金田式DCプリアンプ No.27 (初期型)のメンテナンス
  
金田式DCプリアンプが我が家に        2008/11/28
 
我が家に金田式のDCプリアンプがやってきました。
現在製作中のAB70Wの部品を提供いただきました”I”さんからです。
このアンプは”I”さんの思い出の詰まったアンプとの事でしたので、「お譲りしましょうか」との有難いお申し出に、正直躊躇いたしました。
しかし、何回かのメールのやり取りの中で、お互いの考えや思いを確認した上でお譲りいただくことにいたしました。
 今となっては貴重な初期型のDCプリアンプです。
使用部品、部品の配置、パネルデザイン等ほぼ完璧に雑誌に掲載されたままです。
私もこのアンプは発表当時の作りましたが、予算の関係でトランスはTANGO、カップリングコンデンサは安いフィルムと、大事なパーツが指定パーツではなく、「金田式DCアンプもどき」というようなアンプでした。
それでもいい音は出ていましたが、、、、。
このアンプはSEコンデンサ使用です。
感激ですね。 
メンテナンスが必要との事ですので、現状のままにフルメンテナンスを行っていきます。
部品はどうしても交換が必要なもの以外はそのまま使用することといたします。
パネルデザインも全て再現しましょう。

 
「最新オーディオDCアンプ」に掲載されたプリアンプです。 まさに雑誌のとおりのデザイン。
デザインのために使用しないスイッチ類が付いています。
 
 
トランスや基板の配置までオリジナルどおり
 
私にとっては憧れのSEコンデンサ
 
イコライザ基板
 
フラットアンプ基板
一度分解した後に再組立と調整を行います。
最初はケースのお化粧と部品の清掃から、、、、、、。
 
  
メンテナンス開始         2008/12/10-12
 
メンテナンスを開始しました。
とりあえずは電源基板からです。 基板だけは新しいものに交換しましたが部品は全てそのまま使います。
暫くはTIM70との並行作業の予定。
 

ボルトは配線途中で部品に力がかからないようにするための「足」です。
    
部品の取付けは完了。 残るは配線。
シャーシ塗装と部品の取付け        2008/12/20
 
シャーシの塗装が完了し部品の取り付けを行いました。
  
 
色はブルー系のいつもの塗料を使用しました。 フロントパネルは黒にしますがシャーシは少し色を変えてアクセントをつけました。
金田式プリはこれが命。憧れのSEコンです。
 
主要部品の取付け完了です。
 
フロントはこの上にパネルが重なります。
 
トランスも多少塗装等の化粧をしようとも思いましたが、スピーカーの艶出しに購入したワックスを塗ってOKとしました。
  
整流回路の配線         2009/1/19
 
A級50Wがなんとか音が出るようになったのでプリの製作を再開しました。
今日は電源トランスの1次側と2次側の整流回路までです。
整流用のダイオードは部品を買ったときにおまけでもらった「音響用」です。
電解コンデンサは手持ちのものを流用しました。
  
 
明日は時間が取れたら電源基板の配線を行います。
しかし、音楽を聴きながら作業ができるのは良いですね。
ここ暫く作業の進捗が遅かったのは実はこれを作っていたからでした。 まあ気晴らしとでもいいましょうか・・・・。
フェアリー・ソードフィッシュMkTです。
カウルの色を間違ってしまったのはご愛嬌。 
  
電源完成          2009/1/23
 
電源基板のパターン配線を終え試運転です。
部品点数も少ないのでチェックも簡単。 テスターと仮のヒューズを繋ぎ準備完了。 たまたま脇にいたかみさんにスイッチを入れるように言い、等の私は両手で耳を塞いで少し離れた所からテスターを注目。
恐れを知らぬかみさんは何のためらいも無くスイッチをあっという間にスイッチON。
ありゃ? +が出ないぞ?? よく確かめたらテスターのリードが外れていました。
繋ぎなおしたらめでたく+−とも30V程度。 半固定を回したら何の問題もなく+−35Vに調整完了しました。
仮の保護用のヒューズを外し正式な配線を行いました。
  

