ばん桃の成長記

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2006年11月に田中さんから桃の話が入ってきた。西遊記の孫悟空が天竺で食べて不死身になってしまった桃の話である。(仔細は田中さんのこの原稿を読んで下さい。)
話を聞いた瞬間、これは天命!(大げさな?)この桃を作らねば!と蟠桃の探索にかかりました。明治時代に中国から輸入された樹が岡山県下に残っている様子で、あちこち捜して苗木を見つけ、手に入れることが出来ました。
これはその生育記です。

               

2012年4月21日   開花
下の写真から1年後の姿です。今年は寒さが遅くまで続き、昨年よりもさらに遅い開花になりました。
         

2011年4月16日   開花
今年の冬が寒くてなかなか暖かくならず、1週間ほど送れて咲き始め、今日、満開になりました。
養分を集中さすために蕾を8割がた落としていますので、見た目にはぱらぱらの開花ですが実を付けるには充分な数です。
昨年は遅霜にやられたり、成長期に実が割れたりして90個ほどしか収穫できませんでした。
昨年のような寒波はなさそうなので、300個ほどは実を付けさせることが出来そうです。







2010年6月6日   ばん桃の袋かけ
孫悟空のゆかりの不老長寿の桃、ばん桃です。開花時の4月の霜で花が痛みました。寒さが厳しい樹の上層部には実が殆んど付かず、いくらかでも寒さがゆるやかな中層部から下部にはしっかり結実してくれました。しかし、収穫時の糖度は上部ほど高く下部に行くほど低くなりますので、上部に残った物には全部袋かけをして、中層部までに生らせて下層部はほとんど摘果してしまいます。
実の場所の問題と合わせ、実が割れてしまう物が出ましたので、割れたものは無条件で摘果します。その結果袋を掛けられた物は190枚になりました。通常のこの樹齢の樹ですと300枚が平均的な数ですから、やはりばん桃は簡単な樹ではないようです。収穫時期は8月初旬ですから、真夏の太陽光をさえぎるため、M−2という特殊なタイプの袋を使用し、実が横に大きくなるため、サイズは特大と言うタイプを使用しました。お相撲さんのステテコと言った感じで普通の桃から言えば特殊なタイプの袋です。

        
                                          右は正常、左は割れて白い種が見えている

2010年4月9日   3年目の開花
樹の大きさは3m程の高さになりました。樹形は割りと自由にしていますので、作業上やりにくい部分も出てきています。今年で樹の骨格が決まりますので、夏の剪定で切り込んで原型が完成します。2月に積蕾をしていますので花の数は少なくなっていますが、最終に残す数から言えばまだ5倍ほどの数量が有ります。









2009年6月10日   孫悟空の桃の実
昨年は3個しか実が生らなかったのですが、今年はたくさんの実を付け大きくなってきました。ただ、すんなりと大きくはならず2割程度は実の中央から割れ目が入っている状態で、そのまま収穫できる大きさになるのかどうか育成していきたいと思います。立と横の姿はすでに特徴ある形で、愛嬌たっぷりです。
        

2009年5月16日   蟠桃(ばんとう)
孫悟空の桃が3年目を迎え3.5m程の大きさになってきました。昨年は数個の実しかならなったので、今年は人工授粉を実施しました。やはり効果は有ったようで70〜80個の実を付けましたが、栽培している桃であればこの大きさで300個ほどになりますから、比べれば大変悪い実付率です。樹も硬くて、栽培管理上では広く開いた樹形にしたいのですが、上へ上へと伸びていく力が強く大変扱いにくい性格で管理に骨が折れます。
2.5cmほどになった実はすでにその特徴ある形を表して、ぺっちゃんこで、何とも面白い愛嬌のある幼果です。
           

2009年5月5日   結実
結実2年目を向かえ色々な事がわかってきました。昨年結実率が悪かったので、今年の春は人工授粉をした枝と、自然のままに放置した枝に区別してみました。
その結果、やはり自然のままにしておいた枝の結実は悪く200の花で実を付けたのは3個ほどになりました。人工授粉をした枝では10の花に2個ほどが結実しており、その違いははっきりと出てきました。
また、短果枝と中果枝には比較的良く結実しましたが長果枝にはほとんど結実せず、(短果枝−10cm未満の長さの枝、中果枝−10〜30cmの長さの枝、30cm以上の枝。中から短果枝の短い枝ほど美味しい桃の実になると言われている)枝による差が大きく発生しました。
写真に3個の実が写っていますが上の小さな物は未受精果(開花から20日後に判明)で大きくならずこの後落果します。下の2個は現段階では受精して結実しましたが、この後、硬核期(開花から50日後)に核割れ果が落果しますので、それまで2個のまま様子を見ます。
最終的には個のまま2個が残っていれば1個を摘果して、1個に袋をかける事になります。

