「イムヘテプ」なのか? 「イムホテプ」なのか?
サッカラにある有名な階段ピラミッド。時のファラオは第3王朝2代目ファラオのジョセル王。しかし実際に建築したのはその時の宰相で、後に”神”にまでなった天才イムヘテプ。さて、そのイムヘテプの名前は本当にイムヘテプでいいのだろうか?イムホテプと言う資料も多くある。
まず、そもそも”ヒエログリフ”はどんな文字かと言うと”いわば古代のエジプト語”。現代のエジプト人が使用しているアラビア語と同様に、一つの文字が一つの音節に対応する言語体系になっている。だから子音と母音がくっついて一音節を形成する場合でも表記上は子音が一文字だけ表記される。つまり”ハ”も”ヒも””フ”も”ヘ”も”ホ”も表記上は全部”H”一文字。
たとえばヒエログリフを解読したら”AMNHTP”と言う名前のファラオが出てきたとする。これを現代の人が読むとアメンヘテプとも読めるし、アメンホテプとも、アモンホテプとも読める。で、「いったいどれが正しいのか」と言う議論は専門家から見ると時間の無駄でしかないらしい。なんと!どれでも正しい。
ただし、ある程度の整合性を取らないといけない。たとえば古代エジプトの神様にアメン神と言う神様がいる。ヒエログリフの性質上この神様は実はアモン神でもアムン神でもいい。でも神の名前をアメン神と呼ぶならAMNHTPは整合性を保つようにアメンヘテプがいいらしい。(なるほどねぇ。)
その流れでアメンヘテプ3世の孫のツタンカーメンは、トゥト・アンク・アメンと表現するのがいいらしい。アモン神の流れで読むとトゥト・アンク・アモンになっちゃうし。日本語だとツタンカーモンかな???なんだかキングサーモンみたいだ、、、。
で、問題となっている肝心のイムヘテプ(あるいはイムホテプ)はヒエログリフをアルファべット表記に直すと”IMHTP”になる。だからイムヘテプでもイムホテプでもなんでもいい。(ふ〜ん、、、。)
で、ちなみに、ハトホル神殿とかハトホル神とか言う有名なハトホル。ヒエログリフだと”HWT−HR”。これなどは私が読むと、ハウトホルとかヘウトハラとかホウトヘルとかなんでも読めそうでよくわからなくなる。(なんじゃ?そりゃ?)
そもそも昔の読み方で忠実に読んでもあまり意味はない。有名な百人一首の「春過ぎて 夏来たるらし 白たえの 衣ほしたり 天の香具山」を当時の読み方で読むと、「パルー ツンギーテー ナトゥー キータルラチー チロタペノー 、、、。」となる。らしい(へぇーーー。) 確かに昔の読み方で読むと意味はさっぱりわからなくなる。
ちなみに、国語学者に言わせると、言語というものは中央政権から離れている地域ほど残る傾向にあり、現代だと沖縄方面に、もっとも古い日本語の形式が残っているらしい。確かに「花」はパナだったり、「三線」がサンシンだったり、そもそも「沖縄」がウチナーとかになってるもんなぁ、、、。