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オーナー役員給与の一部が損金にできない?!
〈平成19年3月決算法人より〉
1、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入
(1)概要
特殊支配同族会社に該当する法人が業務主宰役員に対して支給する給与の額(以下「業務主宰役員給与額」といいます。)のうち、給与所得控除額に相当する部分の金額は損金の額に算入されないこととなりました。
ただし、特殊支配同族会社の基準所得金額が800万円(一定の場合には3,000万円)以下である事業年度などについては、この規定は適用されません。
なお、この規定は、平成18年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
(2)特殊支配同族会社の範囲
「特殊支配同族会社」とは、次のいずれかに該当する同族会社で、業務主宰役員(注1)及び常務に従事する業務主宰役員関連者(注2)の総数が常務に従事する役員の総数の半数を超えるものをいいます(注3)。
@
業務主宰役員グループ(注4)がその同族会社の発行済株式又は出資(自己株式は除きます。)の総数又は総額の90%以上を保有している場合のその同族会社
A
業務主宰役員グループがその同族会社の一定の議決権の総数(その議決権を行使することができない株主等が有する議決権数は除きます。)の90%以上を保有している場合のその同族会社
(注1)「業務主宰役員」とは、法人の業務を主宰している役員(個人に限ります。)をいいます。
(注2) 「業務主宰役員関連者」とは、その業務主宰役員の親族などでその同族会社の役員である者及び業務主宰役員とこれらの者により支配されている他の同族会社をいいます。
(注3) 特殊支配同族会社の判定は、その事業年度終了の時の現況により行います。
(注4) 「業務主宰役員グループ」とは、業務主宰役員及びその親族などである者並びに業務主宰役員とこれらの者により支配されている他の同族会社をいいます。
2、業務主宰役員給与額のうち損金不算入となる金額
業務主宰役員給与額のうち損金不算入となる金額は、その事業年度の業務主宰役員給与額の金額に応じて、次の表により計算した金額です。
なお、この業務主宰役員給与額には、債務の免除による利益その他の経済的利益の額は含まれますが、退職給与の額及び法人税法第34条《役員給与の損金不算入》の規定により損金の額に算入されない金額は含まれません。
業務主宰役員給与額
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損金不算入となる金額
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〜 650,000円
500,000円の場合
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業務主宰役員給与額の全額
500,000円
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650,001円〜 1,800,000円
1,200,000円の場合
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業務主宰役員給与額×0.4 (65万円未満の場合は65万円)
650,000円
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1,800,001円〜 3,600,000円
3,000,000円の場合
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業務主宰役員給与額×0.3+180,000円
1,080,000円
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3,600,001円〜 6,600,000円
5,000,000円の場合
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業務主宰役員給与額×0.2+540,000円
1,540,000円
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6,600,001円〜10,000,000円
7,000,000円の場合
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業務主宰役員給与額×0.1+1,200,000円
1,900,000円
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10,000,001円〜
12,000,000円の場合
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業務主宰役員給与額×0.05+1,700,000円
2,300,000円
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3、損金不算入の規定の適用がない事業年度
特殊支配同族会社の次の事業年度については、この規定は適用されません。
@ その事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度(基準期間)の所得金額又は欠損金額及び業務主宰役員給与額などを基礎として計算した金額の平均額(以下「基準所得金額」といいます。)が年800万円以下である事業年度
A 基準所得金額が年800万円超かつ3,000万円以下であり、かつ、基準所得金額に占めるその業務主宰役員に対して支給する基準期間の給与の平均額の割合が50%以下である事業年度
(注) 新設法人などで、基準期間がない特殊支配同族会社については、その事業年度の所得金額又は欠損金額及び業務主宰役員給与額などを基礎として計算した金額(以下「当年度基準所得金額」といいます。)により、上記(1)及び(2)と同様に判定します。
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