妄想ウルトラマン80■
■第15話■悪魔博士の実験室

ペースマミーで6ヶ月間の宇宙巡航に出ていたUGMのセラ広報担当員が帰還した。そのセラが宇宙から持ち帰ったのが、宇宙生物の赤ちゃん。「弱っているから、助けてあげたい」という。もし、その生物が地球に被害をもたらす危険な怪獣だったら…とその軽率さを注意されるが…
 宇宙生物学の権威で城野エミ隊員の父親・城野博士は、その生物はミューといって、それほど大きくならないし、おとなしいから大丈夫と判断する。エミ隊員、矢的、セラは、熱心に看病するのだった。エミ隊員の子守歌で静かに眠るミュー。

 しかし、小動物に、ある薬品と電気的刺激を与え、巨大化させ、石油や原子力以上の力を持つ家畜にする、といった実験を進めていたナカガワ博士が、ミューを盗み出してしまう。
 「マンモスのように巨大で、番犬のように忠実な奴隷に」と実験を始めるナカガワ博士。見事巨大化に成功するが、危険視されていた薬品の副作用で、ミューは凶暴化してしまう。

 上空からUGMの攻撃が開始されるが、ミサイルの発射ボタンを押せないエミ隊員は、ミューの攻撃を受け墜落してしまう。

 エイティ登場。「ミューを殺さないで」エミ隊員の叫び。あの時の子守歌が、ミューをおとなしくさせるのだった。

ラ広報担当員登場。ミリタリズムの中に愛やら安らぎやら何やらを持ち込む別視点として、こういったメンバーをレギュラー化したのは、本作品の評価できるところではないだろうか。どこまで生かしきれたかは別として、あらためて考えてみると、結構斬新な設定では? また、セラが宇宙で発見した怪獣墓場は、初代ウルトラマン35話の流れだし、マッドサイエンティストの登場はウルトラシリーズの定番。怪獣に踏み潰されて死んでいく姿は「お決まり」ゆえに微笑ましい。城野エミ隊員が歌った子守歌は、前作『ザ☆ウルトラマン』の挿入歌「怪獣レクイエム」。第一期ウルトラを支えた満田 禾斉 監督が作詞、劇伴担当の冬木透氏が作曲した逸品。(2001/4/21)

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