2019年11月



これまでに人生でお世話になって恩師を振り返ってみると、小学校時代の担任だった丹後先生と放送部の数井先生を思い出します。

丹後先生は国語の先生で、4、5年を担任していただきました。他の先生方は姉や弟を担任されたりご存知でしたが、丹後先生は他校からこられた方でしたので、姉や弟と私を比べてみることが全くありませんでした。

おしゃべりだった私は国語の時間の音読が好きで、先生から指名されて読むことが得意でした。
丹後先生はそんな私を放送部に入れてくれました。

そこで、数井先生と新たな出会いがありました。私の通った小学校はお昼の給食の時間に放送を各教室に流していました。

1、2年生向けの読み聞かせ、3、4年生向けのNHKの学校ニュース、5、6年生向けにはクラシック音楽の放送とそれぞれの学年に向けての3元放送を毎日やっていました。

その中で、私は読み聞かせの担当をしていました。放送室と、図書室は隣同士でしたので、低学年向けのお話の本を自分で探します。

偉人伝が多かったように記憶しています。
外国物では、リンカーン、キューリー夫人、エジソンなど、日本でしたら十和田湖のヒメマスの養殖に成功した和井内貞行、伝染病で有名な野口英世、日本の地図を作った伊能忠敬など、さまざまな本を読みました。

その時に、息継ぎをどうするか、アクセントの置き方などを自分で考えたり、わからないときには数井先生に教えてもらったりしたのです。

今思い出してみると、アナウンサーを志望するようになったのは、この経験があったからでしょう。そして活字が好きになり今も読書は大切な生活の一部です。

実は姉や弟を知っている先生は、優等生だった姉や弟と比較するので、「姉さんは・・・・」とか「弟さんは・・・・」というような言葉をよく使いましたので、私としてはあまり気分の良いものではありませんでした。しかし数井先生も丹後先生もそういったことが全くなく、私個人を尊重してくれたことが、とてもうれしく今日につながったのではないかと思います。

これは子育てにも同じことが言えるでしょうし、講師として受講者に接するときにも大切なことではないかと思います。

人と比較することは何にもならないことで、その人だけを見てあげるようにしなければと思います。