【こぼれ話】    

エジプトの物価 

  話では聞いていたものの全体的な物価は異常に安い。1エジプトポンドは約17〜19円だったが(毎日レートが変動する。)、安いと感心したのが絵葉書20枚で1USドルで売っていた時。1枚約5円ほどの安さ。写真の質は全然悪くない。また、アレキサンドリアに行く途中で寄った店屋さんで買った水はSIWAもAQUAもBARAKAもどれも1.5リットルで2.5ポンドだから約45円。朝食でよく食べられるコシャリが1ポンドだから約19円で朝食とはすごい。現地ガイドさんによるとガソリン1リットルが約50円で、これはアラブ諸国の中では高い方。高速道路はカイロからアレキサンドリアまで210キロの行程で約100円。米は1キロ約50円だそうな。(エジプトのお米はおいしいですよ。)
  ただこれでも観光客価格らしく我々はかなりボラれている様子。これだから外国人、特に日本人はお金持ちだと思われるかも知れない。(自分がお金持ちと思ったことは一度もないんだけど。)なにかというとバクシーシというのもわかる。もっともエジプト人の平均月収がサラリーマンで1万円から1万7千円というから、同等に比較できない。貧しい人は、かなりまずしいらしい。
  エジプト人にとってはこの物価は高いのかも知れない。

※最近、どこかで見た調査の結果によると、エジプトの物価の安さは204ヶ国中第6位だった。ホテルや食費が安いらしい。ちなみに日本は断トツの204ヶ国中204位。つまり一番物価が高い。旅行者に対するホテルやレストランの料金は物凄い高いらしい。まあ、エジプトは安いホテルで一泊100〜200円、食費は一食15円から、、、。

※以前は1エジプトポンドが日本円で30円ほどだったが、最近は1ポンドが16円ほどになっている。例えば1泊30ポンドのホテルだと、以前1000円程度だったものが今では480円ほどで宿泊できる。

  水は、いろいろな種類がありますが、ツアーで行く場合、多くのレストランやバスの中で販売する水はBARAKA(バラカ)が多い。これは硬いと言われていたが飲んだ感じはそうでもなかった。他にAQUAやSIWA、ネスレがあるがSIWAが一番のみやすい。街から離れると1.5リットルで2.5ポンド(約40〜45円)ほどだが、バスの中で売る水は0.75リットルで1ドル(約110円)とちょっと高い。でも、水は必需品だし、買いだめして、持ち運びに苦労するより、ちょっと高くても毎日その日の必要分を購入した方がいいかも。さらに1日に4リットルも5リットルも飲むとさすがに飽きてくる。ガブ飲みするとお腹に来る(らしい。)そのため、ポカリの粉末(日本から持参してもかさばらない)やお茶を持っていくとグー。ポカリは吸収もいいから、お腹にやさしい。味が嫌いだという人は個のみのスポーツドリンク粉末でも良い。ちなみにツアーだと、昼食のたびに水がサービスでついてくる。通常はレストランで食事をしても日本のように水は出ない。頼めば有料である。これが高い。 下に代表的な水と硬度を載せましたので参考にしてください。現地で水が心配な人はエビアンあたりを2〜3日飲んで試してみてはどうでしょう?ちなみに私は、エビアンはだめ〜。硬くて硬くてうまくないんだ〜。オエ〜。(好きな人ごめんなさい。)

※硬度一覧(100以下だと軟水)

   エジプトで代表的な水 → BARAKA 260 → 現地では数値ほどには硬く感じませんでしたが、、、。
                     AQUA 129 → これでも充分飲めます。
                     SIWA 60 → これは大変飲みやすい!です。
   日本で売られている  → エビアン 290 → 私、コレ、だめ〜。きら〜い。かた〜い。
                    六甲のおいしい水 84 → 名前の通りおいしいですよね。
                    ボルビック 50 → コンビニではいつもコレ買ってます。
                                 わたしボルビックだ〜いすき〜。
                    アルカリイオン水(富士の涌水) 47 → おーいしーい。
                    南アルプスの天然水 34  うんまーーい。

遺跡観光のチケット

  例えばエジプト考古学博館は、入場料約400円ミイラ展示室が約800円と高い。カイロ博物館だけで1200円の観光料。一見大した額ではないように思われるが、1日にあちこち見ると、1週間で相当な金額になる。ただこれも観光客料金のようでチケットには”TOURIST”と印字されている。ちなみに現地エジプト人は休日の金曜日は無料だそうな。うらやましいな。

ノーヤス〜イ!

  エジプト人は大変人なつこい。そしてここには悪い人は一人もいないのではないか?と思われるくらいみんなやさしい。日本人と見るとかならず手を振るし、ハロー、ハローと話し掛けてくる。そしてほとんどの人は英語が話せる。(アラビア語なまりだけど。)さらに日本人と見ると片言でも日本語で話し掛けてくるのがすごい。「コニチワ〜」「サヨナ〜ラ〜」はみんな使える。
  ただ、面白い日本語も多い。店屋さんを歩いているとあちこちから「ヤマモ〜トヤ〜マ」「イチポンド!」「ワンダラ〜」のあいさつ言葉が聞こえる。「ワンダラ〜」と言われて店に入るといきなり「テンダラ〜!」になったりする。面白いのは「ゼンブ、タ〜ダ〜」(おい、おい!おかしいよ)「ミルダ〜ケ、タ〜ダ」(そりゃそうだっ。)「ノーヤス〜イ!」(あの?間違ってるよ?)
 そう言えば「バザ〜ルでゴザ〜ル」は聞かなくなったな。

ベラミド?

  アラビア語混じりなのか英語に独特のクセがあって面白い。”R”の発音が強いため、例えば数字の14は”フォルティーン”。45は”フォルティファイブ”である。ナンバー1は”ナンバルワン”ボールペンをねだられる時は”ベンベン”。
  ご当地のピラミッドは世界各国共通の言葉かと思えば、これが”ベラミド”

エジプトでお買い物は根性!

