お役人は、小野良実(おののよしざね)というりっぱなわかものでした。
「こんどきたとのさまは、よく村をみまわりし、おらたちにまでことばをかけてくださる。 やさしいかただなや」 と、村人たちから すかれました。
また、良実が、家来をつれて馬にのり、野山で狩りをするのをみて、村人たちはくちぐちに いいました。 「なんと、やさしく、たのもしいかただなや」