京セラ A710
更新:2004/9/22
 

3年ほど前に、ふと立ち寄ったリサイクルショップ。
半分はガラクタのようなお店ですが何かありそうな予感がしました。
店内を一周すると目にとまったアンプが1台。見たことのないアンプです。
結構作りは良さそうなのでどこのアンプかとよく見ていると、京セラのマークが付いています。“へー、京セラもアンプ作ってたんだ”恥ずかしながら京セラが本格的オーディオアンプを作っていたことをまったく知りませんでした。
店員さんに値段を聞くと“壊れているから、500円”とのこと。
“修理に金がかかるので現状渡しだよ”
500円ならば即買いでした。

内部検証
内部を見る前に外観の確認です。パネルは綺麗でサイドの木部のパネルに若干当て傷がある程度です。但し、フロント側の足が片方取れてありません。
いよいよ分解です。
大型のトロイダルトランスが乗っかっています。基盤の部品もコンデンサはオーディオ用を使用しています。終段はモールドタイプのトランジスタ、ドライブ段はFETです。
フォノのMC入力にはMC用のアンプではなくトランスが使用されています。
シャーシは非金属の物が多く使われており、全体的な仕上げもよいほうです。
いずれにしても500円ですからね。
   

動作確認
AUX入力にCDプレーヤーを繋いで、毎度おなじみの壊れているスピーカーを繋いで動作確認です。スイッチを入れると片方のチャンネルからは音が出ましたが、もう片方はスピーカーのコーンが飛び出てきそうなほど“ボコボコ”いってます。
ボリュームを絞っても同じなのでパワーアンプ部がおかしいようです。
スピーカー出力端子の電圧を測ってみたらほとんどパワー段の電源電圧近くまで振れています。
こりゃあ本格的な修理が必要です。
基板を見ると抵抗の足も腐食が見られます。年数からしてコンデンサも怪しいもんです。
気合を入れていきましょう。
   

修理開始
早速京セラにメールを出し、回路図の提供をお願いしました。
しかし、すでに当時のオーディオ関係の部署は無く、回路図等の資料の所在もわからないとの事でした。しかし、もう少し探してみますとの気持ちのよい対応をしていただきました。
今までの経験でどこのメーカーもオーディオ関係の担当者(特にサービス)の対応は良心的なようです。
結局資料の入手は不可でした。

まずは部品調達です。
何せ古い物なのでトランジスタが確保できるかどうかが問題です。私の場合基本的には半導体と抵抗、コンデンサは入手できたものは全て交換です。
インターネットで探しまくり、一応全てのトランジスタは確保できました。
しかし、いくつかの問題もあります。
パワー段のトランジスタはPNP,NPN別々の販売店から購入しましたが、ランクは同じでもPNPとNPNでHfeが若干違います。できれば5%以内には抑えたいのですが無理のようです。
まあOKとしましょう。
他のトランジスタはペア、コンプリ選別品の購入や多数購入後の選別でなんとかクリアできました。

また、2SK367はランク指定無しで購入したのですが、来たのはYランク。
オリジナルはGRランク。IDSSを測ってみると倍も違います。
回路を解析する気力も無いので、Yランクで使えるかどうかもわからないので、とりあえずオリジナルのFETを流用することにしましょう。
抵抗類は地元で入手した金属皮膜で良しとします。
コンデンサはオリジナルと同じELNAのRFSタイプに全部交換しましょう。

現在方チャン(不良側)の抵抗および半導体を交換してあります。
急遽資金が他に回ってしまったので、コンデンサが買えません。

続きは後日。



結構大きなトロイダルトランス


コンデンサはELNA オーディオ用71V22,000μF


樹脂系のシャーシ
リアパネル



入出力端子
入力切替部分



MCカートリッジ用のトランス
左:オリジナル基板



右:抵抗及び半導体交換済み
パワー段トランジスタ

2SA1301と2SC3280
外した部品
交換用半導体