  エジプトでお買い物する時は、時間がたっぷりないとつらい。商品に値札は一切ない。さらに日本人と見れば、まず5倍〜10倍でふっかけてくる。いかにも買いたい顔をして「ハウマッチ?」などと言おうものなら相手の術中にハマッてしまう。ハーン・ハリーリで、おみやげで有名なスカラベを買おうとしてお店に入ると、店員は「コーレハー、ロクジューポンド」。なにせ値札がないから相場がわからない。日本で買うなら別に高い値段でもない。でもここはエジプトだからなぁ。ガイドのアムルさんも「必ず3分の1くらいから値段交渉して下さい。言い値で買ってはいけません。」と言っていたしな、、60ポンドかー。よっし、思いきって、「5ポンドにして?(自分でもおいおいっ(笑))」と言うと「ノーノー、ロクジューポンド」。こりゃだめだ「じゃいいよ、ちがう店に行く。」と店から出ようとすると「チョット、マッテ、ヨンジューポンド」、、、おいおいっ!いきなり下がるの?(ん?待てよ?まだまだ下がるな。)、、、「いや高いよ、6ポンドにして(笑)」、、、、「ンー、チョット、マッテ、、、」とこれを何回か繰り返して30分かかって15ポンドで購入。これでも高く売れたんだろうな?いやぁ、それにしても疲れるというか、時間がかかる。実はこれ、大変おもしろい。エジプトでお買い物するときは相手の10分の1くらいの値段から交渉をスタートし「チョット、マッテ」攻撃を10回は覚悟しよう。ある程度限界に行くと下がらなくなるから。それでも高かったら隣の店で同じ物を売っている。

おばちゃんは歴史遺産よりショッピング?

  私は海外旅行が初めてで、エジプトに来たのはそもそも直接この目で見てみたかったためでので、おみやげやショッピングにはあまり関心がない。お買い物は日程の後半の方でハーン・ハリーリや空港あたりでいいかな?と思っていた。が、おばちゃん連中は違う。お買い物になると目が変る。7階建てのビル全体がショッピングモール(こんなお店ばかりの建物あるんですね。)やホテルのショッピングモール街を見つけると「わ〜。すばらしい!!」と興奮状態。しまいには「私は、明日の観光は行かないで、ここでお買い物してるわあ〜。ルンルン。」(おいおいっ。)大きなショッピング街ばかりではない。遺跡観光のたびに、フリータイムでちょっとでもお土産やさんを見つけると、パーっとそちらの方に一目散に飛んでいく。ただ、私はこの人達を否定的には見てない。人それぞれ価値観も違うし、本人の望む物がそこにあれば、神経はどうしてもそっちに行ってしまう。むしろ、そういう光景を見ると微笑ましい。そう言う私も帰りが近づくとトランクにしまいきれないほどのお買い物をしてしまった。さらに欲しい物があったのにもかかわらず、後で買おう!と思っているうちに買いそびれ「どうしてあの時根性で買っていなかったんだろう。ようし今度来た時かならず買おう!!」と再びエジプトに来る理由を作ってしまったのであった。

カイロの交通事情

  いや、カイロ市内は怖い。フリーの時間があったらレンタカーでも借りて「ちょっと市内をドライブしたいな?」(国際免許証自体はパスポートと免許証で簡単に取得できる。)と思ったりもしたが、カイロに到着した瞬間に「こりゃ、だめだー。あぶねー。おっかねー。」とあきらめるのであった。現地の人はどう思っているかわからないが、運転がすごい。制限時速などどいうものはない。車線はあることはあるが意味がない。信号はほとんどない。あっても誰も守らない。(怖〜!!)制限速度なし、車線変更いつでもOK。とにかく早い者勝ちの世界である。クラクションは鳴りっぱなし。あちこちでプップッー鳴っている。驚くのはその危険地帯の道路の真中を平気で人が横切ったり、馬車(ろば?)がのんびりカッポカッポ。「すげー!!」普通の日本人はまず道路を横断できない。ガーと突っ込んでくる車をチラッと見ながら、実に器用に1車線づつ横切って簡単に渡ってしまう。見てるこっちがヒヤヒヤする。ガイドさんいわく「事故は少ないです。みんな運転には気をつけてますから。」、、、、、、どこが??、、、いやあ、エジプトのドライバーや人には尊敬しちゃう。良く見るとぼっこぼっこになった車が多いんだけど?ラムセスヒルトンショッピングセンターでお買い物に行く途中事故に遭遇。例のごとく「プップッー」「プップッー」と鳴っている中で突然「プップーーーーーッ!(ガシャー〜ン)」。あっ、やった。一斉に回りが「オ〜〜ッ!◎▽×□!!、、」と言いながら人達が集まる。どちらの運転手も全然怪我はないようですぐ外に出てきたが、回りを取り囲む人の群集がすごい。きっとしばらく喧嘩したあとで「インシャッラー」で終わったんでないかな?

エジプト航空のスッチーさんは男性

  今回使用したエジプト航空の国内便のCAは男性だった。ま、離陸したら短時間であっと言う間に着陸するので(日本→ルクソールに18時間も19時間もかかったから、1、2時間はあっと言う間。)男性クルーでパパッと処理するのかも知れないが、お国柄だろうか?女性CAも搭乗しているのだが、機内サービスで見たことはない。もっぱら機内アナウンスで「○◎▽、、□×■△、、、、ショコラン!!」(笑)だけだった。たまに「○◎▽、、□×■△、、、、インッシャアッラー!」。おー、インッシャアッラー。予定通り着陸できるか墜落するかもインッシャアッラーか?ちなみに日本→ルクソ−ル、カイロ→日本は日本人キャビンアテンダント3名がいたせいもあるかも知れないが機内サービスは日本人女性を多くみかけた。たまにエジプト女性もくるが「おくに〜?おさか〜な?」と、一生懸命覚えた日本語も間違っている。でも意味通じるから大丈夫だよー。

トイレ

  行く前はエジプトのトイレ事情にちょっと心配だったが、3ケ所泊ったホテルは何も問題なかった。水のパワーも申し分ない。(ちなみにお風呂の方も完璧。ドライヤーも完備。)ところが観光に出るとトイレは異常にきたな〜い!きたないだけなら我慢するが、本当にぶっ壊れていて水が出ない。有名なショッピングモールや、空港内のトイレもこうだから、どうしてだろう?そう言えば、日本→ルクソールも離陸早々3つ故障中になったし、エジプトの人はあんまりトイレ故障には固執しないのかな?

