2022年1月
新しい年になると、決まって新しい下着を着て家族で新年を祝いました。今はそんなことをする家庭はもうないかもしれません。けじめということをよく言われていたことを思い出します。
我が家では外出するときの装いと、家の中のそれとではきちんと区別するように躾られました。
小学、中学、高校時代は、制服がありましたから、それが外出着です。冠婚葬祭は制服は決まりで、それ以外の洋服はほんの少ししか持っていませんでした。
先日週刊誌にあるタレント夫婦が、スェットの上下を着てスイーツのお店の行列に並んでいる写真が出ていました。また、テレビで、女性タレントが寝るときはスエット、仕事がない日はそのままのスエット、コンビニに行くときもそれを着ていくと話しているのを聞いて、もうビックリしてしまいました。
内も外も、しかも寝るときも同じスエットだなんて信じられない思いで、いつからこんなにもだらしないことになってしまったのかと思います。
私も夫もスエットは持っていません。仮にそれを部屋着として着たとしても、外で着るなんてことは考えられません。要はだらしのなさ、けじめのなさに我慢できないのです。今の若者はそういう躾さえ教わることなく来てしまったのでしょうか?
テレビでも、夜のニュースに出てくる某教授はいつもラフな格好で、しかもサンダル履きです。他のメンバーはきちんとしているのにサンダル履きとは、教授とは思えませんし、テレビ局側も注意できないのかと不愉快になります。そういう格好を公共の場で見せると、それもまたありかと若者たちが思ってしまい、右ならえするのが怖いです。
旅行が好きで温泉旅館にも泊まります。まずは露天風呂などでゆっくりと湯あみをして、そのあとは夕食です。夕食会場の場合は必ず、洋服に着替えていきます。ところが、洋服は私たちだけということが珍しくないのです。皆さん、お風呂上がりの浴衣のままです。
朝も浴衣のままという方がほとんどです。私たちは前日と違う洋服で会場に行きます。寝るときは、パジャマを持参しますから、浴衣はお風呂の行き帰りだけです。
日本旅館の場合、浴衣は部屋着です。食事会場は外という考え方をしますから、浴衣のままはどう考えてもマナー違反でしょう。寝巻のまま食事会場? ありえません。子供時代もパジャマで食事はありえない、必ず着替えてから食事でした。そう考えれば、たとえ旅館であろうともわかると思うのですが、くつろぎたいからというのが理由でしょうか?だったら、部屋食のできる旅館を探せばいいことでしょう。
マナーを教えていますから、人の装いにはすごく気になります。
例えば、昔は銀座に行くときにはおしゃれをして行きましたという方が多くいますよね。私もそうです。新潟で育ちましたが、父の会社があるせいか春休みには毎年東京に来ていました。銀座にもよく連れてきてもらいました。身なりはきちんとするようにと、いつも口うるさく言われました。
ですから今でも毎週行く銀座はだらしない恰好では行きません。でも、近所だったら、Gパンやセーター、夏なら、Tシャツでも買い物に出かけます。そのあたりはメリハリをつけて考えています。遊びの時は、自由ですから、着たいものを自由に着ていますから、パンツやセーターもいいでしょう。
反面、仕事ではいつもスーツにヒールのパンプス、タイツではなく、ストッキングです。主に、黒、グレー、ブルー、白などですが、時には、ジャケットとスカートもあります。パンツはありません。そしてどんなに寒くてもタイツは穿きません。それがマナー講師としての矜持だからです。現代は、だらしなさすぎると思えてなりません。
おしゃれと身だしなみは違います。おしゃれは自分らしさを表す服装やヘアスタイルですが、身だしなみは周りの人に不快感を与えないように服装や髪形を整えることですから清潔感が求められ、見苦しくないようにしなければアウトです。
この頃爪を長くのばしてしかも5本とも違う色だったり、ストーンを着けたり、黒や、濃紺などの色にしている人を良く見かけるようになりました。タレントの影響でしょうか?着物で、ピアスも私には異様な姿です。身だしなみでは相手に不快感を与える可能性十分です。遊びでのおしゃれではいいでしょうが、仕事では不必要です。
ところが難しいのは、それを注意するとパワハラやセクハラと取られてしまったり、個人への干渉のし過ぎと言われかねないことです。
職業にもよるでしょうが、企業の上層部でもそろそろしっかりと考える時期に来ているのではないでしょうか?
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