編集後記

サボテン
しゃぼてん通信
2015年6月5日更新

編集後記





ことばを必要としたのは現代音楽や即興演奏だけではない。
そもそも音楽はことばでできており、
仮に古典派の聴取に膨大な量のそれを必要としたとするなら、
わざわざ《4分33秒》の例をだすまでもなく、
その後の音楽はすべてことばによって支えられている。
それは無関係とされがちな大衆音楽においてすら例外ではないだろう。
われわれはことばを聞いているのだ。
そして、そのことばによって音楽が認知されうるかぎりは、
音楽が鳴るのを聞いて終わりにすることはできない。
『しゃぼてん通信』の動機はそれに尽きる。

今号の執筆者の工藤冬里さんと杉本拓さんは、それぞれ、
サボテン書房にて単行本を制作/計画中のよしみ、ということで参加していただいた。
(工藤さんは目下作業中のため、書き下ろしは依頼しなかった)
「対談」の若尾裕さんは、
小社唯一の刊行物である『親のための新しい音楽の教科書』の著者である。
その宣伝も兼ねてソレっぽい企画をと、
近年、聴取の微分法とも呼びうる領野を
開拓されている細馬宏通さんをお招きした。

浜田淳(サボテン書房)



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