洗濯物が異常に多い

  エジプト国内をバスで移動すると必ず目につくのが家のベランダやひもに多量にぶらさっがている洗濯物。その多さは半端じゃない。日本のように上品?に乾さない。ガバっとガバっと上に何層にも積んで乾している感じ。でも考えて見ると、すぐ乾くから乾いたものからどんどん回収すると問題ないのかな?

歩き方

  ご存知、○球の歩き方。これは非常に良い。出発前は観光予定の場所を何回も予習し、何十枚も付箋をつけて(貼りすぎて逆に探しにくくなったけど。)さらに旅が楽しくなるよう努力した。実際、この目で見ないことには100%は頭に入らないのだが、予習して行くのと行かないのでは、ガイドさんの話を聞いても理解度が雲泥の差になる。今回観光した遺跡、地図、道路、飛行機、国内事情、さらに宿泊したホテルがすべて網羅されているのには驚いた。また、帰って来た後は貴重な観光資料にもなる。(これらから海外に行く予定の方は、必ず現地のことを予習して行った方が満足度が違いますよ。勉強しすぎたくらいになっても大丈夫。それでも、現地に行くともっと勉強しておくんだったと感じると思います。)

カメラ・ビデオは無料に

  それこそ○球の歩き方には、カメラ10ポンド(約200円)、ビデオカメラに至っては100ポンド(約2000円!!)と恐ろしいことが書かれていた。それも遺跡に入場するたび毎回である。ところが行ってみるとカメラ、ビデオカメラはすべて無料。うれしい!!バンバン撮り放題の写し放題である。写真は200枚くらいと控えめだが、ビデオにはしっかり45時間分収録してきた。(これ結構な量です。毎日6〜7時間見ても1週間で終わりません。)
 
(参考までに)
 無料ですが禁止場所があります。ピラミッドの中はカメラもビデオもダメ。(これが悲しかった。)お墓の中はダメ。アレキサンドリアのコム・エル・シュカファのカタコンペ内部は写せません。王家の谷はビデオカメラがダメ。写真はOKだが、王墓の内部はダメ。軍事施設の多いアスワンハイダムはビデオがダメ。カメラは観光客は問題ない。考古学博物館はカメラもビデオもOKだが前からそうだったようにフラッシュはダメ。そのくらいかな?ちなみに人を写すときは注意しましょう。「写して。写して。」と言われて写してあげるとバクシーシです。なんでもかんでもバクシーシ。旅行後半には観光客同士「アスワンの砂、ハイ、センエン!」「タバコ1本、ハイ、センエン」と、冗談で言い合ううほど聞きなれました。

着替えはいらない

  洗濯物は、あっという間に乾きます。「現地で洗濯なんて、、、」と思う人もいるかも知れませんが、日本から持って行く荷物はかなりの量になります。準備の最初の段階はそうは思いませんが、これも必要あれも必要と思っていると知らないうちに、「あっ、もう入らない。」状態。靴下、下着類は3着くらいあればいいんじゃないかな?(現地で洗濯できる余裕があればです。)ホテルには、ハンガーやいろいろなものがあるので、お風呂で洗濯し、コーヒーを1杯飲んでいると早いときは15分もすると乾いちゃう。エジプトの各家庭で、どうしてあんなに洗濯物をガバーっと乾しているのか理解できる

エジプトの暑さ

  エジプトの暑さは日本の暑さと違う。暑いことは暑いのだが、同じ30℃でもエジプトの30℃は我慢できるが、日本の30℃は我慢しずらい。そんな感じ。もっと違う言い方をするとエジプトはどこかにちょっと逃げると25℃になるが、日本はどこに逃げても30℃は30℃。アフリカ人が面白いことを言っている。「暑さはアフリカの方が比較にならないほど暑い。しかし夕方になれば気温も下がる。日本は昼間暑い日は、夜になっても暑い。そんなに気温が下がらない。」なるほどー。でも40℃も50℃もあったら夕方になったら下がるとか、夜は過ごしやすいとかそんな状況じゃないと思うけどなぁ。直射日光にまともに当たると厳しい。そのため帽子・サングラスは必要で、さらに薄い上着を1着ていると、意外に涼しい。エジプト人が上から下までベローンと1枚につながっているガラベーヤを着ているのにはわかる。あの方がきっと涼しいのだ

言葉

  日本語しか話せなくとも、まず大丈夫。ほとんどの場所で英語が通じます。また、私みたいに単語を並べるだけの文法むちゃくちゃインチキ英語でも、相手は一生懸命理解しようとしてくれます。エジプト人の話す英語も、本場の英語と違い、本来母国言ではないので、非常にゆっくり聞きやすい英語です。アラビア語なまりの英語なので少し慣れが必要ですが。それがまたエジプトらしくて、いいんだなぁ。でも海外に出て初めて、英語は非常に大切だと痛感しました。日本人はもっと英語の重要性を理解しないと、いけないな。(と、自分のことを棚に上げて言う。)でもエジプト人は子供でも英語話す。そんな子供に「Do you speak English?」なんて聞かれたらガーン。思わずその場に崩れ落ちそうになります。街を歩くとあちらこちらからニコニコしながらエジプト人が近づいてきて「Do you speak English?」、、、よっぽどお話ししたいんだろうなぁ。私は自信をもって”No!”、、こりゃだめである。

