第1章 燃え尽きて、灰になるまで慣性モーメント
備考 【ロータリーエンジン】
ロータリーエンジンは回転運動なので、回転数が上がると振動はありません。
重心を大きく外れたおむすびを、マユ型のハウジング内で高回転させます。
開発当初は次々と難問が続出し、実用は不可能と思われました。
重心を大きく外れたおむすびは、アイドリングの様な低回転ではブレがひどく、大きな振動を伴いました。
高回転でのシールは共振を始め、チャターマークを作り始めました。
レシプロに比べて擦れる部分の合計距離が長く、高性能なシールが要求されます。
あらゆる材質を試行錯誤し、強い信念のもとに実用化までこぎつけました。
技術大国ドイツのNSUがさじを投げたロータリーエンジンを実用化できたのは、広島のアルファロメオと言われるマツダだけです。
ポルシェ並みの性能が、ポルシェの半額で手に入る。
寿命は短いがその分安価で、頑張ればセカンドカーとして入手可能である。
しかも、小型で軽い!
何度も挑戦を続けてついにマツダは念願のル・マン24時間で初優勝を飾りました。
1991年、日本車としてはもちろん初めてです。
念願の初優勝ですが翌年からの規定変更で、ロータリーの参加は最後でした。
日本人として、大きな声で「ロータリーエンジンの復活」を叫ばなければなりません。
ロータリーとスバルの水平対向エンジンは、日本が独自に開発してきた物です。
水平対向エンジンを常用しているのは、ポルシェとスバルだけです。
しかも、4輪駆動はスバルの得意技です。
ブレーキ時の車重は殆ど前輪に掛かり、後輪の加重は少しだけです。
車のリアブレーキは加重が軽いので、おまけ程度です。
リアエンジンのポルシェは後ろが重い。
後輪の後ろにエンジンがあり、ブレーキ時もリアタイヤに加重が掛かります。
後ろが重いので後輪にも加重が掛かり、ブレーキは強力です。
ブレーキは強力ですが、コントロールはシビアです。
フロントエンジンのスバルの方が、重量バランスはgood!
水平対向エンジンは前後に短いので小型化でき、重心は低い。
イタリアのマセラティを設立したOBが集まり、スポーツカーを試作した事があります。
スバルの水平対向エンジンを採用していました。
スバルのエンジンを流用した理由が、低重心でした。
アイドリングはボロボロボロと、独特の排気音を伴い、吹け上がりはスムーズです。
スバルのレガシー、ヨーロッパでは名車になっています。
マツダのロータリーとスバルの水平対向エンジンは、日本の財産です。
ひょっとしたら、我々日本人は世界一恵まれているのかも?