体をアルカリ性に傾ける食品、酸性に傾ける食品

 
前回のトピックス「がん劇的寛解」163ページにある表「食品、飲料が尿ペーハーに与える影響」の出典元は、1995年発表のドイツのTHOMAS REMER,PhD, FRIEDRICH MANZ,MDによる「Potential renal acid load of foods and its influence on urine PH」であり、和田先生はその要約を掲載しています。下記の数値は、ネット上の研究報告にある食品の全検査数値です。

 この検査数値は、食品や飲料100gを摂取した場合の尿ペーハーの変化の割合を、尿ペーハーが中性の時を全ての基準点(0)として、変化の割合が「-」に傾くほどアルカリ化が進み、反対に「+」に傾くほど酸性が進むことを示しています。

飲み物
 ドラフトビール  -0.2、 黒ビール  -0.1、 コカ・コーラ  0.4、 スキムミルク入りココア  -0.4、 コーヒー  -1.4、 ミネラルウォーター  -1.8、 赤ワイン  -2.4、 紅茶  -0.3、 白ワイン  -1.2  

脂肪とオイル
 
バター  0.6、 マーガリン  -0.5、 オリーブオイル  0.0、 ひまわり油  0.0


 
タラの切り身  7.1、 メバル  6.8、 ニシン  7.0、 鮭  10.8

果物、ナッツ、フルーツジュース
 
リンゴジュース  -2.2、 アンズ  -4.8、 バナナ  5.5、 干しブドウ  -6.5、 サクランボ  3.6、 グレープフルーツ  -1.0、 ヘーゼルナッツ  -2.8、 キウイ  -4.1、 レモンジュース  -2.5、 オレンジジュース  -2.9、 オレンジ  -2.7、 桃  -2.4、 ピーナツ  8.3、 パイナップル  -2.7、 レーズン  -21.0、 イチゴ  -2.2、 クルミ  6.8、 スイカ  -1.9

穀物
 
ライ麦パン  4.0、 白パン  3.8、 全粒粉のパン  1.8、 コーンフレーク  6.0、 玄米  10.7、 白米  12.5、 スパゲッティ  6.5


 
グリーン豆  -3.1、 レンズ豆  3.5、 エンドウ豆  1.2

肉と肉製品
 
牛赤身  7.8、 鶏  8.7、 コンビーフ  13.2、 フランクフルト  6.7、 レバーソーセージ  10.6、 ランチョンシート  10.2、 豚赤身  7.9、 サラミ  11.6、 七面鳥  9.9、 子牛  9.0

牛乳、乳製品、卵
 
バターミルク  0.5、 カマンベール  14.6、 チェダーチーズ  26.4、 ゴーダチーズ  18.6、 カッテージチーズ  8.7、 クリームフレッシュ  1.2、 鶏卵  8.2、 卵白  1.1、 卵黄  23.4、 フレッシュチーズ  11.1、 アイスクリーム  0.6、 エバミルク  1.1、 パルチザンチーズ  34.2、 プロセスチーズ  28.7、 ヨーグルト  1.2

砂糖
 
チョコレートミルク  2.4、 蜂蜜  -0.3、 スポンジケーキ  3.7、 ママレード  -1.5、 白糖  -0.1

野菜
 
アスパラガス  -0.4、 ブロッコリー  -4.9、 人参  -4.9、 カリフラワー  -4.0、 セロリ  -5.2、 チコリ  -2.0、 キュウリ  -0.8、 ナス  -3.4、 ニラネギ  -1.8、 レタス  -2.5、 マッシュルーム  -1.4、 玉ねぎ  -1.5、 青唐辛子  -1.4、 ジャガイモ  -4.0、 トマト  -3.0、 ホウレン草  -14.0、 赤ラディシュ  -3.7、 ズッキーニ  -4.6


 この表で気が付いたのですが、日本では芋類は主食に近い食品の様に考えられていましたが、欧米では野菜と考えられているようです。また、健康食品の横綱と考えられている乳製品と玄米が、尿のペーハーを酸性に傾ける横綱食品であることに注目すべきです。反対に、アニメのポパイで有名なホウレン草は、最も尿のペーハーをアルカリ性に傾ける食品であるとのことです。アルコール類が(−)食品になっていますが、多くの人で筋力検査陽性になり、糖尿病、循環器疾患の人で果物、砂糖、蜂蜜が、甲状腺疾患の人で海藻が陽性になります。従って、筋力検査陽性になる食品は、尿のペーハーを酸性に傾ける食品だけではないことに注意してください。

令和4年5月4日