京都市を貫流する鴨川は平安の昔から命の水であり、文化と歴史を育んできた。日本のふるさとの川である。しかし、先人たちが培ってきた川への畏敬の念はだんだんと薄れ、その環境悪化が問題となってきた。近年、上流域の林地開発や廃棄物、焼却場など、また川で遊ぶ人のマナーの悪さもあり川が汚れてきている。従来、河川は治水、利水を重んじられて利用整備されてきたが、結局、環境を置き去りにしたことが川を悪化させてしまった。2000年に河川法が改正され、やっと環境という軸が定められた。淀川水系上流の最大都市、京都の鴨川を清流にしていくことが大切である。なぜなら、下流大阪の飲料水となるからである。行政と市民がパートナーシップで鴨川の大切さを共有できる条例制定が必要であると考え、現在、保全条例制定を求めて署名運動を展開中である。