ひ と こ と 門田宗朋
◆ お茶会再開 =令和5年3月19日=
いろいろなお茶会が再開されるようです。新型コロナの影響で中止が続きました。まだ完全に元通りとはいかないかもしれませんが、催されることはうれしい限りです。
◆ 展覧会「京(みやこ)に生きる文化 茶の湯」
=令和4年10月4日=
京都国立博物館で、展覧会「京(みやこ)に生きる文化 茶の湯」が開かれます。会期は10月8日(土)〜12月4日(日)。ホームページには「各時代の名品を通して、京都を中心とした茶の湯文化を紹介します。連綿と守り継がれてきた茶の湯の歴史と、茶人たちの美意識の粋を感じていただければ幸いです」とあります。表千家家元から千利休画像はじめ主だった道具が出展されるとのと、素晴らしい品々との出会いが楽しみです。
◆ 展覧会「江岑宗左と千家茶道の確立」
=令和4年10月4日=
同じく10月8日から、表千家北山会館で「三千家のはじまり 江岑宗左と千家茶道の確立」という特別展が開かれます。江岑は千利休の孫、元伯宗旦の三男で、表千家不審庵の基盤を築きました。兄の一翁宗守は武者小路千家官休庵、弟の仙叟宗室は裏千家今日庵の基礎を築き、利休の道統を今日に伝える三千家が成立しました。今回江岑にちなんだお道具などが展示されます。
◆ 「千里同風」 =令和4年5月24日=
昨日、岸田文雄内閣総理大臣が訪日中のバイデン米国大統領をお招きになった折りに、夫人のお点前による茶席が設けられました。写真を見ると「千里同風」の掛物が。禅語としては、たとえ千里離れた土地でも同じ風が吹いている。たとえどれほど離れていても心と心は通じ合っている、という意味。一般的には、天下泰平だという解釈も。掛軸の言葉は、その席のメインテーマです。吟味されたことでしょう。
◆ NHK趣味どきっ!で茶の湯表千家放送
=令和4年1月31日=
NHK Eテレの趣味どきっ!で茶の湯表千家「掃径迎良友」が放送されます。本日夜から7回。タイトルは、「みちをはきてりょうゆうをむかえる」と読み、道を掃き清めて良き友を迎えるという意味。おいしいお茶を差し上げるためにはどのような心配りが必要かということが学べるようです。
◆ 表千家北山会館 動画配信 =令和4年1月14日=
新型コロナの影響で、いろいろなお茶会が中止になっています。残念にお思いの方にお勧め。「表千家北山会館」のホームページでは、お茶会の様子などの動画が配信されています。どなたでもご覧になれますので、ぜひお茶会気分を味わってください。
◆ 花びら餅 =令和4年1月14日=
表千家の初釜のお菓子は常磐饅頭(ときわまんじゅう)で、例年お稽古でもそれに倣っていますが、今年は裏千家で使われている花びら餅にいたしました。ごぼうと白味噌餡を餅や求肥で包んだもので、いつもお世話になっている猪名川本舗・上政製。ぽってりとしていて華やか。明るい1年を望みながらいただきました。
◆ お稽古再開 =令和3年10月=
緊急事態宣言が解除されましたので、お稽古を再開いたしました。まだ完全にはコロナ前に戻りませんが、ホッとしたひと時を過ごすことができました。
◆ お稽古休止 =令和3年8月
兵庫県にまたまた緊急事態宣言が発令されていますので、教室はお休みしております。見学をご希望されている方には、宣言が解除されて教室再開が決まりましたらご連絡さしあげます。その旨メールでお知らせください。
◆ 「閑坐聴松風」=令和3年6月25日=
緊急事態宣言が発令されていましたので、しばらく教室をお休みしておりましたが、昨日再開いたしました。床には「閑坐聴松風」(かんざしてしょうふうをきく)。釜の前に座ってお茶を点て、静かにお抹茶を味わうと、少し自粛疲れが癒されたように思います。
早く日常生活が戻るように願いながら、今のところは感染防止対策を万全にしております。土曜日クラスは受講生募集中。お気軽に見学にいらしてください。