ハーン・ハリーリ・バザール

  正確にはフランス語のように鼻にかけた発音で”カーン・カリーリ”と言うそうな?で、買い物の仕方は上のコメントで書いたので省略。バザールでのお買い物は、慣れれば非常に楽しい。お買い物をしなくとも、エジプト人とコミュニケーションをとっているだけで楽しくなる。ただ、迷路のように混み入ってるので注意しながら歩かないとちょっとまずい。もたもたしてると、店員の格好のエジキになってしまう。それから道幅が非常に狭い所もあるから要注意。幅が1メートルもない場所ではスリもいるらしい。また、同じような商品がすぐ隣にも置いてあるので、値段があまり下がらないようだったら違う店に行くことも重要。買い物をしなくとも店員はいやな顔はしませんから。ザンネンそうだけど、、。なによりも重要なのは時間。たっぷり時間をもって買い物したいがツアーだと厳しいか。実は、最初は不安がいっぱいだったが、行って見て非常に楽しかった。もっともっと時間が欲しいねえ。もし今度行けたらたっぷりの時間で、思う存分冷やかしたいね。(悪い意味ではなくて。)

ライン川下り??本当はナイル川クルーズ

  最終日の夜、クルーズ船ゴールデンファラオでディナーを終え、みんな階上のプロムナードに行き、船から見えるカイロ市内の夜景を楽しむ。この眺めが非常に美しい。ナイル川は大河としては川幅は広くないが、クルーズするには狭すぎるわけではない。ちょうど良い川幅。そのため360度夜景を楽しめる。宿泊ホテルのあるローダ島、カイロタワーのあるゲジーラ島。そしてカイロ市内の東岸とギザ市内の西岸。もう感動するくらい美しい眺めは長い時間見ていても全然飽きない。そして、それぞれの島を結ぶ橋の下を通るときはまた、感激もひとしお。同じようなクルーズ船が多数動いているので、それも絵になり、すれ違う時もまた楽しい。夜景を見ながら一人で感慨にひたり「うつくしいなあ、、、もっともっとエジプトにいたいなあ、、、明日帰国かあ、、」と思っていると、となりのご夫婦も感慨にひたっている。「美しいわね〜。」「あーきれいだ。」とご夫婦の会話。「これが、あの有名なライン川下りだっ!!」(?お、おとうさん?、、ちがうよ、、、)「あら、ナイル川下りよ、、、」(うーん、下ってばかりでないんだけどま、いいか。)美しければなんでもいい。一人一人が楽しめれば、それでいいのである。

添乗員とガイドさん

  実は私、大きな勘違いをしていた。常識的なことも知らないでエジプトに行こうと言うのだからひどい話。添乗員さんと言う言葉もガイドさんと言う言葉も知っていた。恥ずかしいのは現地に着くまで、添乗員=ガイドさんと思っていたのだから我ながら困った人。だから、現地に到着しバスの中で添乗員のHさんが「これから旅行期間中、最後までお世話になるガイドさんを紹介します。」と言った時は、一瞬良くわからなかった。その後バスの運転手さんの紹介、観光ポリスの紹介があって「わー、こんなに多くの人がいるんだー。添乗員さんだけじゃないんだー。」と思った次第。

信じられな〜い

 日本を出国しツアー初日は、参加者がお互いにどんな人かわからない。ほとんどの人がご夫婦などの2人ペアで参加しているので、そういう方々は少なくとも2人で会話できるためそんなに不安はない。中には3人家族で最初から楽しそうに会話している家族もいる。私は1人で参加しているのでその点が少し心配だった。ところがそんな心配は無用だった。添乗員さんが座席配置を考慮してくれたんだと思うが、新千歳を出発してすぐに私の隣の人(仮にOさん)も一人旅だとわかった。「お一人ですか?」と聞かれて「ええ、そうです。」と私。「そうですか。わたしは○○と申します。旅行期間中よろしくお願いします。」と丁重に挨拶を頂いた。「私の方こそよろしくお願い致します。なにせ私、海外は初めてて右も左もわかりませんから。」と言うと、Oさんは「いえいえ私こそ。私なんか、誰も一緒に行ってくれる人がいなくて、いつも一人旅ですよ。ハハ。」と元気が良い。なんだかんだ話しているうちに、エジプトに到着する前に既に仲良くなった。そのおじちゃまは結構お年寄りで、私とはかなり年齢差があるのだが、旅に年の差はほとんど関係ない。現地に着いてからも大変気を使ってくれる。レストランでは私より先にテーブルに着き「こっちこっち」とOさんの隣に席を確保してくれる。観光地では、まず自分のカメラで私を写してくれる。「帰国してから送るからね。」大変親切なおじちゃまだ。現地に着いてからは、観光しているうちにツアーの人達とも親しくなってくる。いろいろな人と話しているうちに、回りの方々は何回も旅行しているベテランの方々だとわかってくる。「今回はどうしてエジプトを選択したの?」と聞かれて、「エジプトしか考えていませんでした。死ぬまでに1度でいいからエジプトに来たかったんです。」と言うと、「ほー、それならいつ死んでもいいなぁ。はっは。」と言ってみんなで笑っている。(なぜこんな話題で盛りあがるのかわからないが。)「他にどこの国に行ったことがあるの?」と聞かれて「いえ、ここが初めてです。今まで日本から出たことはありません。」と言うと、「えー?初めてー?信じられな〜い。」とまた盛りあがっている。(なぜ盛りあがっているのか全く不明である。)たぶん、世代の違いだと思う。このツアーでは私は、たぶん添乗員さんの次に若い。他の参加者はふた周り以上も違う。還暦を過ぎている方も多いし、中には喜寿を超えている方もいる。それにしてもみんな元気である。でも、ツアーの方々はみなさん大変良い方で食事中の会話は実に楽しい。会話のレベルは添乗員さんと話している方が年が近く話しやすいのだが、こういう日本から離れた土地でいろいろな年代の方々と会話できること自体が楽しい。中にはどこかの社長さんや偉い方もいるようだが、ここに来たら身分も何もない。パスポ−トだけが日本国民を証明する唯一の身分証明書であると同時に、みんなただの観光客である。話は戻ってOさん。実に良い方で、帰国した後もOさんが写した写真を何枚も送ってくれるし、手紙も何度も送ってくれる。こんな手紙をもらった。「今回はありがとう。楽しい旅になりました。いつも一人旅で寂しい思いをすることも多々あります。以前は友人と旅行をしていたものの、今はその友人もリウマチで動けなくなり、最近はもっぱら一人旅。ひとつお願いがあるのですが、旅に出られなくなった友人に見せたいのでビデオをダビングしてもらえないだろうか?いつの日か旅先でいっしょになった時は、またよろしくお願いします。」と手紙をもらった。当然、ダビングして送付する。毎日数時間見ても一週間以上かかるよー。いっしょに見てねー。

