発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第99号 2017/10/1発行

第98号

先ずは関係を生きている

目を閉じて耳を澄ませてごらん

今自分の中で、一緒にいたくない、大嫌いだと思っている人はいませんか?

その人と仲良くなることが一番いいことだと分かっているんだが、なかなかそんな気持ちになれないで苦しんでいる関係が、今の北朝鮮と世界の関係ではないでしょうか。

私の思いではなくて、「いのち」の願いはどうでしょうか。

私たちは、さっきまで仲良くしていた人とも、ちょっとした事で争いを起こして別れたりします。

私たちの心(思い)は、自分の都合のいい楽な方へ偏ってしまう事ばかりではないでしょうか。

だから私たちは、都合が合えば仲間であり、合わなければ敵対してしまう繰り返しの生き方を続けています。

しかし、私たち命あるもの同士は、仲良くするような生き方をしなければ、迷い、悩み、苦しむように創られているのです。

命はみんなかかわりあって生かされ生きているのです。

その形は、それぞれの種によって違うけれども、お互いにおかげさまで成り立っているのです。

嫌な人とも一緒に生き何が起きても不思議でない場所のことを「娑婆」と言うのですから、煩悩具足であり、何をしでかすかわからない私たちは、そこでしか生きられないのです。

ならば、ともに楽しく、より優しく生きようとすることが、「いのち」の願いではないでしょうか。

それでも上手くゆかない事ばかりですが、そんな時こそ「いのち」の声を聴かなければならないのではないでしょうか。

ところが私たちは、「いのち」の声をなかなか聞く事ができないので、悩み迷い苦しんでいるのです。

しかし、時々「いのち」の声を聞く事があります。

親しい関係の人と、意見が合わずに喧嘩をした時に、終わった後、やるせなさや虚しさを感じたことがありませんか。

それが「いのち」なのです。

親しい者同士が争うことが悲しい事であることを、「いのち」は知っているのです。「いのち」から発せられる声は、簡単に感じられるものではないでしょう。

嫌な言葉は、すぐに吸収されるけれども、やさしい言葉は、すぐに信用することができず、疑ってしまう私たちがいます。

優しい心や言葉は、より多く出会うことがないと自分勝手な私たちの身に付かないのです。

優しい心や言葉を形に顕されたのが「仏様」や「南無阿弥陀仏」ではないでしょうか。

身近では、命がけで私たちを生み出し育てて下さった、父、母、祖父、祖母との思い出や願いではないでしょうか。

ならば、その方たちと共に生活する歩みが、私たちがすぐに忘れてしまう現在の生き方をやさしく変えていってくれるのではありませんか。

子どもが生まれました

井上 宗温

7月の盆内にすでに皆さんに報告しましたが、7月2日に長男、井上蓮温(いのうえ れん)が誕生しました。

妻の実家である石川県で生まれたわけですが、丁度7月2日は紋浩司の世話方総会の有った日でした。

総会が終わり片付け等をしていた午後1時過ぎ頃、妻の両親より連絡が有り、破水したので病院に向かったとの事でした。

それから仕度をし、妻の居る石川県七尾市の病院に向かったのですが、着いたのは午後7時少し前でした。

病院の前に着くと駐車場には義父の姿が有り、びっくりしました。

話を聞くと、今にも生まれそうだから、案内するから付いて来いとの事で慌ててその後ろに付いて行く事に。

そうして分娩室へと到着し久しぶりに妻と再会したのですが、今どんな状況なのかと確認する間も無く最後のいきみが始まり、午後7時15分、息子と対面する事となりました。

今は妻も息子も実家から柏崎へと戻って来ており、毎日子育てに忙しく過ごしております。

分からない事ばかりで戸惑う事も多いですが、自分の子どもとの生活は楽しい事や嬉しい事も多く有ります。

7月の頃と比べ大きくなった我が子を見ながら、息子の成長と共に父親としても成長していかなくては、と思う日々です。

一年の初めと終りは念仏で

年最後の3ヶ月は、けじめをつけようとすることが多く、忙しい月ですね。

真宗の一番大切な行事である報恩講を務めるにあたり、1年間を振り返り、聖人の教えをどれだけ裏切っていたかを見つめる大切な時節でもあります。

また、年末は家や部屋を奇麗にするだけではなく、先祖様とも出会い、お内仏(仏壇)のお掃除や仏具磨きをし、新しい年を迎えたいものです。

もうすぐ報恩講

聞光寺においては10月25日から27日の日程で親鸞聖人御命日法要(報恩講)が勤められますが、25日は特別講演ということで今年は親鸞上人のご一代記が書かれております。

御伝鈔の絵説きを、京都教区法傳寺住職 長田浩昭先生からしていただきます。

是非お聞きください。

26日・27日は、郡上八幡から来られる和田英昭先生のご法話がございます。

毎日お斎がありますので楽しみに参詣してください。

編集後記

この月は、世話人さんに大変お手数をかけていますが、ご協力お願いいたします。

内孫ができ、そのかわいらしさが、もうひと頑張りの力を出させます。

皆さんのご力を頂ければ、もっと大きな力になることでしょう。