7月 1日(金) 西予市宇和文化会館 (18:30開演)   座席 1階D列30番


今年初の遠征、西予市のコンサートに出かけた。
その前の話。
チケットを申し込む時、「どこ??」って思った。

 四国の西端で、松山からJR特急で1時間ほどの「卯之町」という小さい街である。パソコンで調べると普通のビジネスホテル一軒見当たらない。ただ、20分ほど先には宇和島という名の通った街があり、ここには現存する建築当初の天守閣が残る日本12城のひとつ「宇和島城」がある。

 多分、二度と行くことも無いのかなぁと思い、一日ゆっくりと先乗りして松山に2泊することにした。宿泊地の松山城も、ツアー後半に出掛ける松本のお城も、この日本12城のひとつであり、名古屋からちょっと足を延ばせば岐阜の犬山城もありで、まさに今年の真梨子さんのツアーは「12城めぐり」の様相である。


 9時40分に家を出発、11時30分に羽田空港到着。いつものSKY ROOMで昼食を済ませ、13時05分発のJAL便で松山に向かった。
 この便はボーイング737で、左右3席ずつのこぢんまりとした飛行機であるが、久々に快晴の空路で快適であった。また、およそ7割の乗客で、3列シートの中央席はほとんどが空いておりゆったりと過ごせた。

 松山空港には定刻に着陸し、リムジンバスに15分ほど揺られれば松山駅に15時到着である。今回は3度目の松山で、初めて訪れた時に利用した駅近くの「サンルート松山」に2泊する。

 夕食、と言うか晩酌は、とても蒸し暑く「遠くまでは歩きたくは無いなぁ」と思い、駅との中間に見つけておいた“松山”の「薩摩」という店に入った。
 こ洒落た席あり、座敷もあり。だが、ひとりでカウンターに座った。チェーン店では無く個人のお店だ。

 「はて何を??」と、取り敢えずの「生中」。
 「一人で食べられる量かな?」と、主人に相談して刺身の盛り合わせを注文した。松山に漁港は有るかと尋ねると15分ほどの所にあるそうだ。食せばシコシコで、これは旨い刺身であった。

 そして、カウンターの大皿に並ぶ一見「がんもどき」と思うものを尋ねると「さつま揚げ」なんだそうな。それは、そう見間違えるほど分厚いもので、美味しそうに並んでいたので貰うと土産に買って帰りたいほどの美味に出会った。
 また、焼酎の水割りがとても“濃い”のだ。生中一杯と黒霧島の水割り2杯で結構良い気分になってしまった。


 さて、西予市宇和文化会館のコンサート当日である。

 松山駅から乗ったのは「アンパンマン列車」の特急「宇和海」。ガラガラの列車で、宇和島までは1時間20分ほど揺られることになる。


 宇和島は大きい街だと信じて行ったのだが、思いのほか閑散としていた。そして、駅から徒歩10分ほどの宇和島城は、入口が思いのほか小さく通り過ぎてしまった。



 その宇和島城は見事な“山城”で、街からポコっと出た山にあり、20分ほど急坂と段差の大きい石段を登らさせられる。これはこれまでに行ったお城とは違って健脚向きである。

 よせばいいのにこの日は特別蒸し暑い日で、更に、たまたま羽田空港で見つけた「澤乃井」の大吟醸を真梨子さんと小松崎さんに買っていた。4合びん2本を入れたバッグを持って登ったのである。
 この「澤乃井」のお酒は、その昔、コンサートでプレゼント・タイムがあった頃、毎回買って真梨子さんに手渡しして握手をしてもらった東京・青梅の造り酒屋のものだ。


 大汗をかいて天守閣にたどり着いたのだが、天守に登るととても涼しく気持ち良い。暫し休憩して、帰りに受付の人に「暑くても過ごしやすく出来ているんですね」と話すと、「冬はたまらなく寒い」そうだ。
 何はともあれ、みやげ物屋もなく、登り口には「この先トイレなし」の案内がある、本当に天守閣だけの「宇和島城」であった。



 宇和島の街は、コンサートのある卯之町よりは数段大きい街なのだが、昼食に困るほど店が無い。結局、何かで見た「かどや」という店に入るとちょっと高級なもので、「昭和を復元した焼肉定食」がおススメであった。

 16時過ぎに会場があるJR「卯之町」駅に降り立てば、元「てまり」のMさんが待合室のベンチにポツンとひとり座っていた。
 じきに関西からのご一行様が到着すると聞いて隣に座ると、駅からは会場となる西予市宇和文化会館が線路際のすぐそこに見えている。列車から往復見たそこには、コンサートのセットを運ぶ大型トラックが5台止まっていた。


 コンサートは12名の応援団。キャパ1,000名のこぢんまりした会場で「4列目の通路際の席」という、まぁ文句の無いチケットを握り締めて行けば、1列目が潰されているのは大変結構!なのだが、なんと通路に補助椅子が並んでいるではないか。
 これは違反だ! 愕然としてしまった。

 ステージが狭く、タイトルを映す薄い幕は無く、真梨子さんは普段と違って上手から登場した。場所柄、初めての方が多くスタンディングは少なく、3列目となったD列で真梨子さんと向かい合わせを楽しませて貰ったのである。
 今回も5分遅れの「定刻」にスタートして2時間ちょうどのコンサートをたっぷり楽しませてくれたのだが、帰りの列車が20:36発。もう、これは無理。何もない街で次の列車まで1時間暇をつぶすのは大変である。
 が、そんな私に救いの手を差し延べてくれたのは、米ちゃん。兵庫県から車で5時間かけてみえたそうで、松山泊まりの3名を送ってくれることになり、松山でやや遅いオフ会も楽しませて貰ったのである。

 4名で昨日行った“松山”の「薩摩」で食事をした。
米ちゃん「♪ありがとう」ございました。

いやいや、旅は楽しいものである。
が、明日は松山から夜勤で出勤しなければならない。
やれやれ…。








Mariko Takahashi with Henry Band
CONCERT TOUR Vol.35 2011