旅のベテラン

  今回のツアーで一緒になった女性。この女性はけっこう年配で実は旅のベテラン。エジプトは初めてだそうだが今回で14回目の海外旅行になるらしい。「す、すごい14回も海外を旅行しているんですか?うらやましいですね。今までに行った国で、どこが一番感動しましたか?」と聞く。ヨーロッパかアメリカかどこかな?と思っていると予想外の返答が返って来る。「訪問した国はすべ思い出に残っています。どこが一番ということはないです。今はエジプトに来ているのでこの国に一番感動しています。エジプトでの時間を楽しみましょう。」という返答。複数海外旅行をしているのに全然そう思わせない。本当に旅行を楽しんでいる顔をしている。逆に「今回の旅行中どこに一番行きたいですか?」と質問される。私は「もう、エジプトはすばらしくてすばらしくて全部です!とにかく全部です!バスから見える風景だけでも充分感動しています!」と答える。するとその女性も「私も全部です。観光ももちろん楽しいですが、ホテルでの朝食も楽しいし、ホテルで見るテレビも楽しい。」なるほどー。この女性は旅行そのものが楽しいんだ。良かったね。エジプトに来て。そしてこの女性の凄いのは、常に自分のペースで休憩を上手に取れること。飛行機に乗ると5分もいしないうちにスースー寝息を立てて寝ている。バスに乗り、次の目的地に行く時間でもスースー寝る。あー、お年寄りだからこうして自分の体調を管理しながらマイペースで行動しているんだな。私の方は、初日からとにかく興奮状態で、移動するバスも飛行機も全部観光時間と思っているせいか、この目と頭に全部記憶しようとするせいか朝からビデオ回しっぱなしの写真取りまくりである。疲れは多少出るが夜寝ればなんとかなる。なにで初めてだし、憧れのエジプトだし、自分が観光を楽しめればそれでいいと思っている。横でスースー寝ている女性の分も機内のおやつのオレンジジュースを取ってあげる。着陸したらあげるね。

困ったお客さん (怒ったぞー。プンプーン。)

 複数回海外旅行をしている人の中には旅も慣れてきて、けっこう旅行通になったつもりで、いやがる添乗員さんをかったり(わたしこういう人嫌だなぁ。)、或いは「自分の方が、ガイドより詳しい!」と豪語してガイドさんそっちのけで解説をする困ったおいちゃんもいる。(これも嫌だなぁ。)こちらが不愉快になる時もある。 
 私みたいにエジプトに興味を持って来てる人や、初めての観光客もいる。私なんか、なんでもかんでも感動している。エジプトの空気を吸ってるだけで感動。でも、このおいちゃんはひたすら我が道を行く。「屋根もない石の神殿なんか見たってなー。美しさはノイシュバンシュタイン城には勝てないなー。」って何よ?それ?ここはエジプトだよ?うるさいなぁ。
 せっかくガイドさんがラムセス2世やトトメス1世の話をしているのに聞こえないしょー。プンプーン。私はガイドさんの話しをじっくり聞きたいんだけどー。でも、全く興味のないおいちゃんは「はるか昔に死んだ人の話を聞いてもしょうがないしなー。」、、、、。
 でも、、、私はそれが聞きたいんです、、、。(私はガイドさんのお話を聞きたいのに、どうしてじゃまするんだろう?)
おいちゃんのヨーロッパ自慢話なんか聞きたくないのだーっ。、、、、「パリのノートルダム大聖堂は、、、」、、、まだ言ってるし、、、

 で、違う日。食事になると、ご婦人もけっこううるさい。日本食のレストランに入った時。「おーっ、久しぶりの日本食だーっ。お茶もおいしーい。テンプラもうんま〜い。サバの塩焼きが最高ーっ。」と感動しながら食べていると、「こんなのはテンプラとは申しませんっ!お茶も出がらしですっ!そもそもテンプラと言うのは、、、」と文句を言いながら食べているご婦人。見かねたご主人が「まあまあ、やめなさい、ここでは、、、」と言っているがご婦人は収まらない。「わたくし10数回海外を旅行してますが、こんなのははじめて、、、」としまいには何も知らないエジプト店員さんに日本語で説教している。(何回も海外旅行している人は偉いのか?なんか勘違いしていないか?)さらにカウンターの鮨ネタを見て帰って来るなり「あそこにあるタコの足は食べられません!生きが悪くて、、、」、、、、、「食えないなら食わなきゃいいだろ。」と小さな声で言ってる他の夫婦がおかしい。思わず笑ってしまう。
 そうだねー。ここはエジプトだからねー。日本食と言っても完璧には無理だと思うよー。私なんか充分うまいよー。ここで日本食を食べられるだけでも感動しているよ。うんま〜い。そもそも、お食事は感謝して食べなくちゃ〜。
 