 
  ← 電源までは問題なく完了しました。
アンプ基板完了        2009/1/25
 
この週末は珍しく土日の連休でしたので気合を入れて製作に励みました。
多少風邪気味でしたが根性で配線作業。
土曜にフラットアンプ基板、日曜日にEQアンプ基板の配線が完了しました。
しかし、無念にもそこで体調が限界に達し中断。  調整と試運転は後日となります。
明日は仕事に行けるのだろうか・・・・・。
  
 
フラットアンプ基板
瞬間接着剤で貼り付けたトランジスタはエポキシ接着剤で巻いてあります。
 
EQ基板
 ← 基板を乗せると格好がついてきますね。
  
体調が回復すればあと1日で完成です。  (トラブルが無ければですが)
 
調整・・・発振         2009/2/1
 
風邪も何とか大事に至らずほぼ完治いたしました。
というわけでアンプ部の配線と調整を行いました。
最初はEQ基板からです。 DCバランスを調整し2段目のコレクタの電圧を揃えます。
L-Rチャンネルともとりあえず調整できましたが、RチャンネルのDCバランスがイマイチ安定しません。
オシロを繋ぐと案の定Rチャンネルが発振気味です。
それも発振の波形がめちゃめちゃなようです。
まあここまで来たのでついでにフラットアンプも調整をします。 RチャンネルはOKですがLチャンネルはDCバランスの調整ができません。 オシロを繋ぐとLチャンネルが発振しているようです。
アイドル電流は規定値でOKでした。
まあゆっくりと原因調査をいたしましょうか。
それにしてもほとんどオリジナル状態での発振には頭が痛くなりますな。
 
  
電源発振         2009/2/9
 
EQ基板を外しフラットアンプのみにして再確認をします。
振幅はP-Pで100mV程度です。
+−電源を確認すると電源まで発振しています。
フラットアンプの位相補正のコンデンサを増やしてみても効果なし。
次にフラットアンプも外して電源のみでチェック。 電圧は異常なしですが+側が発振しています。
マイナス側は+を外すと発振は無しです。
オシロで+側の各ポイントの波形を確認するとOPアンプの5番と6番に発振波形が見られます。
テスターで+側と−側の電圧比較をするとOPアンプの5番ピンの電圧が正常?な−側は34.5Vですが、+側は0.5Vしかありません。 また2番ピンと3番ピンは−側は同電圧で正常ですが+側は12mV程度あります。
OPアンプがおかしいのかもしれません。
交換してみましょうか・・・・。
発振などは私みたいに電気的なスキルに乏しいものにとって本当に困るものです。
部品の確認も十分してませんでしたので部品の不良も考えられます。
続きは後日。
  
発振停止            2009/2/11
 
OPアンプを交換してさらにツェナーも2本新品にしてスイッチON。
うーんやはり発振します。
外出から帰り晩酌をやってから再度チェック。 どう考えても位相補正関係としか思えないのでテスターで部品の確認をしました。 OPアンプの1番8番の位相補正の抵抗とディップマイカをチェックすると抵抗値が変です。
1.5kΩの片方のリードとOPアンプの8番ピンの抵抗値が∞です。 えーこれはおかしい!!
抵抗が断線?? 抵抗の両方のリードで抵抗を測るとちゃんと1.5kΩです。こりゃあなんだ。
半田付けはちゃんとしてあるし・・・・・。 もしやリードが繋がっていないのか。
写真用のルーペを持ち出しアップで確認します。
あれー、リードがほんの少し短くOPアンプのリードに届いていません。
抵抗のリードが短かったのですが手を抜いて折り曲げて隣のシンボルに半田付けしたばかりに、繋がっていませんでした。目を凝らして確認したはずだったのですが、、、、、。 結局位相補正が全くかかっていない状態です。
最近の視力低下とチェック不足が原因でした。  情けない。
今度はちゃんとリード線で繋ぎ点検後スイッチON。  今度はOKです。
マイナス側も問題なし。
やっと電源の発振が止まりました。
来週は眼鏡を買いにいこうかな。
  
