第９４号 2016/7/1発行
煩悩具足の凡夫の身で生きる
仏様に願われ、生かされている私。
『「慙」は内に自ら羞恥す、「愧」は発露して人に向かう。「慙」は人に恥ず、「愧」は天に恥ず。これを「慙愧」と名づく。「無慙愧」は名づけて人とせず、名づけて「畜生」とす。慙愧あるがゆえに、すなわちよく父母・師長を恭敬す。慙愧あるがゆえに、父母・兄弟・姉妹あることを説く。』（教行信証）
と教えてくださいました。
名づけるとあるのは、名前がそうであるという事だけでなく、中身（質）も含めての事であります。
畜生とは、自分の都合（幸福）の為ならばいかなる振る舞いでもしてしまう、自分勝手な生き方をする生き様の事を云うのです。
だから、自分の都合に合わなければ、黒いものでも白と云えと言われれば白と言ってしまう生き方です。
楽な方向を選びながら進む生き方です。
自分を振り返ってみると、自分の都合の悪い方向へはほとんど行ってないのではありませんか？９５％以上は自分の都合のよい方へ行ってはいませんか？
一寸油断をしてしまうと、何時でも煩悩具足の私が現れて、迷い・悩み・苦しまなければならない所へ連れてゆくのではないでしょうか。
幸福を求め、愛を見つけて育てる事は、大切な事だけれども、それを望む気持ちが大きければ大きいほど、自分が何処にいるのか分からなくなってしまうのです。
そのような私たちを、煩悩具足の凡夫と言われ、救いの対象とされたのではないですか。
慙愧という言葉は、煩悩具足の凡夫として娑婆を生きなければならない私たち人間には、常に心に留め置いておかなければならない言葉ではないでしょうか。
それを持っているが為に、毎日の生活が、起きた時から「おかげさま」「ありがとう」で始まる出発が出来るのだと思います。
娑婆に生まれて生きてゆく為には、煩悩によって生きてゆきますが、煩悩がすぐに爆発しないように、生まれた時にすでに伝えられている宝を持っているのです。
それを「仏性」というのではないでしょうか。
何気ない生活の中で、知らず知らずに他を傷つけ迷惑をかけている事に気付かないでいる私に、知らせてくれるのが仏性ではないでしょうか。
その仏性の願いが「ありがとう」「ごめんなさい」「おかげさまで」という言葉として発せられるのだと思います。
だから、何時でも何処でも仏性が目覚める命として育てる生活をしなくてはならないのではないでしょうか。
その実践が、一日の始まりに、仏様・先祖さまへのごあいさつから始まる生活ではないでしょうか。
煩悩具足の私であるからこそ、単純な事なのだけれども、その単純な事が中々できない。
そんな私を支えてくれる働きがあることを信じて、多少の頑張りが必要なのではないでしょうか。
聞光寺檀家の皆さんと東京真宗会館でお参りしましょう
先回の「聞光」９３号で、関東方面の皆様にアンケートを取りましたところ、多くの方から、「機会があったら」「体調が良ければ」参加したいとのご返事を頂き喜んでおります。
そこで、第１回を１１月２０日（日）の午前から昼過ぎを考えました。
場所は、親戚の寺院・レンタルルーム等を考えましたが、皆さんの所へ送っております「サンガ」を発行しております練馬の「本願寺真宗会館」の日曜礼拝に合わせて行いたいと考えております。
東京の方々の起点となっており、本山の首都圏教化機関ですので、関東近隣のご門徒さんは一生懸命お参りをされておられる大切な所です。
そんな方々とも出会ってゆきたいと思って会場としました。
ただ気になるのが交通の便の事なのです。ちょっと遠いかな？多少不便かもしれません。
第１回の詳しい案内等は、９月の初旬に、出欠席のお手紙をお出しする時に同封しようと思っております。
少し寒い時期になりますが、多くの方のご参加を楽しみにしております。
体調を整へ、同封の「サンガ」を読みながら楽しみにお待ちください。
先代十七年忌法要
もう先代が亡くなられて１７年忌になりました。
先代がおられなくなっても、皆さんのおかげで素晴らしい本堂が再建されました。
これらは、聞光寺歴代とご門徒さん方とで育まれてきた仏様を大切にする絆のおかげなのでしょうか。有り難うございます。
法要は、それらの全体に感謝をする行動ではないでしょうか。
お檀家の皆様には、８月の初旬に出欠のお手紙をお出しします。尚、各村のお世話方さんにはお手数をおかけしますが宜しくお願いいたします。
準備の都合がありますので、ご返事は早めにお願いいたします。
編集後記
沢山の行事があるのに、うまく報告や伝達が出来なくて申し訳ございません。
写真などがもっと多く入り、文字が少ない方が読みやすいのでしょうね。
今頃いうのも恥ずかしいのですが、「聞光」のレイアウト等を教えてください。