発行所:聞光寺発行人:釋温成寺報

第100号 2018/1/1発行

第99号

常没の凡愚・流転の群生

みんな一緒になれないの

最近の生活環境は、道路・鉄道や飛行機利用の便利さは良くなり、簡単に短時間で何処へでも出かけられるようになりました。

そんな便利で簡単に遠くまで行けるようになった事と並行して、過疎化が進んでいるように感じられます。

私たちは、便利な方へ便利な所へと向かってゆきます。それは少しでも楽な世界を願い目指して頑張っています。

極めて当たり前のことだと思います。

そのような小さな当たり前のことが積み重なって、過疎地と大都市を創り出してしまうのでしょうね。

仕事をするには作業のしやすい平場が選ばれるでしょうが、山間地がなければ、栄養豊富な水が下流、いわゆる平地には流れてゆかないのではないでしょうか。

何処にいても、まわりのことを気にかけながら、共に生きるという姿勢が大切なのではないだろうか。

大きなことを言えば、私たちの住んでいる所は、地球という一つの星なのです。

他の星のことは横においてこの地球だけを考えてみると、東西南北それぞれ皆ちがったひかりや風と出会って生活しながら生きてきたので、ことばや文化、そして生活感覚が違っています。

しかし、一つの太陽という光のところでしか生きてゆけないのだから、解らないところは聞き、わかるところは教えてあげる、そのような事があまりなされていない関係が大きくあるように思います。

自分の得になることは教えるが、損することは黙っている。

人と人との関係が、自分を中心にした利害、損得・良し悪しで物事を考えてゆく、寂しい人間になってしまっているのではないでしょうか。

リンゴはそのままにほおっておくと腐ってきます。

地球は何もしないでほおっておくと荒れてしまい、生産能力をなくしてしまいます。

しかしリンゴは、腐った所を取ってしまえば、残った所はどんな使い方をしても、食べることができます。

私たちの住んでいる地球はどうでしょうか?

一度壊れたら、そう簡単には直せないのではないですか。

今一番の問題になっている地球環境の問題を考えてみるとよくわかります。

地球温暖化やオゾン層破壊等によって私たちの生活が、大変なスピードで変えてゆかなければならなくなっています。

温暖化やオゾン層破壊等は、誰がきっかけとなって起こっているのでしょうか。

何処よりも先に便利さを手に入れて大きくなってきた先進国、そして追い付け追い越せと頑張ってきた発展途上国が、まだ壊し続けているのではないでしょうか。

迷惑を被っているのは、太陽や土や水や自然と共に生きてあまり文明を必要としないで生きている過疎地の人たちです。

一回ボタンを押すことで、地球が無くなってしまう道具の競争をするよりも、壊れかけている地球やそこに住む人間の魂を育てる付き合いが必要なのではないですか。

私たちは、誰でも悪いところを持っていますので、それぞれの得意とするところを出し合い、一つの大きな家を直してゆく気持ちで付き合わなければならないと思います。

長い年月をかけて育て上げた生活・文化・根性そして環境ですから、そう簡単には治らないでしょうけれども、私たちの住んでいる地球は一つしかないし、この百年で大きく変わったけれど、少なくとも今よりも良い環境を、未来の人たちに残してゆくことが、これからの私たちの務めではないでしょうか。

秋の京都と本山報恩講参詣に参加して

水上 山波 家希

11月24日朝6時、西風大荒れの中、聞光寺を出発。北陸道を福井に入り雨は上がった。

昼食後、湖東三山の金剛輪寺、百済寺で紅葉まっさかりと湖東平野を一望し、その美しさに感動しました。

琵琶湖を後にするとすぐの京都であった。

緑風荘へは17時ころ、柏崎から約500キロ、歩数約1万歩であった。

翌日は快晴、9時出発し京都鉄道博物館の見学。

孫を連れて行ったら1日たっぷりと楽しめる場所である。

午後、東本願寺報恩講参詣、私は本山参詣は初めて、千畳敷の拝殿で読経に合掌しました。

3日目、将軍塚で京都を一望し、庭園の紅葉に別れを告げ、帰路につきました。

来年は多くの方に参加いただければと思います。

年末本堂大掃除

今回で大掃除も3回を迎えましたが、年々多くの方がお手伝い下さり、本堂もピカピカになりました。

働いておられる皆さんを見ていると、元気をもらえる気がします。

終了後は、一年間を振り返り、おばあちゃんや坊守が用意した手作りの料理で楽しく忘年会が開かれました。

飲むたび、酔うたびに一年間の経験した面白い事、楽しい事を話しながら年の瀬を過ごしました。

慈海はもっと楽しくなるよう沢山の方々が参加されることを楽しみにしております。

同朋会開催

推進員を中心に開かれる会ですが、仏法・仏事について分かりやすく話して下さる会です。

今回は、私たちが日頃気になっている事などを、お手伝い下さっている葬儀社、仏具・お墓を扱っている店の方から、ふだん気になっている事など、お客さんから今までに聞かれたことなどの、聞きにくい事を、お話くださると思います。

そんな中で、今まで思い違いや考え違いをしていた事などお寺には聞きにくかったことなど、教えられたり、気付かされる事が沢山あると思います。

1時間半ほどの会ですので気楽にお越しください。

聴講費(500円)はご講師料に充てたいと思います。

日時は、別紙年中行事予定表に書いておきました。

首都圏同朋会を開催して

12月16日(日)に台東区の親戚のお寺をお借りして2回目を開催いたしました。

先日は練馬の真宗会館をお借りして開きましたが、行きにくいというご意見が多かったので、山手線の内側に変更して開きました。

今回の講師は、毎回「聞光」と一緒に送っている「サンガ」のインタビュー部門を担当されている私の先輩からお話ししていただきました。

出席者からは、解りやすく良かったという声がありました。

返事のメモを見ると、12月はやっぱり冬なので、東京では天候はいいが、寒さは厳しいので、長い時間出歩くことが不安であるように感じられます。

場所ばかりでなく、季節や曜日を改めて考えたほうがいいかもしれません。

はっきりとしましたらご連絡しますので、その時は、多くの方たちと出会えることを楽しみにしております。

編集後記

丁度「聞光」が100号をむかえました。100号というと、年4回出していますので25年続いたことになります。

あまり変わり映えのしない寺報ですが、寺の希望や、考え、行事等、そしてご門徒さんの意見等を、これからも発信してゆこうと思います。

懲りずに読んでください。

釈温成