ホテルの自室

 ホテルの自室に入ると、最初にやることは決まっている。コンセントを捜し、Cタイプの変換プラグをつなぎ、220Vから100Vの変圧器をつなぎ、延長コードをつないで、まずビデオ本体の充電、さらに予備バッテリの充電。携帯電話に充電し、ポットにミネラルウォーターを入れてお湯を沸かす。ビデオ本体と予備のバッテリ4個はホテルに帰るとほとんど空になっている。1個充電するのにけっこう時間がかかる(90分程度)ので、ホテルにいるうちに充電しないと次の日の観光が悲しいことになる。なにせ、毎日朝からビデオ回しっぱなしで撮影している。1時間半から2時間でバッテリを交換する。ホテルに帰ると最後のバッテリが残っているか残っていないかというギリギリの状態。1日中撮影していると言っても、本人はあまり撮影に集中しているわけでもない。ビデオ本体は、体に固定するとその瞬間から撮影を忘れて観光に集中。肩からぶら下げて前方に向けているだけでも、勝手にきれいに撮ってくれる。最近のビデオは”ブレ防止”機能が優秀に働き、歩く程度の振動ではブレない。走るとさすがにブレるが観光しながら走ることはまずない。(迷って出口を捜している時くらいか(笑))見知らぬ土地の水道水はさすがに怖くて飲まない。ポットのお湯が沸いたら暑いレモンティーを飲みながらバルコニーに出て、のんびり夜景を見ていると非常に落ちつく。ゆらゆら揺れるナイル川や市内のネオンの明かり、車のクラクションをきいているとこの街はいつ眠るのだろう?と思ってしまう。深夜でも車の喧騒はやまない。

ダッファシューォ

  エジプト人の会話は、慣れないうちは怒りながらどなりあっているようで、聞いていて怖い。腹の底からはっきり声を出すのでそう聞こえるだけで、慣れてくると心地よいBGMのようなリズム感もある。”R”の発音が強いと言うクセもある。ピラミッドは”ベラミド!”、14は”フォルティーン”。(私なんか、すぐ影響を受けやすいので日本に帰ってきても「ショコラン」とか「フォルティーン」とか「ナンバルワン」とか意味なく口走っている。)ある日バスの運転手さんが、ガイドさんと会話しながら「ダッファシューォ?」とか言ってる。ほどなく屈折ピラミッドが見えて「おーあれは、有名な屈折ピラミッド!!」、、、、そうか運転手さんは”ダハシュール”と言っってたんだ。日本に帰って来てから、意味なく「ダッファシューォ、ダッファシューォ。」と言ってる毎日である。

迷った場所

 私は結構、方向音痴である。その事実は親戚中に知れ渡っている。初めて行く店には、私の運転する車に乗りたがらない。最短距離でたどり着けないばかりではなく、本当にたどり着けないことも多々あるからである。そのためか、いやあ迷った迷った。「ツアーだからみんなと一緒だし、迷うはずがない。」と思っていたが、四六時中一緒に行動しているわけではない。大きく迷ったのが”エジプト考古学博物館”と”カルナック神殿”。この二つは私にとっては驚異の広さ。先天的に方向感覚の良い人は何も問題ないんだと思うが、、、、さらに、大きな声では言えないが、小さく迷った場所もある。それは”宿泊したホテル内”と”観光から戻る際の”バスの場所”。ホテルは私にとっては広すぎるロビー。右を見ると銀行。さらに右がショッピングモール街への入り口(セキュリティチェック)、さらに右を見ると館内レストラン。興味本位に買い物をするわけでもないのにショッピング街に入ると網の目のような配置に戸惑う。見るだけならまだいいが、さらに下に降り、そしてさらに下に降り、、、まだショッピングモール。気づくと帰りが冷や汗ものになる。自分の乗るバスも捜すのがけっこうつらい。同じようなバスがズラーッとならび、集合場所がバスだったりすると、これまた焦る。途中から気づいたのだが、バスを捜すのではなく、一緒のツアーの人を捜すことにした。これなら安心。バスまで自動的に連れていってくれる。(ということは、他の人はぜんぜん迷っていない?、、、)

警報機鳴り放題

 ここ数年は観光客に影響を及ぼすようなテロ行為はないというものの、エジプト国内にいわゆる危険地帯は多い。未だに立ち入れな場所も多いし、ルクソールからアスワンまで飛行機で飛ぶならともかく、陸路で行くとなると、大変である。記憶が新しい過去には、ハトシェプスト女王葬祭殿で大きな惨事を招いている。そのため、エジプト政府は観光客の保護と、テロ関係の未然の防止に大変、力を注いでいる。あらゆる観光場所やホテルの出入りには厳重なセキュリティチュック働いている。だが、しかし、ホテル入り口にある金属探知機(と思われる)が四六時中「ビービービービー」鳴りっぱなしである。こちらは鳴るたびにヒヤヒヤするが、管理する人の顔色にはまったく変化がない。まあ、金属探知機を接地しているだけでも抑止効果はあると思うが、「ビッビッー鳴りっぱなしで、これでいいのかなあ?」と思った次第。

「おかーねも、ぎじゅーつもない」

 アスワン・ハイ・ダム観光時の話。当時のナセル大統領の英断で、深刻な電力不足と、ナイル川の氾濫を同時に解決する一石二鳥の世紀の大工事が計画された。実際、現地で見ると、確かに1970年の技術とは思えないほど巨大で、すばらしい建造物である。その建築に交わるエピソードを現地ガイドさんが一生懸命ガイドする。計画自体は確かにすばらしいものだが、いざ建築するとなると「当時のエジプトには”おかーね”も”ぎじゅ−つ”もない。」らしい。結局、ドイツが設計(だったかな?)し、ロシアが工事(だったかな?)したといういきさつを聞きながら、ガイドさんのその言葉に妙に感動した。

エジプト考古学博物館

 エジプトが世界に誇る、巨大博物館。展示物は12万点とも20万点とも言われ、それでも毎日増え続け、置き場がなくて、「ただの倉庫」だとかなんとか言われているが、実際今回訪れて、正直大変感動した。確かに倉庫状態になっている部分がある。ただ無造作に置かれている雰囲気もある。しかし、しかし、エジプト7000年の歴史がここに凝縮されている、と思うとその感動は半端ではない。本当に感動する。今回ツアーだったため思ったように時間が取れず、じっくり鑑賞できなかったが、余裕があるのであれば、ここで2日間滞在しても良いと思うほどである。時間はいくらあっても足りない。また、行く前に聞かされていた通り、会館内は、遺跡保護の目的もあるかと思うが本当に暗い。でも、それもエジプト考古学博物館の特徴だと思えば納得する。

