コム・エル・ディッカの円形劇場 (ローマ円形劇場)

地中海に位置するエジプト第二の大都市アレキサンドリア。
その中心街のマスル駅(ミスル駅)のすぐ近くにあるローマ円形劇場。
コム・エル・ディッカの丘にあるためコム・エル・ディッカ円形劇場とも呼ばれる。
ローマ時代の2世紀ころ建造されたといわれるエジプトに現存する唯一の円形劇場である。
当時の落書きも残っている。

花崗岩の柱は南のアスワンから、大理石の柱はローマから持ってきたというから力が入っている。

マスル駅から本当にすぐ近くにある。

先ほどまで雨が降っていて、手前の板の部分が濡れている。
800人収容の円形劇場。

同じ敷地内にはローマ式の大浴場もある。

昨年はここを訪れなかったが、今回ここに来て実際に円形劇場の中央に立ってみて実際驚いた。
というのは昨年、テレビで見た映像の中で女優の仲間由起恵さんがこの【ローマ劇場】で感動していた場面があったから。

テレビの映像で、仲間さんはまずステージの中央を示す丸い石の上に立つ。
仲間さんは、その石の上に立って「ア〜・・・クレオパトラよ!」と声を発する。
次の瞬間驚いた表情とともに「お−っすごーい」という一言。

何がどう凄いのか? その雰囲気を知りたい方、映像はこちら。 ⇒ roman02.wmv 781KB(約28秒)

「自分の声が・・・マイクも何も通していないんですけど・・・すぐ目の前に見える石にぶつかって返ってきますね。」
と感動してスタッフに話しかけている。
さらに「すっごいですよ!このつくりは!」と興奮気味。
「すっごい響く・・・これを作るのは大変ですよ。2000年前に。」
「これはすごいですよ。」と大感動。

・・・そんなに感動する場所なのか・・・
・・・じゃ、今度もし行く機会があれば行ってみよう・・・と思った記憶がある。

で今回、実際にステージの中央にある丸い石の上に立って、私も「ア〜・・・クレオパトラよ!」(笑)
「わ・わ・わー。す・す・す・すごーいっ。」
仲間さんの感動の意味が初めてわかった。

たとえて言うと、
お風呂の中で声を出して響くようなあの感じ。
或いは高い山の上から急に降りてきて気圧の関係で耳が変になった時に、自分の耳の中で声が反響する感じ。

「おーすごい、すごい、すごい」と感動していると日本から来ていたおじちゃんが一言。
「この手の円形劇場はねぇ。もともとこういう作りになってるものだ。」
「イタリアの方がすごいよ。エジプトのはいまいちだねぇ。」

・・・しょぼ〜ん。
(私にとってイタリアはどうでもいいのに・・・。今この時間に感動しているのに・・・。)

すぐまわりはアレキアサンドリアの中心街だ。

この場所だけコム・エル・ディッカという丘になっている。
丘の中央が掘られて円形劇場になっている。

まわりはきれいな植物でいっぱい。

1月だというのにさすがにエジプト。

どこからともなく突然現れた警備員。
「ガイドしてあげるよ」とか「日本人?日本人?」さらには「写真撮ってあげる。」
としつこいしつこい。私は、遺跡をじっくり見たいんだけどなぁ。

そのうち右手の指をもしょもしょして「バクシーシ、バクシーシ」が始まった。
「なんで、あんたにバクシーシあげんとならんのじゃい?」
「ちゃんと自分の仕事せい!」と日本語で応戦する。
あー、でもバクシーシは副業か・・・。いかにもエジプトらしい。

ま、それはいいとして・・・
観光客の誰一人として”すり鉢状”のメインステージまで降りてこない。
みんな丘の上で止まっている。
どうも変だなぁ??

ひょっとして・・・ここ・・・立ち入り禁止????

で、その昨年見た【テレビ映像より】キャプチャー画像
  
 当時はまだこのローマ劇場に行ったことはなかったので、下のテレビの番組を見て、
 「実際は、仲間さんのようにそんなに感動するかなぁ・・・」と思っていた。
 そして実際、感動した。

1.   2.   3.

1. コム・エル・ディッカの円形劇場の中央に立つ女優の仲間由起恵さん。
2. 中央に立つ位置は決まっている。このように丸い石の円盤が地面に埋め込まれている。
3. 声の反響に非常に驚く仲間由起恵さん。

4.   5.

4. 800人収容できたと言われる円形劇場。2000年も前のこの劇場には指定席もある。
   その指定席に座る仲間由起恵さん。
5. はるか2000年前を想像しているのか、感慨にふける仲間さん。

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