックすることが大切。
それは何度も発症すると、
どんどん症状がエスカレートする可能性があるからだともいわれました。

テレビでもよく、アナフィラキシーに関する番組をやってます。
体調の悪いときに小さい頃や進行形でアレルギーのある(あった)ものを給食で食べて、
そのあとの体育の時間にいきなり心臓が止まってしまった話とか。

大学時代の友人の話では
彼女はずっとアトピーだったけれど
高校生のとき、学校ではじめて薬でショックを起こして倒れ、
それ以来そのことが分かるものを持ち歩いていたとか。

こういう話を聞くと、
何も知らなくて、こういうことがいきなり起きてしまうっていうことが
やっぱり一番おそろしいことなのかもしれないと思います。

もしショックが起きたとき、どう対応するのか
連絡先や病院はどこがあるのか、
あらかじめシュミレーションできていて周囲のものが知っていれば、
だいぶ違うと思います。
また、本人や身近な人が、本人の体調の悪いときには
食べるものや生活の仕方に気をつけるだけでも違うと思います。

対応策がしっかりあることで私自身も親としてだいぶ落ち着けました。
心構えが出来たということなのかな。
お守りのプレドニンも持ち歩いているし。

「アナフィラキシーショックを起こしたことがある人は
他のアレルゲンにもショックを起こす可能性が高いのですか?」
そういう質問をあるドクターにしたら
その可能性は十分にあります、とだけ言われました。

正直言って、やっぱり恐ろしいけど、
やっぱりなんでも知っていた上で
考えられることをちゃんとしておいて、
構えておきたいものだと思います。

天災も、そうやもんね。
備えあれば憂いなし・・・・・憂いは無いのかなあ・・・・??
この場合、
憂いは「少なし」やな。




2002年3月


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