「コロナワクチン失敗の本質」 宮本孝幸 鳥集 徹 著(宝島社新書)
本書は4月3日のザッピング「100分の1作戦とは?」で紹介した宮崎孝幸 京都大学医学生物学研究所ウイルス共進化分野准教授の「ウイルス学者の責任」(PHP新書)に続くもので、医療ジャーナリストの鳥集
徹氏との対談形式でコロナワクチンの問題点を分かりやすく解説した一書です。
集団免疫ができなかったどころか、3回目接種まで進めたにもかかわらず、ブレークスルー感染とクラスター発生が相次ぎ、オミクロン株になって過去最大の陽性者が出ています。さらに、ワクチンの副反応で亡くなった方、後遺症で苦しむ方、免疫抑制により将来がんになるかもしれない方の存在を考えると、お2人のコロナワクチンに対する評価が失敗だったというのは納得するところです。
その根拠として、ヒトコロナウイルスが季節性の風邪を引き起こすもので、同じウイルスに感染後時間がたてば人間は何度でもかかることは、ウイルス学者やワクチン学者の間では教科書レベルの話だそうです。その感染を予防するには、粘膜上に2量体の分泌型IgAがたくさん出てくれれば、外界からのウイルスは粘膜上でブロックできる。ただ、ウイルスを大量に浴びると感染しやすくなる。ですから気道感染して肺炎を起こすようなウイルスをワクチンで防御するのは難しいとのことです。ワクチンに頼るのではなく100分の1作戦を宮崎教授が提唱した理由を確認した次第です。
RNAウイルスはDNAウイルスの100倍くらいの変異スピードがあり、オミクロン株のスパイクタンパクは武漢株と比べて30か所以上変異しているので、当然効果は落ちる。それにコロナ感染症は抗体のおかげで回復しているのではなく、メインは細胞性免疫、自然免疫だと考えられるとのことです。米ペンシルベニア大の調査によると、ウイルスに感染し回復した人でも、抗体が上がっていない人が36%もいたそうです。宮崎教授は細胞性免疫の誘導だけを考えるなら、2回のワクチンで充分ではないかと言ってきたそうです。そもそも、PCR検査で陰性になっても、3.8%の人は新型コロナ感染診断後7カ月たっても便中にRNAが検出された、つまりウイルスが持続感染しているとの報告があったそうです。つまりこの世からは消せない。ゼロコロナは無理で、ドーンと受け止めるしかないとのことです。
ワクチンで起こりえる害では、接種により大量のスパイクタンパク質ができ、そのタンパク質が血管内皮細胞を障害し、それが原因で血栓ができ、心筋炎が生じると言われています。また、もし接種前にコロナウイルスに感染していたとしたら、それに対する記憶を免疫細胞が既に持っているため、ワクチンを接種して細胞がスパイクタンパク質を作りだしたら、その細胞が細胞障害性T細胞の攻撃対象になる。また、もしも注射するとき、針が血管に刺さってしまうと、血中に大量のLNP(mRNAを脂質で包んだ脂質ナノ粒子)が送り込まれ、様々な臓器に取り込まれる危険があり、それが強い副反応を起こす可能性もある。さらに、イスラエルの医療保険システムのデータでは、接種者は非接種者に比べて1.4倍「帯状疱疹」になりやすいとのこと。一時的な免疫抑制が起こっていると考えられる。帯状疱疹になった人は数年後がんのリスクが高まることが知られているとのことです。
オミクロン株対応の4回目の接種の必要性が叫ばれている今、ただ医師の判断に委ねるのではなく、受けるか否かはご自身で判断しなければならない時期が来たようです。その判断材料として是非一読されることをお勧めします。
令和4年8月27日