フラットアンプ試運転          2009/2/15
 
電源の発振は全くお粗末な原因でありました。
気を取り直しフラットアンプの再調整に移ります。  Rチャンネルを調整し、発振もなくOK。
Lチャンネルも問題がなくOK。 次にケースに基板を取り付け、正式に配線して再度確認。
発振は見られないのですが、ボリュームのシャフトを掴むと発振しますし、ボリュームのシャフトの位置により発振の状況が変化をします。 ワニ口クリップを付けたリード線でボリュームの取り付けネジの所をアースに落とすと発振がぴたっと止まります。
ネジのところのリード線を挟みこみアースに落としました。

 
フラットアンプ仮配線の様子
ボリュームのアース
 
いよいよフラットアンプの試運転です。
バラック状態の試運転ですが、ショート事故が起きやすいので注意が必要です。
CDとA級50Wを繋いで音を出してみました。
スピーカーからは無事音が出てきます。 果たして音は如何に。
うーん、良いみたいですね。
低音がぐっと締まってきてベースの音が歯切れよくなりました。 MONITOR2001からこんな締まった低音が出たのは初めてです。 高域の出方も代わり、シンバルの音など切れがよくなっています。
こりゃあいいかも、、、、、、、。
しかし、気がつくと高域にノイズが聞こえます。 視聴位置で分かる位のレベルです。
発振が終わったら今度はノイズか〜。
1曲目が終わり2曲目に移る時ノイズがすっと消えました。 CDを止めるとノイズは聞こえません。
な〜んだCDに録音されているノイズか〜(古い録音だったので)
それにしても今まで仮にパイオニアのプリ(C21)を使用しておりましたが、ノイズが気になった事はありませんでした。
まあC21は少しハムが出ていたのでそれにマスクされていたのかも知れませんが。
時間の都合で3曲ほどの試運転でしたが大変クリアーな音という印象でありました。
今度はEQだ。
  
原因判明            2009/2/19
 
EQアンプの調整を行います。
Lチャンネルは問題なく完了しましたがRチャンネルの出力が安定しません。
オシロで波形を見るとP-P600mV程度の不定期なパルス状の波形が出ています。 低域の発振か??
位相補正のCを変えてみたりしても効果なし。
しかし、波形を眺めていると発振とも違うようです。 ひょっとして素子の不良か?
終段のプッシュプルとバイアスのトランジスタは新品に交換してあるので、可能性があるのは初段のFETか2段目の2SA726と思われます。
在庫品の中からA726を探したら3個出てきました。
hfeを計ったら1個が不良でしたが何とか1ペア組むことができました。
A726を交換してスイッチON。
OK〜。 今度は出力も安定しており発振もしていません。
両チャンネルの電源と入出力を配線し、再度スイッチON。
両チャンネルとも発振なしです。 
動作確認まではできませんでしたが何とかいけそうです。
明日にでも試運転を行う予定。

それにしても金田式のアンプ製作にはオシロスコープ等の波形観察装置が必需品ですね。
テスターでの電圧測定で正常か何か異常があるかはある程度の察しはつきますが、今回みたいに出力電圧が微妙にふらつく場合、発振なのか今回のように素子の不良なのか特定することは非常に難しいと感じます。
素子の不良なのに発振と思い込みあれやこれやと試みても問題は解決しません。
やはり金田式はかなりマニアックであると言えます。
しかし、また貴重な2SA726を2個失ってしまいました。  残念。

 
 2SA726の不良が原因でした。
    
CD入力として2系統設けたので配線が込み入っています。
入出力の配線        2009/2/20

とりあえず基板がOKのようですので、基板をケースに取りつけ入出力の配線を行いました。
EQ1系統、、LINE2系統です。

内部配線95%完了
入出力端子

時間が無いので本日はここまで。
いよいよ明日は最終調整と試運転か?
 