貴重な遺跡の海外流出

 ナポレオンの「エジプト誌」以降一気に世界の注目を浴びたエジプトには、先を争うように探検家、冒険家、古美術商、学者が押し寄せた。その結果エジプトの貴重な遺産である遺跡類は、純粋に学術的な見地から国外に運び出されたり、単なるコレクション収集家の趣味で持ち出されたり、とにかく膨大な歴史遺産がエジプト国内に流出してしまった。当時まだエジプト考古庁もなく、自国の保護政策を取っていなかったエジプトにとって、ただ黙って自国の財産が減っていくのを見ているだけだった。(当時のエジプト自体もあまり感心を示していないのも大きい。あちらこちらにある遺跡類もしっかり監督するでもなく、ただ放りっぱなしの感もあった。)当時のエジプト国内では、時の流れの中で遺跡類がどんどん侵食・風化していた状況もあり、海外に運び出されたために逆にしっかり管理されることになった面もある。(そのため現在でも他国の博物館などでしっかりエジプト文明を実感できる。)しかし、観光しながら現地ガイドさんの話を聞いて悲しくなることもしばしばあった。例えばカイロ博物館でロゼッタ・ストーンのコピーの前では、歴史的な背景やヒエログリフ解読のドラマを普通に解説する。そのあと原石は「大英博物館(British Museum)」にあるという一言がどうも寂しそうなのである。そのあと「ストーン原石を一度でいいから貸して欲しいと頼んだが断られた」と話しは続く。イギリスは「エジプトに貸すと二度と帰って来ない。」と言われたと寂しそうに話す。ロゼッタ・ストーンの原石の”帰って来る来ない”の話しを聞くと、いったい本来どこの持ち物なんだ??と考えてしまう。(ガイドさんは決して非難めいた話し方はしない。聞いている私がそう思っただけ。)さらに「ツタンカーメンの黄金のマスクも二度と日本には貸さない」(一度エジプト展で日本に来ている。有名な一人30秒で、、、の時。)と言う。一度貸し出した時に、本物と見間違うほどのそっくりのコピーを作られ、その技術に驚いたエジプトが「今度貸し出すと、精巧なコピーの方を返してくる。」と怖がっていると言う。歴史は、エジプト国民をそのまで神経質にさせてしまったのだろうか?

”黄金のマスク”は大きい?小さい?

 実際に”黄金のマスク”を見た人はどう思っているのであろうか?想像していたより大きいかったのか、小さかったのか、、、。私の感想はズバリ”予想していたより小さい。”という感想。だから黄金のマスクの価値が下がったという意味ではない。逆にその存在は以前より増して大きい。行く前は写真や映像で何度も見ているので、ある程度の大きさを頭の中に想像していた。しかしプロが撮影するからそう見えるのか、もっと大きな物体だと思っていた。感想は、思ったより小さいであったが、感動は大きなものがあり、ずっーとマスクの部屋から離れたくなかった。真正面から”じーっ”と5分くらい見ていると「そーんなに見ていて飽きないですかぁ〜?」と聞かれる。飽きるどころの問題ではない。日本に持って帰りたいくらいである。(そりゃそうだー。)でもみんな、そんなに”じーっ”と長く見ている人はいない。写真を1〜2枚撮るともう部屋を出る人も多い。え?もう一生見られないかも知れないんだよ? この目に焼き付けておかないと。でも、本当にすばらしいなあぁ。
 何を隠そう、2004年の2月29日(日)エジプト考古学博物館2階の最深部第3号室(いわゆる黄金のマスクのある部屋)から最後に出た観光客は”私”である。エヘン、プイプイ!それも係員に閉館時間だと告げられなければ、まだいくらでもその部屋にいたはずだ。回りを見ると私以外に観光客の姿がない、、、、ちょっと怖い、、、私が部屋を出た瞬間に部屋の鉄格子が閉められ鍵かかけられた。係員の無情な「グッバイ」という言葉が妙に寂しかったが、私は満足感でいっぱい。「サンキュー、さようなら!」と係員と握手を交わした後、しばらく鉄格子をつかんで、外から黄金のマスクを眺めていた。そのくらい強烈なインパクトがあった。さすがに係員は、その場から追い返すようなことはしない。ニコニコ笑って見ていてくれた。

スイスナイフに注意

  ※

航空機の離着陸時は写真ダメ

  ※ 

マミールーム(ミイラ展示室)は撮影厳禁

  ※

余り物は現地ガイドさんに

 【おまけ】コーナーにも紹介しましたが、海外が初めてなこともあって日本からあれもこれも結構な荷物を持参。実は、荷物については、妹から少なめに持って行く様に助言をもらっていたにも関わらず出発前からパンパン状態。それでも出発前日にかなり減らしたような次第。私の妹、実は海外旅行のベテラン。既に十数カ国海外を旅行し、エジプトも1度観光している。うらやましいなぁ。で、「帰りはおみやげでいっぱいになるから、スーツケースの中身は半分くらいにした方がいいよ。」と助言をもらっていたが、「そんなにおみやげは買わないし、入らなければ手で持って来るから大丈夫。」と言った私がバカだった。案の条、妹の心配した通りになった。当初あまりお買い物はしない予定だったのだが、観光初日から「このくらいは買ってもいいだろう。」と買っているうちにルクソールでは「これも一つくらいいいだろう。」、、、アスワンでは「これも」、、、カイロでは「これも」、、、さらに「これも」と言っているうちに帰国前夜にはどう頑張ってもスーツケースに入らない。入らないのは、まぁいいとして、手にも持参し切れない。「うーむむ。困ったぞー。」スーツケースの中身は、衣類だけでかなりの量になり、減らすにも限界がある。せっかく日本で購入した湯沸しポットは捨てるにはもったいないしなぁ。まずはホテルのポーターさんやベットメーキングさんに食べ物、飲み物をプレゼント。でも全然減らない。それで最後は一週間お世話になった現地ガイドの秀才アムルさんにプレゼントすることにした。アムルさんの奥様は実は日本人。だから日本の物はきっとうれしいに違いない。と勝手に思いこみ、日本から持参した大きな袋にあれもこれも入れる。「まずは機内でもらった新聞でしょ。日本語書いているから喜ぶね。余ったボールペン40本(いったい何本持っていったんだーっ。)明治のミルクチョコレートにキットカットのチョコレート。食べなかったおかゆのレトルトパック。」見る見るスーツケースに隙間が空いていく。おかゆのパックだけでも6袋あるから、結構場所をとっていた。余ったポカリと余ったレモンティー。さらに余った湿布薬(おいおいっ。)に使わなかった冷えピタ(おいおいっ、そんなのまで。)あとはなにがなんだかわからないがとにかく余った物を全部袋に詰め込む。で、隙間ができたスーツにおみやげ類を入れると、なんとまだ入り切らない。まぁ、いっかー。後は手荷物で機内に持ちこもう。結局大きなスーツケース1個とショルダーバック1個、手荷物のバック1個とガイドさんに巨大なおみやげ1袋。わー、これでもいっぱいだ〜っ。次の日カイロ空港で最後の別れ。アムルさんに別れの言葉と感謝を込め大きな袋をプレゼント。「使えない物もいっぱいありますが、これ使って下さい。(どういう日本語だ〜っ。)」とアムルさんより下手な日本語で大きな袋を手渡す。「いーえいーえ、よーろこんでいただまーす。どーもありがとごーざいまーす。」と大変感謝された。「ガイドさんへ感謝と、大きな感動を与えてくれたこのエジプトへの感謝を込めていっぱい入ってますよー。」