◆ お稽古再開 =令和3年4月7日=
川西能勢口駅近くの会館で、お稽古を再開いたしました。
◆ 逸翁美術館「花のある茶道具」展=令和3年1月22日=
もうすぐ1月25日。この日は逸翁美術館創設者・小林一三の命日で、毎年「逸翁白梅茶会」が開かれてきましたが、今年は中止。とても残念ですが、同館では現在「花のある茶道具」というテーマで展示が行われています。四季の花にちなんだ掛け軸、茶碗などの焼き物、茶器などの塗り物…。暗いニュースが多い中、華やかな茶道具を鑑賞して、ひと時明るい気持ちになりたいと思います。
◆ 「秋山風月清」 =令和2年9月30日=
「秋山風月清」は漢詩の一節。そのとおり、秋の山は風が清らかに吹き、月の光は澄んでいます。今年は春から煩わしい事の多い日常が続きますが、この時季、心穏やかに月を愛でてみませんか。
明日10月1日は中秋の名月です。旧暦の秋は7月〜9月で、その真ん中の8月15日の満月のこと。里芋の収穫時期なので「芋名月」とも呼ばれます。先日の教室では、床に「風月」の短冊とススキなどの秋の花、里芋の形の「芋名月」という名の生菓子で、一足早く中秋の名月を味わいました。
◆ 「百花為誰開」 =令和2年7月2日=
3月からお茶会や茶道教室が中止や延期になっていましたが、その間に桃、桜、山吹、藤、芍薬、牡丹などが次々と咲きました。お茶会で床に置かれることがなくて残念でした。
ですがここで「百花為誰開」(ひゃっかたがためにひらく)を紹介します。花は誰のために咲いているのかと問う禅語で、いや誰かのためではなく、自然のまま、無心で咲いている。人も、与えられた環境の下で自分自身を高めていく生き方を…と諭しているようです。
昨日は、七十二候の一つ「半夏生」。庭にはこの時期にたがわずハンゲショウが美しい緑と白のコントラストを見せています。
◆ お稽古再開 =令和2年6月16日=
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、約3か月の間、お稽古を休んでおりましたが、13日に再開しました。これまで以上に手洗いや除菌、お茶碗の洗浄、マスク着用など、いろいろな事に気を配りながらでしたが、皆さんの笑顔に接し、楽しいひと時を過ごすことができました。
完全に元通りになるまでにはまだまだ時間がかかります。平穏な日常というものが、なんと素晴らしいことかと感じながら、ゆっくりと進めていきたいと思います。
◆ マスクでお点前 =令和2年2月28日=
新型コロナウイルスの影響が多方面に出ていますね。茶道関連ですと、表千家では、短期講習会、熊本での同門会全国大会、家元利休忌、二条城観桜茶会の中止が決まっています。多くの市民茶会も中止。逸翁美術館で会期中の土日に行われている呈茶もやめになるとのこと。残念ですが仕方ないですね。私どもの明日のお稽古では、準備とお点前の時にマスクを着用しようかと考えています。
マスクと言えば、神社仏閣で行われる献茶式では、お家元や代理の方がマスクのような白い物で口を覆ってお点前されています。それは、神様仏様に捧げるお茶にご自分の息がかからないようにというお気遣いからです。
◆ 1月の異名 早緑月 =令和2年1月22日=
1月の異名は睦月、、霞初月、太郎月などたくさんあります。そのうちの早緑月(さみどりづき)は、このころから草木に明るい緑が見られるようになる、という意味です。なんと美しい言葉でしょう。
表千家のホームページに、初釜に使われる、外が真っ白な薯蕷饅頭で中が緑餡という常盤饅頭(ときわまんじゅう)について、「割ってみますと中から若草色の餡が現れます。まさに雪の中からの草萌えを彷彿とさせます」という文章が載っています。早緑月にぴったりなお菓子ですね。わが教室では、今年も初稽古に常盤饅頭をお出ししました。
◆ 「一日清閑一日福」を実感 =令和元年11月22日=
