2023年12月


カレンダーがあと一枚というのはさみしい限りです。毎年同じように感じますが、今年は季節が安定しなかったせいか、余計に秋が短くすぐに冬になってしまったと感じているせいでしょう。

ニュースに目をやれば、ウクライナ問題、イスラエル問題、国内は凄惨な殺人、議員やそこに連なる人々の辞任、解任等、良いニュースがあまりにも少なくストレスがたまります。

見なければよいのでしょうが、毎日ニュースを見たり、新聞を読む習慣ですから、目を背けることはできません。

ところが最近久しぶりに会った知人の中には、ニュースはほとんど見ない、新聞も取っていないので、情勢がわからないという人がいました。話題にはついて来れないのです。テレビを見ないのかと言えばそうではなく、政治や経済問題に関心がないのだということです。

選挙年齢が18歳になっても若者の投票率は上がりません。つまり関心がないのでしょう。世情に疎いということをなんとも思わない、新聞は高い、ニュースはくだらない、自分の身に関係ないことには関心を持たないということの表れでしょう。

私は国会中継も良く見ますし、テレビはニュースを多く見ます。勿論わが身とは関係ないと言えばそれまでですが、円安も、原油価格の高騰も、企業の最高益も、直接的には関係がなくとも、間接的には大いに関係していることで、このままでは日本がどうなるかと気が気ではありません。

旅行が好きで日本国内はもちろん世界のあちこちに行ってみたいといつも思っています。これまで40ヵ国近く行っていますが、流石にウクライナ問題以降は行っていません。地球の裏側で起きていることを考えると、楽しく旅をする気持ちにはなりません。いつどこで何が起こるかわかりませんし、最近の異常気象を考えるとどこでどうなるかという不安も感じます。

私の年代は戦争もなく、世の中が目覚ましい進歩を遂げて、素晴らしい日本に発展したかもしれませんが、反面あまりにも自由度が大きすぎてパラスメントやジェンダーの問題を思うと、生きにくくなったとも思います。

アサーションという研修を行っていますが、叱れないというリーダーが増えていて、それは何か言うとハラスメントと受け取られるのではないかと危惧するあまり、適切な注意さえもつい口を噤んでしまうという人が増えて、どのように伝えたらよいかわからないので、研修を通して学ぶ必要性があるようで、様々な企業からのオファーがあります。

お客様に言えない、上司に言えない、部下にも言えない、その結果、何も言わない、言えない人が増えてしまい、企業としてどのように考えたらよいかを、実習を通して学ぶ内容なのですが、それぞれの企業が抱える問題は様々ですので、本屋さんにあるテキストを読んでも自分の会社には当てはまらない内容が多く、私としては一般論ではなく実態に基づいた内容にするために、あらかじめ聞き取りをしてそれぞれにふさわしい事例を皆で考えるような内容にしているのですが、実際には難しいようで、頭では理解できても現場でいざという時に自分の言葉として言ったり、態度で示すことができるかというと、なかなかハードルは高いのかもしれません。

人間の習性として長年培ってきた考え方や言動を改めるということがいかに困難なことか、例えば手を組む際に右が上になる人と、左が上になる人がいます。お箸を持つ手は小さい時に矯正されていても、手の組み方を直されて人はほとんどいません。研修で、「今日から左を上にして組んでください」と言ってもすぐに直せる人はいないようにアサーティブな言い方に慣れるまでにはかなりの時間を要します。

注意するときは人格否定にならないように「あなたって駄目な人!」「何回言ったらわかるの!!」というような言葉は使ってはいけないと言っても、それまで使い慣れた人には大きなハードルに違いありません。そこをあきらめずに、繰り返し実習を通して納得がいくように説明してロールプレイングを繰り返して、ようやく理解してもらうとなるわけですが、それはなかなか大変なことだとアサーションを教えていて感じます。

私自身は攻撃したりすることはないと思っていますが、他人の目にどのように受け止められているかはわかりませんので、言葉にはよほど気を付けないとと感じています。

人間は感情の生き物ですから、虫の居所が悪かったり、ストレスを抱えていたりすれば、おのずと言葉がきつくなってしまいがちです。歳を重ねれば人間が丸くなるという人もいますが、逆に年を取るほど腹の立つことが増えるものだという人もいます。どちらにもそれぞれの思いがあるのでしょうが、言葉の力がいかに大きいかを最近とみに感じています。

人を傷つけないように、口にする言葉は気を付けてと、日々思うこのごろです。

人間は感情の生き物ですから、虫の居所が悪かったり、ストレスを抱えていたりすれば、おのずと言葉がきつくなってしまいがちです。歳を重ねれば人間が丸くなるという人もいますが、逆に年を取るほど腹の立つことが増えるものだという人もいます。どちらにもそれぞれの思いがあるのでしょうが、言葉の力がいかに大きいかを最近とみに感じています。

人を傷つけないように、口にする言葉は気を付けてと、日々思うこのごろです。