音が出ました       2009/2/21
 
残りの配線を行い試運転を行いました。
プレーヤーとパワーアンプを繋ぎ緊張の中でレコードに針を落とします。
音が出ました!!と思いきや片方の音が出ません。
おかしいなと思いつつ再点検しても特に異常なし。  もしやと思いプレーヤー出力のL/Rを入れ替えてみました。
すると今度は反対の方から音が出ます。 な〜んだプレーヤーが原因か・・・・。
カートリッジを外してみるとヘッドシェルの接点にティッシュの屑が、、、、。
MMカートリッジは暫く使っていなかったので、シェルを取り付けるとき接点をティッシュペーパーで磨いたのですが、そのときティッシュの屑が絡まっていたようです。
取り除き再度挑戦。 無事両チャンネルから音が出ました。
但しボリュームの接触が部分的に悪いようです。
ボリュームは清掃できないタイプのようなので交換が必要かもしれません。
あとはケースの塗装が残っています。
いろいろありましたがやっとここまできました。 メデタシメデタシ。
   
フロントパネル取付       2009/2/22
フロントパネルは塗装を行い、その後インスタントレタリングで文字入れをしました。
ボリュームとセレクタ以外はダミーなのでレタリングの関係から若干オリジナルと違う部分があります。
 
 
オリジナルの色は黒でしたがガンメタルにて塗装を行いました。
後はサイドパネルと天板の取付です。
  
完了しました         2009/2/24

サイドパネルと天板の取付を行いました。
天板は磨いたらきれいになったので塗装せずにすみました。
今回はできるだけオリジナルに近くということに勤めました。
これからゆっくり視聴したいと思います。
  

フロントパネルのパーツはすべてオリジナルを使用しました。 レタリングが若干いますが、、、。
  
  ← リアパネルは少しイメージが違いますね。

今回のプリアンプのアンプメンテナンスを完了するにあたり、大切なアンプをご提供くださった I さんに心より御礼申し上げます。 私も再度組み立てたいと思っていた思い出のDCプリアンプでしたが、このような形で100%オリジナル部品を使用したアンプを手にすることができたことは本当に嬉しい限りです。
今の時点でこれだけオリジナルに近いプリアンプは数が少ないと思います。
大切にしていきたいと思います。
最後にトラブルに際し的確なアドバイスをいただいた多くの皆様にも心より御礼申し上げます。
これからも宜しくお願いいたします。
       
早速トラブル発生           2009/2/28
 
完成後2日ほどして、晩酌後レコードを聞いていると突然「ぷつっ」とレコードの音が消えました。
たまたま脇にいたかみさんが「どうしたの?」 ”保護回路が働いたんだよ” 「ホゴカイロ」 ”プロテクター、、安全装置” 「壊れたの」・・・・ こういうとき「壊れたの」と言われるのはあまりいい気持ちがしません。
リセットボタンを押してからもう一度スイッチを入れてみます。
するとLチャンネルからバリバリと一瞬音が出てまた保護回路が動作しました。
かみさん 「何かすごい音がしたわよ」
こりゃあだめだ。
プリを外すとOKです。  ・・・・プリか〜。
プリからケーブルを抜きテーブルの上に乗せます。
ふたを開けとりあえずオシロとテスターで出力を確認。 フラットアンプの出力に変な波形が出ています。 しかし、周波数や波形からいって発振ではなさそうです。 P-P800mV程度の波形です。 う〜んこれは・・・・・。
前回のEQの2SA726Gの不良と同じ状態です。 これか〜〜。
もう手持ちの2SA726Gがありません。
しょうがない、、、2SA798の出番です。
部品を取りに2階に上がって廊下で探していると、部屋の中からかみさんが娘たちに話している声が聞こえます。
「父さんのアンプが壊れたんだって・・・」 娘 「ふ〜ん」
思わずムッとしながらドアを開けるとかみさんの目が点に、、、。  そうですよ、壊れましたよ
言葉もかけずに1階に戻りトランジスタの交換を行いました。
テスターを繋ぎスイッチON。
今度はOKです。 片側だけの交換もおかしいのでついでにRチャンネルも交換しました。
調整後音出しをしました。
無事音が出て一丁あがり。
  
 
原因の2SA726G
交換した2SA798
2SA726が連続して不良となり残りの1ペアも心配になってきました。
もう少し部品の確保をしておかねば。