先に紹介しました展覧会は、いずれも、古い時代の物から新しい物まで展示され、それはそれは素晴らしかったです。とても紹介しきれませんので、ここでは別の視点から印象に残ったことを挙げます。
『千宗左家元 千宗旦宗匠 好み物展』=「一日清閑一日福」の一行。字のとおり、お抹茶を点て、喫する、展覧会に行く、そのような心静かなひと時を得ると、その一日、あぁシアワセだなあと感じます。
『表千家北山会館 特別展』=呈茶のお干菓子のお煎餅に、表千家家紋の独楽の焼き印。名前は「北山煎餅」で、亀屋良永に特別に注文されているとのことです。
『樂歴代展』=展示室の入口正面に今年7月に樂吉左衛門を襲名された16代の、襲名前の作品が。黒楽茶碗で、思わず頬ずりしたくなる(失礼)優しさに満ちたものでした。それを展示された館長・先代の樂直入さんのお気持ちも感じ取れました。
◆ 樂茶碗に見入る =令和元年9月10日=
阪急百貨店梅田店内にあり、主に千家十職の作品を扱っている茶道具店「北川昭雲堂」。先日ウインドウの中に飾られた黒樂茶碗に引き寄せられ、見入ってしまいました。店主のご子息様でしょうお若い北川さんが「15代吉左衛門 樂直入の作品です」と。
これまで抱いていた荒々しいイメージと異なる柔らかな風合いに驚く私に、静かに差し出されたのは、樂歴代の展覧会の案内パンフレット。「ぜひいろいろな作品をご覧になってください」と勧めてくださいました。一面だけを見て思い込んでいたこと、違っていたと気づきました。
◆ 展覧会のお知らせ =令和元年9月10日=
『秋期特別展 樂歴代 魂を映じて』
〜12月24日 樂美術館
『表千家 千宗左家元 千宗旦宗匠 好み物展』
9月25日〜9月30日 大阪高島屋
10月23日〜10月28日 京都高島屋
『表千家北山会館 特別展 茶の湯への誘い』
10月1日〜12月1日 表千家北山会館
(展示の他に茶席体験やお茶を点てる体験も開催)
◆ 大久保利通が密談した茶室発見 =令和元年7月17日=
京都市の大久保利通の邸宅跡で、このほど茶室「有待庵(ゆうたいあん)」が見つかりました。3畳半ほどの、草庵風の建物。
千利休のころの茶室は、戦国武将が束の間の癒しを得たり、密談したりという場だったとされています。時代が下り、大久保邸は、明治維新の政治的な話がされた場所として重要な役割を果たしています。ですから、きっと今回発見された茶室では、大久保が岩倉具視や西郷隆盛らと、肩を寄せて密談していたに違いない…と想像できますね、歴女でなくとも。
この茶室は、歴史的価値が高いとして、京都市によって移築、公開されるとのことです。
◆ 「清風在竹林」 =令和元年5月30日=
5月の教室の床には、例年通り「薫風」の色紙を掛けましたが、今年の風薫る期間はほんの少しでした。
表千家同門会の会報誌「同門」5月号に「清風在竹林」(せいふうちくりんにあり)の掛物の写真が載っていました。竹林に清々しい風が吹き抜けており、万人万物にいきわたっている、という意味です。このところの5月らしからぬ暑さの中、写真を目にしてひと時清涼感を得ました。来月のお稽古には、竹にちなんだお道具を用意することにしましょう。
◆ 生形氏のお点前は水の流れるごとし=31年2月6日=
今年も小林一三記念館での「逸翁白梅茶会」に参加し、最終のお席で生方貴重(うぶかたたかしげ)氏のお点前を拝見することができました。氏は表千家茶道の普及、発展に尽力されており、ご祖父様が小林一三氏に茶道をご指導されていたという、逸翁美術館とご縁の深い方です。
間近に見たお薄のお点前は、自然な、さらっとした飾り気のない、まさに表千家流がよしとする「淡々と水の流れるがごとく」というもの。素敵な所作に感服し、美術館所蔵の立派なお道具に感動、さらには生形氏とお正客(京都の数寄者)との楽しいお話もうかがうことができました。
◆ 上政製の常盤饅頭で初稽古 =31年1月17日=
