2023年7月


6月に発表された2023年の日本のジェンダーギャップ指数は世界の中で125位と発表されました。
日本の総合スコアは0.647で146ケ国の中で125位という位置づけで、先進国では最低です。

ジェンダーギャップ指数というのは男女格差を数値化したもので、世界経済フォーラムが毎年発表していますから、テレビでも報道されますので、ご存知の方も多いでしょう。

日本は0,647と言いますが0〜1で評価されるもので、1を男女完全平等とし、0を男女完全不平等としてあらわしています。
つまり、0に近いほど男女格差が大きいことを表しているのですが、、日本は教育においては0,997という数字を取っています。識字率、初等教育、中等教育、高等教育の男女比率はほぼ一緒で平等性がありますし、健康面でも0,973、つまり出生児性比、健康寿命の男女比は平等という評価です。

一番劣っているのが政治参画で0,057で、例えば国会議員の男女比、、閣僚の男女比、行政府の長の存在年数の比率はとても低く、女性が活躍していないと言えるとの結果です。
経済でも女性経営者の割合は男性に比べて極めて低く、「男性は仕事、女性は家庭」という考え方が年齢の高い人ほど多いという結果です。

私自身を振り返ってみると、中学校の同級生の中で仕事に就いた人はごく一部で、医師、教師、あるいは家の商売を継いだ人が数人でほとんどはすぐに家庭に入り、その後ずっと働いていませんし、パートをする人もいませんでした。理由の一つには、友人のほとんどは、実家も、嫁ぎ先も経済的に非常に恵まれていて、働く必要性がなかったからだと言えましょう。高校時代の友人の多くは、卒業後会社員になりましたから、やはり附属中学という特殊な環境のせいでしょう。

私は特別で一時的にせよ仕事から離れたことはなく、今日までずっと仕事を続けています。理由は簡単で、仕事が好きなので仕事から離れることを一時的にせよ考えたこともありません。

さて、ジェンダーギャップですが、経済と、政治面で他国とこれほどまでの差があるということを考えると、もっと女性の活用をすべきだという声がすぐに上がりそうですが、ことはそんなにも簡単ではないでしょう。

例えば、4月にこども家庭庁が発足しましたが、手当てが増えれば子供の数が即増えるかというと、それは疑問です。女性の中には子供よりも仕事を続けていたいという人は多くいますし、結婚そのものにも魅力を覚えない人も多くいます。

仮にこども手当てが増えたとしても、保育所の問題、時間延長の問題、熱が出たと言って呼び戻されては落ち着いて仕事もできないでしょう。更に、転勤の問題、単身赴任の問題などを考えると、男性と同じように仕事をやりたくても難しいことが山のようにあるに違いありません。


更に、日本では政治を話すことがタブー視されてきていて、日ごろから政治を論ずることに慣れていないので、政治参画はもっと厳しい問題に違いありません。

世界の大統領や首相を見ても、イギリスの元首相サッチャーさんから、ドイツのメルケル首相、アイルランドのメアリーマカリース大統領、フィンランドのタルヤカーリナハロネン大統領、ほかにも、ラトビア、フィリッピン、リベリア、チリ、スイス、ニュージーランド、ジャマイカ等、多くの国で女性がトップを務めています。

企業でも最近は女性のCEOが登場したり、大学の教授も女性が増えました。しかしまだまだほんのごく少数にすぎません。
その少数の人たちが、テレビや新聞、雑誌に登場して感ずるのは、やはり美しい人が採用されているという現実です。政治番組でメインキャスターやアシスタントの女性は、例外なくテレビ映りの良い人です。男性は様々ですが、女性に求められるのは、その考え方や、発言力パフォーマンスよりもテレビ映りが良いかどうかという点に重きを置いているとしか思えないのです。これでは日本の地位はいつまでたっても他国に後れを取るに違いありません。

今回発表の125位というランクはどう考えても先進国とは言えないでしょう。
政府はこの数字をどのように捉えているのでしょう?