妄想ウルトラマン80■
■第16話■謎の宇宙物体スノーアート

学技術館で開かれている宇宙展の展示品スノーアート。宇宙空間で発見されたその物体の、雪の結晶にも似た姿に、人々は魅了されていた。しかし、その物体から発せられている音波に不信を抱いたUGMは調査を開始するのだった。

 UGMは、その音波の解読に成功、スノーアートは、友好宇宙人ルリヤ星人が宇宙の悪魔デビロンを封じ込めた檻だった。しかし、時すでに遅く、物体調査中の矢的と城野エミが赤外線を照射した途端、スノーアートは崩れ落ち、デビロンは城野に乗り移ってしまった。
 街中に現れたデビロンは、テレパシーで人々を破壊行動に導く。デビロン=城野に攻撃できないUGM。防衛軍の攻撃に巨大化するデビロン。変身して立ち向かうエイティだったが、デビロンに操られたイトウ、ハラダ、タジマによる攻撃を受け苦戦を強いられる。

 「私を殺して。このままでは人類が滅んでしまう」 城野の訴えに、エイティは危険な賭けに出た。体内に一時的なエアポケットを起こすことが、デビロンの弱点。デビロンを苦しませることで、城野と分離させ、自分に乗り移らせたのだった。エイティとデビロンとの精神力の勝負に、エイティは勝利した。

回に続いて、城野エミ隊員メイン編。友好的な宇宙人の警告も、解読できなければ無意味。スノーアートを破壊してしまったことで起こる災い。もっと早く解読できていれば! デビロンによる侵略の描写がイマイチで残念だが、宇宙的スケールの秀作SF。

 「いつまたデビロンのような生物が宇宙から運ばれてくるかもしれない。いや、もうすでに君の周りの人間に宇宙生物が取り付いているかもしれない。諸君、気をつけて」

 エピローグのナレーションは、いかにも“ウルトラ”だ。(2001/5/3)

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