『研修生を募集しています』

自然養鶏、新規就農、子どもたくさん大家族な農家を体験してみませんか?
農業体験というよりは、農家体験です。
一切特別扱い、お客さん扱いをしません。
我が家の家族の一員として一緒に生活していただきます。
当然互いにファーストネームで呼び合います
興味のある方は一度ご連絡ください。


下は07年1月より3月まで研修された女性の感想です。
寒冷地の自然養鶏を勉強したいとのことでしたので、
道内何軒かの自然養鶏家のもとでも研修させてもらいました。



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研修を終えて...
 
 
 今、自分のそばで苦しんでいる可愛そうな鶏達をどうにか助けたかった。いろいろな本を読んでみた。「何故そうなるの?」と、質問をしてみても、本は返事をしてくれない。他の本で知ろうとしても、?マークが残ることはたくさんあった。
 
 「実際に養鶏をしている人達なら、きっと知っているはず!なるべくここ(北軽井沢)と環境が似ている所に行きたいな。ここは極寒地だから・・・・極寒地といったら北海道だ!」そんな単純な考えが、北海道に来ようと思ったきっかけだった。
 
 高校生の時、図書室で読んだことのあった「自然卵養鶏法」のことを思い出し、研修を受け入れて貰える所を探すため、「北海道」と「自然養鶏」の2つのキーワードでネットで検索した。そして、快く受け入れてくれた瀬棚の森垣家へ、研修生として居候させて貰えることになり、はるばる北の大地へと渡った。
 
 出会う人出会う人、自分の何倍も物知りで、経験のある人達ばかり。それに比べ、全くの素人であり、何にも出来ない自分。そんな私を、みんな1から100まで面倒をみてくれた。大切な鶏達の世話を一緒にやらせてくれた。困らせてしまうような質問ばかりをしても、必ず答えを返してくれた。私がちゃんと理解するまで、丁寧に説明してくれた。同じような失敗をくり返しても、優しい言葉をかけてくれた。アドバイスをしてくれた。振り返ってみると、お世話になったことばかり思い出す。
 
 
 約2ヶ月間もお世話になった森垣さん一家。家族6人が暮らす自宅、大きな大きな鶏舎・・・ほとんどが自分達の手作りだということに驚いた。鶏舎の中にも、もう捨てられてしまう様な物達が、アイディア1つで立派に生まれ変わっていた。使わなそうだから捨てるのではなく、何かに使えないかと自分で考えてみたり、皆で話し合ってみること!物の大事さ大切さ、それから皆で作業をする楽しさ、皆で物を作り上げる楽しさ、皆でご飯を作る楽しさを知った。いつもにぎやかな森垣家に居候することで、人の暖かさというものを教わった気がした。
 
 
 八雲町のMさん。鶏舎を作る時に使う木材を、山から切って来ていたということ、毎日餌を自分の手で混ぜて作っているということを聞き、驚いた。頭で考えてばかりじゃ何も出来ないと教わった気がした。今度いい機会があったら、もっといろいろな話を聞きたいと思った。
 
 
 深川市のMさん。養鶏だけでなく、広大な畑の野菜もほとんど夫婦2人でやっていて、しかも有機栽培ということを聞き、驚いた。鶏が出した糞を畑にまき、採れた野菜のハネ品を鶏に与える・・・全てが無駄なく回っていた。どんな大変な作業だとしても、心強いパートナーが居ることで、楽しく乗り越えていけると教わった気がした。
 
 
 砂川市のYさん。鶏や卵だけでなく、生きていくうえで関わりのある物全てに対しても、安全性へのこだわりがすごいことに驚いた。何気なく普段口にしたり、身に付けたりしている物にも、危険な物が隠れている・・・。鶏のことだけじゃなく、視野を広くしてみれば、気付かなかった事もたくさん見えてくるんだと教わった気がした。
 
 
 長沼市のMさん。2000羽の採卵鶏、覚えきれないほどの愛玩鶏、ワンコ、ヤギ・・・すごい数の動物達の世話を、全てたったの2人でやっていることに驚いた。数が多ければ多いほど、毎日が忙しく、休む時間は少なくなるはず。でも、動物が好きというだけで、毎日楽しく過ごしていくことが出来るということを教わった気がした。
 
 
 倶知安のIさん。目の前が大きなスキー場。冬になると毎日が雪雪雪・・・2mも積もることがあると聞き、驚いた。そうなってしまったら、雪かきをしなければ、鶏に餌をあげることが出来ないし、卵を取りに行くことさえも出来ない。。でもやる気と根性があれば、どんなに過酷な所でも、養鶏は出来るんだと教わった気がした。
 
 いろいろなことを知り、いろいろなことを教わることが出来たのが、この研修だった。数えてみると、全部で5件もの養鶏家さんにお世話になっていた!ずいぶん渡り歩いたもんだ。毎日が驚きと発見、新鮮で楽しい、そんな勉強会だった。
 
 都合上、どうしても長くは居ることが出来なかったので、たったの2ヵ月半で本州へ帰ってきた。長いようで短かかった2ヵ月半。でも長くて薄いよりは、短くても濃い内容の方が、きっといい経験になり、きっといい思い出になると思う。実際に私がそうだから。
 この経験を、活かすか無駄にするかは私次第・・・いや、絶対に活かすんだ!そのために北海道に行き、たくさんの方達にお世話になったんだからっ。
 
 いつか自分の力で、北海道の養鶏家さん達のように、大好きな鶏と一緒に暮らすということを目指して、これから今の自分に出来ることを1つ1つやって行こう。自分のペースを大切に、ゆっくり前に進んで行こう。きっときっと、焦る必要は無いはずだから。   
 
                           2007年3月23日   S.A