飛行機の中

 もうとにかく”ひま、ひま、ひまーっ”です。所構わず眠れる人は別に苦にならないかも知れないが、縦横数十cmのわずかなスペースに18時間も19時間も”じっ”としているのは私にはとても地獄。明るいうちの最初の3〜4時間は楽しくて楽しくてルンッルンッだったですが、暗くなりシールドも閉めてから、一気に寂しく、ひまになります。ビデオを写したり音楽を聴いたり理解不能の映画もさすがに飽きる。となりのOさんも寝てしまうし、、、。くつろげる休憩所も遊び場もないので、後ろのラバトリー付近で運動しながら、延べ5〜6時間は席から離れていた記憶がある。でも帰りの12時間は”あっ”という間。人間の感覚というものはどうもいいかげんなもんですね。そして、あの苦しみはすっかり忘れてしまっている。「また行きたい、また行きたい。いや必ず行くんだーっ。」と思ってる次第。さらに機内は、気圧も低く乾燥してるため注意するよう聞いたが、乾燥はそんなに苦にならない。驚いたのが気圧。帰りのゴビ砂漠あたりで飲み干したお茶のペットボトルを、そのまま前の座席に挟んでおいたら、千歳空港に着陸した時には”ベーッコリ”へこんで小さくなってる。機内では実感しないが、気圧は確かに低くなっているんですね。そして、予想外に焦ったのが足のむくみ。最初はスリッパでパタパタくつろいでいたが、それもめんどうになり裸足に。長い長い19時間のフライトも終了し、ルクソール空港に降りようとしたら、なんと!靴が履けない。ガーン。「やばい、どうしよう(汗)。」ここまま裸足で降りようかと思ったくらい。足がでぶちゃんになっていたのだ。でも、帰りはそんなことにならなかったなぁ。席にじっとしてないで動き回ったのがいけなかったのかな?

エジプトの家はわざと未完成に

 もちろん完成している家も多い。しかし郊外に離れると鉄筋がニョッキンニョッキンむき出しで、いかにもまだ未完成です、という家が多い。ガイドさんの話ではわざと未完成にしているとのこと、、、、え?
 というのも未完成の家には、なんと税金がかからないらしい。ほーっ。結婚して家族が増えたり、子供が大きくなって上の階を増築できるようにわざと鉄筋むき出しらしい。そして増築した後は、さらに上は鉄筋むき出しで残しておいて、、、
 すごいなこれは。それなら全部未完成の家かと言うとそうでもない。なんでだろう?

アラビックムージックお薦め

  ※

イスラム教(イスラーム)

 日本にいるときは、なんだか”怪しい?”宗教の1つに感じていたが、ほんの1週間現地で生活しただけで、ずいぶん親しみのある存在になった。もちろん怪しいものでもなんでもない。エジプト国民の大多数を占める宗教でその信仰度合いは半端なものではない。(逆に、普段意識もしていないで冠婚葬祭の時だけ出てくる日本の仏教信仰の方が神社も含めてとっても怪しい。)
 その、イスラームの信仰を支える5つの柱というのがある(信仰5行)。恥ずかしい話、現地に行くまでは全く興味のなかったものだが、不思議と毎日顔を合わせる?存在になると興味津々の存在になってくる。なにせ朝から”アザーン”の世界である。
 その5つとは、、、、
  1つ目 信仰告白(シャハーダというらしい。) 「アラーの他に神はなく、ムハンマドは、、」と言う決り文句。
  2つ目 礼拝。(1日で義務付けられている礼拝は5回。夜明け前・正午・午後・日没・夜半)
  3つ目 喜捨(富んでいる者は貧しいものに恵む義務がある。バクシーシもその一つ。)
  4つ目 断食。(ラマダーンの月は有名ですね。)
  5つ目 巡礼。(余裕のある人は一生に一度メッカに巡礼する。)
 ちなみにアザーンは、2つ目の礼拝のお誘い。「お祈りに行くんだよ〜。」みたいなもの。
 3つ目の喜捨について、バクシーシについてはあちこちで書かれているが、エジプト人はどうも誤解しているか拡大解釈している感じがする。日本人は富める人々の集まりだと思われているみたいで、あっちに行ってもこっちに行っても「バクシーシ、バクシーシ」。ちょっと疲れるかなぁ。

クイズ番組の景品

 エジプトでもテレビの娯楽番組でクイズ番組があるそうだ。(そりゃそうか。) で、その番組の景品でみんなに喜ばれるのがメッカの巡礼”。なんせメッカに巡礼するには高額のお金が必要で富める人しか行けないようだから、巡礼セット一式が当たると大喜びらしい。日本だと”世界一周の旅”が2〜3回当たったようなものか。(今は円も高いし。)

HOME