マウスオーバーで男前のアレどんが


     アレどんと行く夏惜しむ農道に
        何でこんなに風の通るか
        (裏画面のアレどんは気持ち良さそう)

輝け、アレ!



アレどんがアレどんと呼ばれるのは
勿論タヌどんの影響だ
正式な名前はアレックス
彼が犬であることを知って
冗談じゃないと怒る向きもあるかも知れない
犬にしてはあまりに立派な名前
だとしても彼の名付け親が自分でないことを
最大の理由に許していただきたい
生い立ちはわからない
もらわれてきたいきさつを聞かされただけだ
今では、彼をアレックスと呼んで
何の違和感も感じさせない雰囲気がある

あんちゃんが幼稚園に行っていた頃
まさじいの長男だが
美人のロンがいた
雌犬だ
長めの毛は漆黒(しっこく)
実に美しかった
自分が犬であることを知らない犬だった
要するにまさじいとの違いは
あなたはあなたで私は私
それだけ
それもそのはず
もらわれてきた子犬の頃
まだ乳離れもしない小さな子犬だった頃
バケツの中であんちゃんと水浴びしていたのだ
それが突然亡くなった
あんちゃんが中学生のころだった

それから間もなくもらわれてきたのがアレどんだ
一番身近かに育ったのがあんちゃん
しっぽをくるっと上にまるめ
とことこあんちゃんについて歩いていた
どうやらそれからのこのこ大きくなったらしい
あんちゃん、そしてアレどんも
あんちゃんが13歳
それから7年たったら
その間にアレどんの立場がずいぶん変わってしまった
不思議なことに
その変わった立場はごくごく狭い範囲だった
ようするにアレどんとまさじいの関係は変わらず
アレどんとお母さんの立場は変わらず
そういうこと
変わったのはあんちゃんとアレどんの間だけ
何でか

アレどんとは共に蜂に刺されたり
5時間以上も散歩して帰りが暗くなったり
それなりに長い付き合いだ
ほとんどは散歩の時だけではあるが
互いの関係では何の変わりもなく続いている
何も変わらないのだ
いや、最近横目でじろっと見るようになったか
何だこいつ、そんな目だ

さて、アレどんとはどんな犬なのか
まず、走りのアレどん
走るのが大好き
次に、唇をふくらませてにおいを追う
まさに猟犬の一面だ
最後に荒野の風来坊
自由になったら最後、好き放題
決して家に近づかず遊び放題
ああ、そんなアレどん
だから芸の一つも出来やしない
そうだった、言い忘れたが血統はわからない
雑種なのだと思う
外見、ジャックラッセルテリア
猟犬型
中型犬
やっぱり猟犬の血筋を引いているのかな
ジャックラッセルテリアならねずみ
アレどんはモグラ狩りが大好き
世が世だったらどこぞの王子様、なのかも知れない
まさか、ね

さて、アレどん
彼の大の苦手はあんちゃんだ
ちょっと訳ありで怖い
だから逆らえない
あんちゃんが大学生になって東京に出てしまい
ずっと留守の間は平和だ
だが、夏になると怖い思いをする
でもトータルでは楽しんでいるんだろう
なにせあんちゃんが来ると喜ぶのだから
そして余笹川での水浴び
これが嫌いだ
てんで足の着かないところまで連れて行かれてしまう
抱きかかえられてはどうにもならない
そうやって水浴びを覚えたが
アレどんの、喜びと裏返しの恐怖は
いつになってもなくならない

そうそう、もうひとつ
アレどんは冬でも水の中に入る
まさか泳ぐほどには入らないが
水が好きになったようだ
勿論そんなことはあんちゃんには内緒だ
また雪が大好きだ
雪があればその上を転げまわる
雪を食べながら・・・
まったく、まったくな
それを見るまさじいはため息だけだ



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