カイロプラクティックの適応症


                                  「 患者さんはいつも先を走っている 」


 サブラクセイションを矯正することにより

1.関節の機能障害による腰痛、背部痛、首肩こり、頭痛、四肢関節の症状の改善、むち打ち症及び脳脊髄液減少症による症状
2.自律神経系への異常な刺激を除去することによる頭痛、耳鳴り、めまい、胸痛、腹痛、生理痛、不妊、排尿排便障害等の予防と改善、
3.血管運動神経への異常な刺激を除去し、それが原因で起こる血行障害を改善することによる頭痛、首肩こり、冷え症等の予防と改善
4.頭蓋骨矯正による中枢神経系への物理的刺激の除去による頭部顔面の痺れ、神経痛、麻痺の改善、認知症の予防等に効果が期待できます。

 筋力検査を利用する食養を加えることにより

5.
糖尿病等の生活習慣病の予防と改善
6.血行障害による心臓や脳の梗塞、認知症、四肢の冷え、白内障等の予防
7.不妊症の原因となる胎盤部の血行障害の改善
8.合わない薬、健康補助食品の除去による薬害の予防
9.アレルギー疾患にともなう症状(アトピー性皮膚炎、花粉症、食品アレルギー等による)の改善

10.生活習慣を改善し体内の慢性的な炎症を抑えることによる成人病の予防等に効果が期待できます。

 カイロプラクティックはサブラクセイションにアジャストメントを加え、患者さんの自然治癒能力を高め、それにより病気を治そうとするもので、本質的には予防医学です。しかし、この様な論理から一般的な通念としてのカイロプラクティックの適応症とされる腰痛、膝痛、首肩のこり等の整形外科が受け持つ分野以外にも、食養を加えることにより上記の様な内科が受け持つ分野にも効果を発揮することができます。

 もしも、サブラクセイションが原因で症状がでていたなら、現代医学を含む他のいかなる治療でも自然治癒力に頼るしかありません。この点がカイロプラクティックの面白さだと思います。カイロプラクターである私としては、創始者がいうように病気の原因が90%以上サブラクセイションであってくれたらと思うのですが、実際の臨床では、サブラクセイションのアジャストメントだけでは不十分です。私の経験では、治療室に来る患者さんのうち、サブラクセイションのアジャストメントのみで症状が改善する患者さんは3割ほどでしょうか。腰痛等の症状があっても、ブロックさえ入れる必要のない患者さんが2~3割いました。従って、カイロプラクターは治療成績を高めるため、アジャストメントに食養、即ち、アレルギー食品の除去、適切な健康補助食品の選択、不足する栄養素の補給を行う必要があります。そうすることによって、7~8割の患者さんの健康の回復と増進に貢献でき、多くの病気を予防できるはずです。残念ながら、1割程の患者さんはカイロプラクターが積極的に治療すべきではない不適応症の患者さんでした。
 
 全てのカイロプラクターは哲学を信じ、治らない患者さんを前にして、自らのアジャストメントが足りないのか、間違っているのか、原因が他にあるのかと思い悩んでいるはずです。もしもサブラクセイションの有無を正確に診断できるなら、迷うことなく症状の原因をサブラクセイションの他に探すこともできるはずです。それができないために、曖昧模糊とした世界で出たとこ勝負をするしかなくなり、時に医療事故を起こしてしまうのだと思います。カイロプラクティックの哲学は一つの病因論です。その哲学に頼るだけではなく、診断力を高めることが何よりも必要です。そのためには、カイロプラクターはまず触診に習熟し、サブラクセイションの有無を確定しなければなりません。その上で、足らないところを補うために、本書で説明する筋力検査のTLを利用した食養を行わなければならないと思います。TLの種類はこれから増えていくと思います。治療者の治療成績は、TLの種類が増加し、その陽性を陰性にできる能力に比例して向上していきます。


カイロプラクティックの不適応症

1.骨折、靭帯の断裂、外傷、椎間板の脱出、腫瘍により生じる症状
2.統合失調症、強迫神経症等の精神疾患
3.重篤な内臓の器質的疾患
4.感染症

 
初診時に構造的な問題で来ていた患者さんでも、月日が経過するうちに何らかの内科的な問題が出てきます。その様な問題の徴候をみつけ、医療機関の検査を受けてもらうよう指導することもカイロプラクターの役割だと思います。概して、症状の強弱は病状の良し悪しに比例することはありませんので、問診の段階で思い込みを持たないことが大切です。病状の良し悪しの判断は、TL陽性の有無に基づいて行われなければなりません。

 
カイロプラクティックの不適応症の患者さんだと判断した時、不用意に推定しうる病名を患者さんに告げ、患者さんを不安にさせないでください。病名の診断は医師の範囲です。まずは然るべき医療機関で検査し、治療してもらはなくてはなりません。ただ、このケースでの問題は、検査機関が異常なしと診断し、適切な現代医学的な治療を受けることなく患者さんが再び治療室に戻って来てしまうことが多いことです。この様な時は定期的に検査を受けてもらうように言うしかありません。患者さんにとって早期発見、早期治療には運が必要なようです。

 現代医学的検査で異常が見つからなくとも、時間の経過と共にTL陽性反応に応じた疾患が見つかってきます。これら疾患の発症を少しでも遅くし、確定診断が出ない様な状態を維持するべく、サブラクセイションへのアジャストメント、食事制限、適切な健康補助食品の選択によって最善を尽くし、健康寿命を永らえるように努力することが、カイロプラクターの務めだと思います。どこまで治療を行えるか、それは各自の判断です。この様な患者さんに対する我々の治療の指針は、全ての筋力検査のTL陽性サインを陰性にすることです。もしも自らの治療でそれができないなら、治療者の倫理として、徒に患者さんを引き摺ることなく、適切と思う医療機関に行くように指導しなければなりません。