2022年6月
ロシアとウクライナの問題が起こって以降、最近は女性の首相がテレビ画面にたびたび登場していることに気づきます。
フィンランドのサンナ・マリン首相、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相、スロバキアのズザナ・チャプトバ首相、ドイツのアンゲラ・メルケル首相はもうずいぶん前から活躍されているので、周知の方ですが、フィンランドやデンマークはNATOへの加盟で大きくクローズアップされて、首相の顔が映し出されあまりの美貌と若さに驚きました。
当たり前のことですが、小池都知事のように独身ならば身軽に活動できるために、要職にもつけるかと思うのですが、彼女たちは子供がいても立派にその責務を果たしているというところに、日本との違いを感じます。
私が就職したころはまだ女性をお茶くみという捉え方が多く、結婚したら会社を辞めるのが当たり前という考え方で、会社側も、当事者も疑問に感じることなく採用が決まっていたような時代でした。いわゆる寿退社です。
実際に、私も最終面接で「結婚したらアナウンサーの仕事はどうしますか?」という質問を受けました。本心を言えば、事情が許すのであれば、可能な限り続けたいと思っていました。憧れて、ようやくこぎつけたアナウンサーの職を簡単には手放せないと思っていました。
しかし、「続けたいです」と言ったら最後、就職はできないことを何回かの面接で覚えました。そこで、同じ質問があった際には「結婚が決まれば辞めます」と言ったところ、「そうですよ。アナウンサーは結婚の片手間でできる仕事じゃありませんからね」と言われたことをよく記憶しています。
今思い返すと、両立はできないわけではなく、可能だったと思います。しかし局としては、若い女性を入れたほうは何かと重宝だったのでしょう。
幸いにも私はやめた後も仕事に恵まれましたが、現代においても女性の活用が叫ばれているにもかかわらず女性の登用が少ないのは、家事の負担や、子育てや親の介護などが女性の手にゆだねられているせいではないかと感じています。
保育園や幼稚園に子供が入れたとしても家から遠くて通うのに時間がかかったり、子供が熱を出せばすぐに迎えに行かなければならないなど、あまりにも理不尽なことが多いために、せっかくのすばらしい能力を発揮できないと思えます。
もし子供が熱を出したら、そのまま病院に連れて行ってくれて朝まで付き添ってくれたり、職場に医師がいて保育園や幼稚園が断った子供でも受け入れてくれたら、女性も安心して働けるのにと思うと、行政の手薄さに疑問を感じますし、女性の参画など絵に描いた餅ではないかと思わざるを得ません。
今年の新入社員の中には素晴らしい能力の女性がたくさん存在していましたが、やはり絶対数は男性に比べて少ないのです。結婚して辞められたらとか、子供ができて中途半端に仕事を投げ出されたらと思う会社の気持ちは十分理解できますが、歯がゆくてなりません。私が子供を持たなかったからかもしれませんが、夫婦でお互いに協力できるところは協力して、他人の力を借りられるところは借りて、女性の皆さんにもずっと仕事を続けて輝いていてほしいと思っています。
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