ティモシー・ダルトン主演 ジョン・グレン監督作品。
麻薬王サンチェスの飛行機が見つかり、結婚式へ向かっていたCIAのフィリックスと同行していたジェームズ・ボンドは、ヘリコプターに要請され、そちらへ向かう。
サンチェスは自身の女を取り戻し、その浮気相手を取り戻しに登場。だがボンド達が迫り、部下を囮にして、セスナで逃亡した。
ボンド達は、そのままヘリで追い、セスナの尾翼に飛び乗り、ワイヤーを巻き付け、吊り上げる。そして二人は真下にある結婚式場へとスカイダイビングし、式に間に合わせた。
サンチェスは200万ドルで刑事のエドを買収。護送中、海に車ごと落ち、逃げた。
その夜、初夜を迎えようとしているフィリックス夫婦の元に、サンチェスたちが急襲。拉致されたフィリックスは全てを知り、サメのエサにされた。
翌朝、空港でサンチェスの脱走を知ったボンドは、引き返し、死んだフィリックスの妻デラと、サメに噛まれて重体で意識不明のフィリックスを病院へと運ぶ。
サンチェスに手を出すことができず、憤るボンドは、手掛かりのサメを持つクレストの店へ入り、残骸を見つけ、夜に忍び込み、エサの中に麻薬を見つけ、警備員二人を倒し、エドをサメのエサにした。
翌日、アメリカ警察は店を摘発。ボンドはMに叱られるものの、義理を通すために職務を辞任。殺しのライセンスをはく奪される。だが銃を持ったまま逃亡し、Mはボンドの行く末を案じた。
クレストの船に忍び込んだボンドは、中にいた女ルペからサンチェスの不在を知り、仲間のシャーキーが殺され、ボンドは仇を討って、ボンベを奪い逃亡。潜水艇の麻薬を撒き散らし、水中で包囲されるが、セスナに銛を打ち込み、水上スキーから乗り込んで、大金を載せて逃亡に成功した。
ボンドはフィリックスの事務所に入り、写真立てに隠されたデータを回収。協力者と記されたパム・ブービエと会う予定を知り、バーへと向かう。
お相手の女性パムは監視されており、ほどなくしてサンチェスの部下で元軍人のダリオ達が到着。大乱闘が始まり、ボンドはショットガンを持ったパムに促され、ボートへと逃げ込み、撃たれたパムを連れて脱出。パムを案じ、だがパムは防弾チョッキを仕込んでいた。
パムは元軍人でパイロットをしていて、ボンドはサンチェスへの案内を頼み、ガス欠したので、洋上で愛し合った。
ボンドはサンチェスのイスマス銀行に口座を作り、サンチェスのカジノで派手に遊び、アピール。ディーラーのルペからは逃げるよう忠告されるが、ボンドは教団への募金を指示していたサンチェスに近付き、自分を殺し屋だと売り込む。だが銃を奪われて終わる。
ホテルへ戻ったボンドは、来客が来ているといわれ、警戒して中に入る。だが中にいたのはQ。新兵器の目覚まし爆弾や歯磨き粉爆弾、手相認識ビデオカメラ銃を届けに現れた。
ボンドはカジノへ戻り、給仕用エレベーターで上昇し、会議中の部屋の窓に歯磨き粉爆弾を設置。パムに帰るよう指示し、ホテルへ戻り、運転手に扮したQにも帰るよう命令した。
ボンドが狙撃のためにサンチェスの部屋を覗いていると、パムが現れ、驚くも構わず撃とうとすると、ボンドの周りに忍者達が現れ、ボンドは捕まってしまう。彼らは香港捜査局の面々で、ボンドは邪魔だと叱られ、粛清されることに。だがサンチェスの砲撃が行われ、香港捜査局は壊滅。建物の陰に入っていたボンドは翌朝、サンチェスの屋敷で目覚め、クレストが来ると知り、ルペに頼んで、ボートにしがみついて逃亡した。
