妄想ウルトラマン80■
■第44話■激ファイト! 80VSウルトラセブン

走族・サターン党にはねられ、重傷を負ったサッカー少年・直人くん。彼の怨念が大好きなヒーロー・ウルトラセブンの人形に乗り移り、実体化してしまう。サターン党だけを襲い出す“妄想ウルトラセブン”! エイティとセブンの戦いが始まった…。俊敏な動きでエイティを翻弄するが、ユリアンの協力により正体に気付いたエイティの光線で直人くんの怒りは解放され、硬直したセブンは宇宙に運ばれるのだった。

にかくウルトラセブンが登場するイベント編。セブンの雄姿としてエレキング戦、ガブラ戦、ビラ星人戦が差し込まれる。これ、「80」にもかかわった野長瀬三摩地監督、満田監督の作品。こだわりの選択か。
■弟のサッカーのライバルを暴走バイクで怪我させるお兄ちゃん、悪人だ。暴走族に絡まれるお姉ちゃん、何だか大人なシーンだ。「悪質なひき逃げ事件。徹底的に捜査すべきです」と熱くなる矢的猛。それをそっと許すオオヤマキャップはやっぱり、ボクらのオオヤマキャップだ。
■矢的猛と地球人としては未熟なユリアンとの交流も、テーマになっていく。超人的な跳躍力を見せた前回に続き、テレパシーを使うユリアン。「地球人以上の能力は、地球で暮らしていくためには必要ない」という矢的。地球人として一生懸命頑張る、その精神が改めて強調される。
■夜のビル街で暴れ回るセブン! 後に「平成セブン」を撮る神澤信一特撮監督が演出した最初のセブン、と考えるとまた見方が変わらないか。加えて、「ティガ」の方向性を決定付けた第3話「悪魔の預言」のティガVSキリエロイドも夜のビル街が舞台だったが、特技監督は同じく神澤氏。16年の時を超えての類似シチュエーションを見比べてみるのも、現在のファンに与えられたぜいたくな楽しみだろう。
■妄想セブンがアイスラッガーを使わないのは、元が着脱不能のソフビ人形だったからだろうか。残念。
(2005/8/17)

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