2021年12月


カレンダーがあと1枚となって、「ああ今年ももう終わりなのね」と過ぎ去っていく時の速さに驚きながら、コロナ禍で、やれることが少なかったという印象です。

いつもは時間に追われている私ですが、去年今年は時間に追われることなくゆったりとした時間の中で生活しているとでもいうのでしょうか?行けるところが制限されると、別なところでの時間の過ごし方を考えるもので、出張が少なくなった分、都内での音楽会に出かけることができたり、大勢での会食がなくなった時間を、お芝居を見る時間にあてたり、これまでとは時間の捉え方がはっきりと違ってきています。

先日杉並区で行われた荻窪音楽祭を見に行ってきました。荻窪は以前私が7年ほど住んでいた街ですが、音楽祭は初めての経験です。4日間にわたって、様々なコンサートやワークショップが開かれたり、まさにクラシック音楽の街というプログラムが満載でした。日本フィル交響楽団の本拠地が荻窪で、杉並公会堂で活動していることもあって、毎年、そのメンバーの方々が力を貸してくださっているようで、中でも中学生との共演は目を見張るものがありました。
今年で34回目と言いますから、多くのファンや、、サポーター、ボランティアに支えられてのものでしょう。ほとんどがチャリティーですから、その精神も見事なものです。

私は中学生とプロとの「みらい夢コンサート」という杉並区の中学生と、日本フィルの皆さんとが一緒に奏でる音楽にまず驚きました。中学校の中には吹奏楽部がないところもあるようで、いろいろな学校からの選抜で楽団が作られているのですが、コロナ禍とあって、合同練習ができずプロが生徒一人一人にレッスンをして、最終的に音を合わせるという練習風景がビデオで流れました。それを見たときには本当に大変菜練習だったのだと感じました。そして、プロの指導を受けると、こんなにも素晴らしい音色を奏でることができることに感銘を受けました。

3・11の東日本大震災で被災地となった福島県南相馬の中学生との絆をつなごうということから、毎年南相馬市原町第一中学校の吹奏楽部の皆さんの参加もありました。例年は荻窪にきての演奏ですが、今年はZOOMでの参加でしたが、これが驚くほどの素晴らしさで、中学生でここまで演奏できるものかと、驚きました。難解な曲にもかかわらず、楽しそうに演奏しているんですね。中学校にハープまで備えているなんて、私の認識不足ですが、聴いていて涙が出るほどでした。

実は、毎年CDで演奏は聴いていましたが、生演奏は全く違って心にビンビン響いてくると言ったらよいのでしょうか?とにかく足を運んで良かったです。コロナ禍でなければ、別の時間の過ごし方をしていたに違いありません。

時間をいかに過ごすかはどう生きるかに通じますから、できるだけ無駄なことに使わずに、楽しく、自分らしく時と共存できたらと思います。

1年間、お読みくださいまして、ありがとうございました。
来年も新鮮な気持ちで、「ひとりごと」を書いてまいります。
よろしくお願いいたします。