2009年4月9日   2回目の開花
2回目の開花を迎えました。1年前に比べると花の数は5倍ほどになりますが摘蕾をしていますので花が少なくなっています。無駄な浪費をさせず、大きな桃を採る為には必要な事ですが、花見と言う点から言えば、大変おそまつな開花です。昨年は実がほとんど生りませんでしたので、今年は人工授粉をして様子を見ることにしました。花を調べてみても花粉が少ない感じがしました。












2008年11月23日   2年生になりました
寒波によって一気に落葉しました。1年前の姿と比べると枝数が2倍以上の多さになっています。一般的には冬場に剪定しますが大藤式の栽培方法を取っていますので、今年は剪定をせず、このまま自由に大きく育てます。










8月13日   ばん桃
孫悟空の桃、ばん桃が出来ました。形は変?です。糖度は高く15度あり、トップクラスの優品の糖度ランクが12.5度以上ですから相当の高さです。種も実に似たような形をしており見たことのないユニークさです。

     下から見上げる                               上から樹に生っている様子
       


      

5月31日   孫悟空の桃(蟠桃)
120年ほど前に中国から入ってきた桃で、原種に近く栽培は容易と思っておりましたが大きな間違いでありました。開花までは順調でしたが、その後の受粉が悪くほとんど結実しませんでした。成育の情報が無いので正確には解かりませんが、花粉を持っていない桃の結実と同様のようです。この樹の規模だと通常200〜300の実が結実しますが蟠桃は4個しか結実しませんでした。その後、大きくなるにしたがって2個の実が割れてきました。桃の実が割れると言う想定はありませんので、この現象にもビックリします。現在までまともな物はわずか2個と言うありさまで、作りこなすには相当に難しい品種のようです。
  まともに育っているが不思議かたち!                  真ん中が割れてしまった。収穫はたぶん無理!
     

 2008年5月10日    三つ子の魂・・・・
満開から30日が経過して、3種類の桃の幼果が現れてきました。左の写真のように、外見の樹の形や葉は全く同じで見分けが付きませんが、実は大きくなった時のそれぞれの特徴をすでに表していてビックリさせられます。
右上からネクタリン(毛の無いつるつるの桃)、普通の桃、蟠桃(孫悟空で有名なひしゃげた桃)の3種類です。
ネクタリンと蟠桃は今年初めての生産になりますので、上手く成長してくれるのか、収穫時期は何時頃になるんだろうか?等の資料も少なく正確なところは解かりません。今後どんな大きさになって行くのかが大変楽しみです。
       

2007年12月19日   1年になりました
昨年の12月7日に植えて丁度1年が経過しました。全て葉を落とし、2m程の高さとなりました。収穫の終わった秋から冬は土作りをします。ここは以前は水田だった土地で、水はけが悪く改善するために周囲にパーライトを混和します。木の枝が伸びている範囲と根が伸びている範囲は同じですので、耕して根を切らないように、根元から枝先の場所までは土地を耕しません。このようにしてパーライト(軽石みたいな小粒の土)を混ぜて土地の湿度を改良します。








2007年9月15日   成育終了
8月で今年の成長は終わり、幹や枝の充実の為に葉が養分を蓄える時期に入ります。高さも2mほどになり、1年生としては順調な成育状態です。今年と来年の2年間はひたすら大きくて充実した樹に育てることに専念します。
桃は乾燥に強い植物で水を撒いたりせずに育ちますが、今年の夏の雨不足による乾燥は異常で、5回ほどの水撒きをしました。逆に高温と太陽光の多さは成育にプラスの方向に働きました。










2007年6月22日  成育
2ヶ月弱で1m程の大きさになりました。桃の成育は強くて早く大きくなりますが、同時に植えたほかの品種に比べても成長度合いは早い感じがします。
友人から中国の青島に行った時ひしゃげた桃を見つけ試食して美味しかったので買ってホテルで食べたよ、きっと蟠桃だったんだ。2年先が楽しみ!と言う手紙を頂きました。
がんばりマス!









2007年5月3日   芽が出た!

冬を無事越して、芽が出てきました。20cmほどの幹の間から5〜6本の芽が出てきました。萌芽としては理想的です。
幼木の時代には特に虫や病気に注意が必要で予防や防除を徹底して、夏場にはドンドン成長してくれそうです。











2006年12月7日   苗木を植える
11月に堆肥やパーライトを入れて準備しておいた畑に植え付けました。
桃は過湿に弱いため、30cmほど盛り土をして、穴に充分根を広げて植えつけます。根の傷んでいるところは剪定ばさみできれいにカットします。人間で言えば、かみそりで切った傷口はすぐつきますが、すりむいた傷口はなかなか治らないのと同じです。
         

苗木を20cm程に短く切って植え付けます。それは、地ぎわから枝を出させ、広くて低くて大きな骨格にするためです。
日あたりを十分確保する為、100uに1本の割合で植えます。防寒のためわらを敷いてやります。