為替の動く仕組みや考え方の基本

円高・円安などの為替レートの動きは、外国株や外貨預金、FX取引などを行っている人だけでなく、日本株の株式投資や投資信託を行っている人でも、非常に多くの人が興味深く見ています。

「どうして為替が動くのか?」「なぜ円安になったのか?」などを論理的に考えることができるようになれば、多くの場面で役に立ちます。

例えばアメリカの会社の株を買うときなどは、自分の投資収益が為替の影響をモロに受けますし、日本の企業の株でも輸出入をしている企業の業績は為替の影響を大きく受けます。

輸出入をしていない企業でも、原材料の仕入れなどで為替の影響は受けます。

影響度が大きいか小さいかはありますが、ほとんどの企業の業績に為替は影響しているのです。

為替について知っておくと、より広い視点で見ることができます。

今回はそうなれるように、為替が動く4つの要因と、株と為替の関係について紹介していきます。

また、海外の投資信託を買うときに注意することなども紹介します。

これを読めば、為替の動く仕組みと考え方を学ぶことができますよ。

■このページの内容

最低限知っておくべき為替の基礎知識

何事も基本は大切です。為替の動く要因を知る前に、まずは最低限の為替の知識をおさらいしておきましょう。

為替レートとは?

そもそも、為替レートとは何なのか?それは通貨と通貨の交換比率のことです。

では、交換比率とは何なのか?それは、価値が違うものを、同じ価値に計算しなおすことです。

ドルと円なら、1ドルを円になおすといくら、という感じです。

多くの国の通貨があるため、多くの為替レートが存在します。一般的なもので言うと、ドル円が有名ですね。

ドルは基準通貨なので、投資をする際には、主にこのドル円の為替レートに注目する必要があります。

円高円安を簡単に理解する方法

1ドル100円を基準に考えると

上記2つの為替レートは、1ドル80円よりも、1ドル120円のほうが円安になります。

なぜ、120円のほうが数字が大きいのに円安なのか?

ここでモヤモヤしてしまう方のために、円高円安を簡単に理解する方法を紹介します。

円安は、ドルが高くなったから相対的に円が安くなった。つまり円の価値が安い=ドルが高い(円安ドル高)ですね。ドルが高い、つまりドルが値上がりしたから、1ドル買うのに100円だったのが120円必要になってしまうんです。

混乱する原因は、円を使って生活しているため、円を基準に考えてしまうからです。円ではなくドルを基準に考えることで、モヤモヤは解消されるはずです。

まあ、最初は混乱しますが、仕組みがわかって何度か使っていれば慣れてきますよ。

ドル円レートはシーソーの関係

ドル円レートはシーソーの関係です。ドル高=円安であり、ドル安=円高になります。どちらかが下がれば、もう一方は上がります。

また、その他の通貨(例えばユーロ)に対して、ドルと円の両方が、同じだけ価値が上がったり下がったりしても、ドル円レートは変わりません。ドル円のどちらかに対して、その他の通貨の価値が上下した時に、ドル円レートは変化します。

ここまで為替の基本的な知識を紹介してきましたが、理解できましたか?それでは本題に入りましょう。

なぜ為替レートは変化するのか?為替が動く要因4つ

為替レートはいくつかの複雑な要因が絡み合って動きます。そのため、為替の動きを論理立てて考えられるようになるためには、為替を動かす下記4つの要因を理解する必要があります。

一つずつ順に紹介していきます。

金利

金利は為替を動かす大きな要因のひとつです。単純に金利が高い通貨は魅力的ですよね。多くの人が同じことを考えると、金利が高い通貨の人気が高まっていきます。需要が高まる、つまりその通貨を買う人が増えれば、当然通貨の価格は上がります。

また、単純に金利が高いかどうかだけでなく、金利差も大切です。2つの通貨の金利差が開けば開くほど、為替レートも変化します。

これらは現状の金利よりも、将来的にどうなるかが重要であり、その国が将来金利を上げていくのか?下げていくのか?金利の行方を、多くの人が注意深く見守っています。

物価の差

あなたはビックマック指数を知っていますか?

