第2章 エンジンに見る慣性モーメント
【オートバイの排気音】
排気音なので、音楽の世界で考えてみます。
低音を出すのは、太い弦です。
ギターの太い弦は低音、細い弦は高音を出します。
最近のオーディオ機器は小さくなりました。
低音は、かなり細い音しか出ません。
低音も出ますが、小さいので古い大きな機器にはかないません。
長く聞くと、耳に刺さります。
昔のステレオはかなり大型でした。
低音は体に振動が伝わるほど、エネルギーの大きなものでした。
小さなスピーカーで頑張っても、気持ちの良い低音にはならないのです。
大きく重い物で、気持ちの良い低音になるのです。
大きく、重くないと低音は出せません。
音を作る所が大きく重い、これで低い音が出るのです。
音を作る場所はエンジンです。
エンジンの往復運動をしている部分が反響して、音を作っているのです。
エンジンの中心は、回転しているフライホイールです。
フライホイールが大きく重いと、太い低音が出るのです。
昔のエンジンは低回転型で、大きなフライホイールを持っていました。
大きなフライホイールで、ドッドッドッと良い音が出るのです。
ハーレーはパンヘッドからショベルになって、フライホイールを片方薄くしました。
軽くして、加速を良くしました。
ショベルからエボリューションになって、もう片方も薄くしました。
加速は更に良くなりましたが、独特のドッドッドッの味は薄くなってきました。
それでも普通のバイクよりは強烈ですが
!
ハーレーは古い方が、低く柔らかい良い音がします。
その原因は、大きなフライホイールにあります。
さらには、圧縮比の低いサイドバルブの方が柔らかい音を出します。
ギターの弦は張りを弱くすると、低くなります。
強く張ると、音は高くなります。
圧縮比が低いと、音は低くなります。
ハーレーはV型2気筒をメインに、作り続けました。
同じエンジン形式のインディアンは直列4気筒などに手を出し、倒産しました。
手が回らなかったのか?V型2気筒は最後までサイドバルブでした。
ハーレーのハンドチェンジは右手でアクセル、左グリップで点火時期でした。
インディアンのV型2気筒は右手で銃を撃てる様に、アクセルは左グリップ !
インディアンは右手で点火時期、アクセルは左グリップでした。
普通のアクセルと逆です。
ワイヤーの取り回しだけなので、交換して普通にしている人が多いようです。
5000回転位しか回らない昔のエンジンは、低くて柔らかい良い音を出します。
その原因は、大きく重いフライホイールにあります。
楽器の低音は小さくしても、遠くまで聞こえます。
大きく重い楽器でないと、太い本来の低音は出せないのです。
知人の飼っている犬は、メグロが1km離れた陸橋を越えるとほえます。
排気音は太い低音で犬には聞こえ、ご主人の帰宅を知るのです。
低くて遠くまで聞こえるような、大きなエネルギーを持った低音。
気持ちの良い排気音とは、このような音を言うのです。
大きく重いから、低音になるのです。
良い音なので飛ばさなくても、流しているだけで気持ち良いのです。
昔なので、マフラーの音も大きいし、
快感〜!!