第31回十和田市こども劇団 定期公演
『スーホの白い馬』
2024.11.10
やっとの思いでスーホのもとへ帰ったしろ。
♬悲しみの中で
遥か彼方から 降る光の数々は
ひとしずく流れるつゆで 命はぐくむ…
それから数日、スーホたちのもとにも王様からの知らせが届きます。
王様の即位20年を記念してナーダムで大きな大会を開くというのです。
そして
弓の競技の優勝者には親衛隊長の職を、
相撲の優勝者には将軍の職を、
競馬の競技の優勝者はイチンホルロー姫の婿とする…というのです。
スーホは競馬、ダグワは相撲、バドは弓矢で力試しに参加してみること
にしました。
時の流れを歌い上げる語り手
そんなある日のこと、スーホは生まれて間もない一匹の白馬の子を
ひろいました。
お婆さんはそれが亡くなったお爺さんの生まれ変わりではないかと
思い、スーホも自分の兄弟のように優しく世話をしました。
「しろ」と名付けられたその子馬は見る見る大きくなり、3年の月日が
流れました。
そんなある晩のこと、羊たちを狙って狼の群れが現れました。
羊たちの鳴き声で目を覚ましたスーホはしろと共に狼たちを追い
はらいます。
「しろ、よく頑張ったね」 「いいや、スーホのおかげだよ」
気が付くとスーホはしろと会話できるようになっていました。
加勢するスーホ
そして弓矢・相撲と競技は続けられ、最後の競技は競馬。
スーホとしろは一番でゴールを駆け抜けます!
「やった! スーホが優勝だ!」
しかしスーホのみすぼらしい姿に王様は約束を覆し、イチ
ン姫の言葉にも耳を貸さず、金貨3枚でしろを奪い取りました。
スーホはその場から投げ出され、失意のまま家へ帰ります。
ナーダムでは市場も開かれていて、おなじみの店が勢ぞろい。
今日も活気にあふれていました。
♬市場の歌
今日の市場を見てみれば 馴染みの顔が勢揃い ラッシャンセー!
爺さん 婆さん パパにママ 冷やかし おめかし 見においで ラッシャンセー!
無い物はない屋 なんでも買います買い屋 日用品なら雑貨屋 市場は今日も盛況!
ところでモンゴルでは定期的に市場が開かれていました。
市場は人々にとって楽しみであり、それは子供たちも同じ。
王様もたびたび市場の視察に訪れ、それに随行する王様
の5番目の娘イチンホルローはその地区の子供達との交流
を楽しんでいました。
オープニングはテーマ曲の歌から
♬テーマ曲
何万光年の彼方から 降りそそぐ光の数々は
この大地モンゴルに 広がる生きものたちを育てる
Woo…この大地の暗闇に 聞こえてくるのは砂嵐…
その後語り手が、モンゴルの楽器「馬頭琴」の誕生について語り、
語り手はこの劇中に度々登場し、進行役となります。
昔むかしのモンゴルに、部族同士の戦いで両親を亡くしたスーホという
少年がいました。スーホは祖父母に育てられて元気に過ごしていましたが
10ヶ月ほど前にお爺さんを亡くし、今はお婆さんと二人暮らしでした。
お爺さんに先立たれたお婆さんは元気がなく、それがスーホの気がかり
でした。
♬スーホの歌
草原を渡る風が天まで届くならば 婆さんの悲しみ伝えて欲しい…
さて今日は年に一度の「女の日」。女は仕事を休んでくつろぐ日。
近所の母さんたちがスーホのお婆さんを気遣って集まってきました。
ありがたい仲間たちです。
「そじゃ、ナーダムで!」 「はい、ナーダムで…」
二人は駆け付けた親衛隊に引き裂かれるように
別れました。
狼としろの戦い
1000人ホールのロビーには
これまでの公演歴の一部を展示。
『スーホの白い馬』は今回が4回目
の上演となります。
ありがとうございました。
好天に恵まれてこの日を
迎えました。
♬語り手の歌
空をかける風たちはどこへ向かうの
流れ流れてその果ては どこへつづくの…
一方、王様に強引に買い上げられたしろも面白くなく
手なずけようとする王様を振り落とし、逃げだします。
怒り心頭の王様はしろを射ち殺すように命令し、しろは
兵士たちの矢を何本も受けながらスーホのもとへ。
♬スーホとイチン姫の歌
やさしい瞳 やさしい笑顔 この胸のときめき この胸の痛み
どうしたのだろう どうしたのかしら 知らない人なのに初めてじゃない…
ナーダムへ向かうスーホとしろ。 しろはどんどん力をつけて
いました。頼もしいかぎりです。途中で一休みしていると突然
悲鳴が聞こえ、馬が走り去って行きました。
そこにいたのはイチンホルロー姫。どうやら落馬したらしい
のです。
優しく手当をしてあげるスーホ。
二人は次第にうちとけ合うように…。
今回、陰アナを努めてくれたのは
子劇卒団生『萌々香さん(高3)』です。
彼女のアナウンスで幕が上がりました。