妄想ウルトラマン80■
■第34話■ヘンテコリンな魚を釣ったぞ!

少年が釣った(と友達に嘘をついた)魚は、どんどん大きくなっていった。不信な電波にUGMは調査を開始するが、たどり着いたのは少年の家…。電波はその魚から発せられていた。三浦半島沿岸に出現する巨大怪魚アンゴーラス。少年が釣った魚はその子供だったのだ。深海から現れ、暴れ出した親怪魚に“遊ばれる”エイティ。少年が魚を海に返すと、怪魚親子は静かに、また深海へと帰っていくのだった。

2期ウルトラシリーズでアミニズム的傑作を描いた石堂淑朗氏がエイティ初登板。エイティでは計8本を手掛けるが、これはもう「ウルトラマン石堂」といってもいい、石堂テイストあふれる作品群だ。
■まず、1匹も釣れなかった釣り人相手に魚を売る人の姿から話は始まる。「せっかく釣りに来たのに、魚を買って帰ったんではしょうがないなあ」と、鼻で笑う釣り人オジサン。んー、石堂的。そして「この浜ももうダメさ」と嘆く漁師。んー、石堂的。友達に嘘をついて、釣り名人の証・バックルを手にするものの、「嘘がばれたら仲間はずれになってしまう」と悩む治くん。友達もまた無邪気。その生々しさも石堂的。
■治くんに大きな水槽をおねだりされた父親に、「パパ、また買ってやるっていったでしょ。自分の子供のころは何もなかったから、子供には甘い。あなたの年代の人はみんなそう」という母親…。んー、石堂的。大好きだ!
■オオヤマキャップの「怪獣を釣り上げるんだ!」発言。これがオオヤマのキャラクター崩壊の発端だろう。例えるなら、MATの加藤隊長からZATの朝日奈隊長に性格が変わってしまったかのような違和感。つられてUGM自体もZAT的になる。
■しかし、3話連続で海岸沿いが舞台なのは、11月放映だったことも合わせて、配慮が必要だったのではないか。
(2005/8/16)

前絶後の「80」検証本『君はウルトラマン80を愛しているか』を読む
(脚本/石堂淑朗インタビューより)「ただ僕は広島の尾道出身だから、どうしても魚とか昆虫にかこつけた話が出てくるね」
■待望のリリーフピッチャーだから、許されてしまうところもあるのだろうか。ウルトラのセーブ王・石堂先生、最高です!
(2006/7/17)

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