第2章 エンジンに見る慣性モーメント
【ツィン】
並列2気筒の多くは360°クランクを使っています。
3000rpmで回っているエンジンは1分間に3000回転します。
3000÷60秒=50回転、1秒間では50回転しています。
4サイクルは1回転おきに発火するので、1秒間に25回火が入ります。
これが単気筒のエンジンです。
二気筒は互い違いに点火されます。
1秒間に単気筒は25回、2気筒は2倍の50回火が入ります。
500cc2気筒を考えてみます。
1972年のホンダ単気筒、SL250の最大トルクは2kgmです。
1970年の2気筒、CB450の最大トルクは7,500回転で3,8kgmです。
黄に火が入るとき、青は点火直後です。
トルク変動は単気筒より小さいと考えられます。
単気筒は一つのクランクが2回転し、これで1行程の仕事を終えます。
2回転で1回火が入ります。
その間に2気筒エンジンは2回火が入ります。
4気筒エンジンは、かなり小さいトルク変動でした。
1960年の単気筒、メグロS7の最大トルクは1,8kgmです。
同じ時期のメグロスタミナK1は4,000回転で4,1kgmです。
2気筒のトルク変動は4気筒よりは大きく、鼓動が感じられます。