世界中で販売されているビックマックの価格を調査すれば、各国の物価の差がわかるというものです。どうしてわかるのかというと、ビックマックはどこにあっても同じ価値でなければいけないからです。

ここからもわかるように、物価の差は為替を動かす大きな要因のひとつになります。それではスタバのコーヒーを例に、物価の差が為替に与える影響を見ていきましょう。

■物価が上がっていく国の通貨は下がる

アメリカでは、一杯3ドルで売られているコーヒーが、日本では一杯300円で売られているとしましょう。両国で販売されているコーヒーの価値が同じなら、1ドル100円ということになります。

一杯3ドルのコーヒー = 一杯300円のコーヒー(1ドル100円)

もし、アメリカの物価が上がって一杯3.2ドルになったのに、日本の物価が変わらず一杯300円のままならどうでしょう。両国で販売されているコーヒーの価値が同じなら、1ドル94円に為替レートが変化したことになりますよね。

一杯3.2ドルのコーヒー = 一杯300円のコーヒー(1ドル94円)

このように、物価が上がっていく国の通貨は下がっていきます。逆に、物価が下がっていく国の通貨は上がっていきます。

この物価の差が為替に与える影響は覚えておきましょう。

通貨の流通量

どれだけ通貨が世の中に出回っているのか?いわゆる通貨の流通量も、為替を動かす大きな要因です。

お金が流通していればいるほど、その通貨の価値は下がります。逆に、世の中に出回っているお金が少なければ少ないほど、その通貨の価値は上がります。(レア・希少性)

それでは通貨の流通量はどのように決まるのでしょうか?

実は世の中には出回っていない通貨があります。それを世の中に出せば流通量が増えるし、しまえば流通量は減ります。

これを行うのが日本で言えば日銀です。現在、日銀は市場で株やETFを購入することにより、世の中に通貨を出しています。

流通量が増える国と、変わらない国があれば、流通量が増える国の通貨の価値が下がり、変わらない国の通貨の価値が上がることを覚えておきましょう。

貿易

貿易も為替を動かす要因のひとつです。アメリカが日本から自動車を輸入する事例を使って説明していきます。

アメリカが日本の自動車を買う場合、日本からアメリカへ自動車(物)が移動して、アメリカから日本へ通貨が移動します。そして、最終的に受け取ったドルを円に交換しなければいけません。

このドルを売って円を買う際に、ドルの価値が下がって円の価値が上がります。

日本の自動車が大人気となり、さらにアメリカが輸入を増やせば、円を買うニーズが高まります(通貨が求められる・人気がでる)。

人気がある通貨は価値が上がるため、為替レートは円高ドル安になるのです。

為替(円高・円安)と株価との関係

為替に関する基礎知識や、為替が動く4つの要因を解説しました。

為替の動きに関する理解ができたところで、次は為替と株価の関係について解説します。

円高や円安が株価にどう影響するのかは、外国株や外国のETFを取引する人は直接影響があるのでもちろんですが、日本株でも影響は大きく無視することはできないので、知っておいたほうがよい要因の一つです。

これを知ることによって、論理立てて為替や株の動きを考えられるようになれますよ。

なぜ円安だと日経平均株価は上がるのか?

通常、円高ドル安になると日経平均株価は下がります。それとは逆に、円安ドル高になれば、日経平均株価は上がります。

これはなぜでしょうか?

その理由は、日経平均株価に採用されている、日本をリードする企業の多くが輸出企業だからです。では、なぜ円安になると輸出企業は儲かるのでしょうか?

例えば、1ドル100円の時、100万円の自動車は1万ドルですね。

これが1ドル120円になったらどうでしょうか?100万円の自動車は、約8300ドルになります。

同じ100万円の自動車でも、ドルで換算すると円安のときには価値が下がります。

同じ自動車をドルで購入するなら、どう考えても円安の時の方がお得ですよね。

このように、円安になればドルで買い物しやすくなるため、輸出企業の売上が上がります。

売上が上がれば業績が良くなり、株価が上がるわけです。

海外の投資信託を買う時に注意すべきこと

海外の投資信託を買う時にも、為替の影響を大きく受けます。例えば、下記のような海外REITを例に挙げて説明していきます。

この場合、1ドル100円の時の運用資産1憶ドルは、100億円の価値になります。

しかし、1ドル80円に円高が進むと、運用資産1憶ドルに変わりがなくても、80憶円に目減りしてしまいます。

逆に、1ドル120円の円安になれば、運用資産が変わらなくても120憶円に価値が上がります。

このように、運用資産が変わらなくても、為替が変動した分だけ基準価格が変動することに注意しましょう。運用価格は上がっているのに、基準価格が下がって損をすることは、珍しいことではありませんよ。

投資信託に限らず、海外ETFを買うときなども注意したいですね。

まとめ:自分なりに道筋を立てられることが大切

いくつかの複雑な要因が絡み合うため、為替の動きを正確に予想することは困難です。

しかし、重要なのは為替の動きをピタリと当てることではありません。

どういう仕組みで為替が変動するのか?ある程度把握しておき、今後どちらに動く可能性が高いか?自分なりに道筋を立てて、考えられるようになることが大切なのです。

また、投資をする際には、為替の影響を少なからず受けることも忘れないようにしましょう。

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