第2章 エンジンに見る慣性モーメント

【何故シングルなのか?】

3,000rpmで回っているエンジンは1分間に3,000回転します。

3,000÷60秒=50回転、1秒間では50回転しています。

4サイクルは1回転おきに発火します。

1秒間に25回火が入ります。

これが単気筒のエンジンです。

500cc単気筒を検証してみます。

   

2回転で1回火が入ります。

1秒間にたった25回の点火。

次に250cc単気筒を検証してみます。

  

  

8,000回転まで回る高回転のエンジンを考えます。

フライホイールは軽いので、高回転まで回ります。

毎分4,500回転で1秒間に約37回の点火、感じる鼓動は軽快です。

 フライホイールが重いと、高回転まで回りません。

旧車では少なくても250ccのエンジン、メグロや新車で買えるインドのエンフィールドは5,000回転位しか回りません。

メグロの500cc、Z7型の最大トルクは毎分3,100回転で3.4kgmです。

1956年の250cc、メグロS3型の最大トルクは4,000回転で1,66kgmです。

1960年のS5型の最大トルクは、同じく4000回転で1,8kgmです

フライホイールが大きいので、トットットットッ、トルク変動は大きくなります。

トルク変動が大きく、250ccでも鼓動は体に伝わって来ます。

一日中乗っていても飽きません。

イタリアの水平単気筒モト・グッツィは前後方向にピストンが動き、高回転での振動が吸収されます。

理屈にかなったその発想に、思わず唸ってしまいます。

こんなエンジン、イタリア人にしか作れません。

単気筒の次に面白いのがハーレー、古ければ古いほどパーシャル状態の鼓動が快感です。

旧車の排気音は、気持ち良い〜!