表千家家元の初釜には常盤饅頭が使われます。緑餡の薯蕷饅頭で、私の教室でも初稽古はそれにならっています。
今年は、川西市の御菓子処「いな川本舗 上政」のご主人にお願いして、作っていただきました。ふっくらした白い皮を割ると、中にはしっとりした緑色の餡が。清らかな晴れやかな気持ちで一年をスタートすることができました。
常盤饅頭をお作りになる和菓子店が少なくなりました。こちらのリクエストに応じてくださる…日ごろからお付き合いさせていただいている地元のお店ならではのお心遣いですね。
◆ 映画「日日是好日」 =30年10月24日=
公開中の映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」は、茶道経験ゼロの女性が「お茶」の魅力に気づき、惹かれていくというお話。画面の中の初心者の慣れない振る舞いに、客席には時折頷きや控えめな笑い声が響きました。 タイトルの「日日是好日」は禅語で、毎日を精一杯に生きよう、その積み重ねが素晴らしい日々となる、という意味。
主人公と同じく、お稽古を重ねるうちにいろいろな細やかな感覚に気付いたり、つらい時や悲しい時に茶道に心を支えられたりした経験を持つのは、私だけではないでしょう。茶道の魅力を再認識しました。
◆ 「清流無間断」 =30年9月11日=
NHK Eテレの番組 趣味どきっ! では表千家の講座が開かれています。メインテーマは「清流無間断(せいりゅうにかんだんなし)」。言葉の意味は字のとおりですが、『それは同時に茶道の道統が淡々と、しかし決して途切れることなく受け継がれてきた様相にも通じるものがあるのです。』(テキストのお家元のお言葉)
昨日の放送はわび茶について。『村田珠光は「月も雲間のなきは嫌にて候(満月の皓々と輝く月よりも雲間に見え隠れする月のほうが美しい)」という言葉を残し、「不足の美」をよしとするところに珠光の「わび」の心が表れている』とテキストにあります。単純に、わび=質素ではないようです。
◆ 夏越の祓(なごしのはらえ) =30年6月27日=
神社では、6月に「夏越の祓(なごしのはらえ)」、12月に「年越の祓」という神事が行われます。心身に積み重なった厄を、神様にお祈りして祓い清めていただくということ。
その6月には和菓子「水無月(みなづき)」を食べる地方があります。明日の教室でも、あと半年間の無病息災を願いながらいただくことにします。水無月って何?と思われた方は、「ひとこと集B」の「6月の和菓子・水無月」を。
◆ 「茶の湯は常のことなり」 =30年3月29日=
千利休の命日にあたる2月28日に、猶有斎(ゆうゆうさい)宗匠が表千家15代家元千宗左(せん そうさ)を襲名されました。
産経新聞のインタビューによると、7代如心斎の言葉「茶の湯は常のことなり」を心に刻んでおられると。相手を尊重し敬う気持ちは、茶会だから特別なのではなく、日常からそういう心がけで臨むーと解釈されているとのことです。私達も、形だけでなく、そういう心も大切にしてお稽古しましょう。
ところで、利休は大柄で身長6尺(約180cm)と伝えられていますが、なんとお家元も同じく180cmだそうですよ。
◆ 平成30年 逸翁白梅茶会 =30年2月2日=
恒例の「逸翁白梅茶会」が1月25日に池田市の小林一三記念館内茶室・人我亭で催され、時折雪が舞う中、木曜クラスの方々と参加しました。
担当は武者小路千家の方で、表千家とはお点前に少し違いがあり、それも楽しませていただきました。お道具は逸翁美術館所蔵の、永楽即全造の茶碗、近衛文麿造の茶杓、楽慶入造の食籠などで、目の前にしてうっとり。また私が薄茶をよばれたのは、高槻市の古曽部焼きの数茶碗で、帯状に「一三 一三…」と描かれていて、逸翁=小林一三さんの一三ねと、そのしゃれっ気に感心しました。
毎回人気のお茶会ですが、今年は1席に40分ぐらいとってくださり、ゆっくりと鑑賞することができました。