ホテルに戻り、パムに詰め寄ると、パムはサンチェスの経理担当のヘラーに、CIAとの司法取引を持ちかけていた。だがそれもボンドが邪魔したせいでご破算になり、ボンドはQの車で銀行へ行って金を降ろし、夜、寄港したクレストの船に潜入した。パムが船内で騒いで、注意を引いている隙に、ハッチを開け、ボンドが金を仕込み、サンチェスは見事に騙され、クレストが裏切り者と信じ込み、気圧の差で殺す。
ボンドはパムとQに帰るよう命じ、出港し、サンチェス邸へ。礼を言うサンチェスに含みを持たせたボンドは、ルペとベッドイン。
翌朝、ルペはQとパムにSOSを送る。
パムはサンチェスに飛行機を止められ、ボンドはジョーの教会へ。だがダリオと再会し、気付かれてしまったボンドは火事を起こし、だが捕まってしまう。
サンチェスの尋問に、ミサイルの事で嘘を吐き、サンチェスを惑わせるボンドだったが、削岩機行きのベルトコンベアに乗せられ、宙吊りにされてしまう。そこに、ジョーをたぶらかしてパムが駆け付け、ボンドと2人でダリオを削岩機へ送る。
ミサイルを動かしていたヘラーがフォークリフトの串刺しになり、ボンド達はゴーカートに乗り、金を回収。セスナを使い、トレーラーへと飛び移り、トレーラーを奪取してカーチェイス。片輪走行でミサイルを避け、パムも援護する。タンクを落とし、下を走るトレーラーを破壊。サンチェスは部下を始末し、トレーラーをウィリーさせて火の海を抜ける。油を載せたトレーラーに移り、後輪がバースト。
ナタを振るサンチェスと揉み合い、車が落ち、とどめの一撃を振るサンチェス。ボンドは引き出物にもらったライターでサンチェスを燃やした。そしてセスナをやられたパムがトレーラーで迎えに現れた。
パーティーが行われ、ボンドはフィリックスに電話し、ルペに誘われるが、涙ぐみながら去っていくパムを追いかけ、階下のプールへと飛び込んだ。
1989年、イギリスの作品です。
共演:キャリー・ローウェル ロバート・ダビ テリーザ・ソト ペドロ・アルメンダリス ウェイン・ニュートン
本作はクールなイメージの007らしからぬ、友情、人情、愛を描いた珍しい作品です。それというのも、前作『007 リビング・デイライツ』に引き続き、主人公を演じるティモシー・ダルトンの爽やかさを前面に押し出した形となっているからです。
また、ここまでCIAのフィリックスを親友として扱うのも珍しく、もはやここで一度007に終止符を打とうとしたのではないかとさえ感じられます。
麻薬は現在でも、問題となり、取り沙汰され、南米での激しい争いなどが話題になりますが、その発端は、麻薬を生み出した欧米の科学者であることを忘れてはなりません。コカインの原料となるコカの葉を普通に栽培、摂取している地元民の方もいますので。
中国では、麻薬は所持しているだけでも死刑が言い渡される厳罰ですが、日本では、更生の道が開かれてはいますが、闇商売なのでまた手を染め、結局おとり捜査になってしまっている現実もございます。その一方で、大麻の原料となる麻は、日本でも様々な用途で使用するため栽培されております。もちろん、栽培には許可が必要なので、農家の方々は縮小傾向にある産業の維持に努めています。繰り返しますが、悪いのは農家ではありません。
ちなみに、ニンテンドー64版「007 ゴールデンアイ」では、「消されたライセンス」は、対戦モード中の、HPが減り易い仕様になる機能となって、ユーザーを楽しませています。
この作品はカップルで観てもギリギリ問題ない作品です。若干オチがぶれてはいますが、正義、愛、友情、文句なしの作品になってしまっているのではないでしょうか。