妄想ウルトラマン80■
■第33話■少年が作ってしまった怪獣

浜海岸付近の西山病院に怪獣が出現した? 手術を怖がる健一少年は、自分で作った人形を使って怪獣出現騒動を起こし、手術日を遅らせようとしたのだった。しかし、その人形に怪獣の魂が乗り移り、怪獣化してしまう。すべての攻撃を吸収し、跳ね返す工作怪獣ガゼラ。窮地に追い込まれるエイティ。弱点は、腹部の“増幅器”! 健一少年の声を受けて、エイティは勝利し、少年の手術も成功するのだった。

回から主題歌映像が変更され、矢的猛の実写となった。明確になる“路線変更”。また、第1話を執筆したメーンライター阿井文瓶氏の最終作でもある。メーンライターだからこそ、少年の恐怖心がマイナスエネルギーとなって人形に乗り移り、怪獣化するといった当初のテーマで描いても良かったと思うが、まあ「怪獣の魂」もいいでしょう。
■「将来はUGM宇宙技術班に入るつもりなんです!」と健一くんは健気。君も夢はUGM隊員なのだね。しかし、長く生きられないかも知れない、手術が怖い…と苦しみ、涙を流す姿が、裏表となってリアルだ。
■それにしても、ガゼラは開き直ったデザインだ。子供が作った怪獣の人形という設定だからといって、本当に幼稚園児の粘土工作みたいな着ぐるみを作ってしまうスタッフに拍手。
■西山病院の院長先生は、「ウルトラセブン」キリヤマ隊長の中山昭二氏。平成版「ウルトラセブン」への出演かなわず他界した氏にとって、最後のウルトラシリーズ登場となった。
(2005/8/16)

前絶後の「80」検証本『君はウルトラマン80を愛しているか』を読む
◆(撮影/大岡新一インタビューより)「(ガゼラの)原案は僕の息子なんです(笑)。(中略)ちょうど息子が6〜7歳だったから、僕は何も言わないで粘土だけ与えて作らせたんです」
■なるほど、本当に子供の粘土工作が怪獣の原案だったのか!
(2006/7/17)

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