トップページ

紹介映画リスト

管理人コラムへ

ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)(1)

山田康雄主演(声) 吉川惣司監督作品。
ルパン三世の絞首刑が行われたと知り、信じられない銭形警部は墓にあったルパンの死体にとどめをさす。すると爆発!
ルパンは生きており、颯爽と空へ逃げていった。
ルパンが不老不死に関する財宝を狙っていると知り、銭形はエジプトへ急行。
ルパンと相棒・次元大介はピラミッドの中で慎重に動き、墓の下で石を拾う。だが警報が鳴り、ルパン達はバイクで上へ逃げ、外で待っていた仲間・石川五エ門にタイヤのゴムを斬り取ってもらい、張って隠しておいたロープを伝って車で逃亡した。
一方、起こされた女盗賊・峰不二子は屋敷を用意してくれた謎の人物の為、バイクに跨り、パリでルパンと接触。石を奪った。
だがルパン達は発信機と盗聴器を付け、探り、不二子は謎の人物の手下の屈強な男・フリンチに石を渡し、すると謎の人物が天から現れマモーと名乗り、雷で盗聴器入りの石を破壊した。
ルパン達はヘリの機関銃掃射に襲われ、車で下水道へ逃げ込むが、ヘリは追い続け、待っていた五エ門が一刀両断した。
ルパン達は不二子の車を奪うが、今度は銭形に追われる。しかし、巨大トレーラーがパトカーを潰し、交代。ルパン達はトレーラーを森へと誘い込み、谷底の池へと落とした。
だが次はセスナからの空爆。車をやられ、ルパン達は10キロ先のアジトへ徒歩。しかし、そこも先に潰され、別の家で食糧を見つける。
すると、傷付きボロボロの不二子が現れ、ルパンが介抱する。次元と五エ門は呆れ去っていき、ルパンは同棲生活を楽しむ。
不二子の作った晩飯を食らい、夜這いを掛けようとするが、食事に睡眠薬が入っており、眠りこけ、フリンチにセスナに乗せられ、飛び去るが、不二子の企みを暴こうと引き返してきた次元は紙を拾った。
次元はマドリードをふらつき、自分を監視・尾行するゴードンを捕まえ、五エ門とアメリカ海軍基地へ。
そこでスタッキー大統領補佐官からアメリカとロシアのホットラインにマモーが割り込んできた時のテープを聞かされ、マモーは脅迫と引き換えにある品を要求したが、それをルパンに先に奪われてしまったため、マモーのアジトの場所を聞かれるが、わからず釈放される。だが、不二子の残した「WATER」と書かれたメモがコップの水に浸ると、カリブ海を指し示していた。

結末 ネタバレ注意

目覚めたルパンは島内を歩き回り、人影を追い、フリンチに追われ、ヒットラーとすれ違い、そしてハープを奏でるマモーと会う。
次元と五エ門はカリブ海のハワードという個人所有の島へ。しかし船底には銭形が張り付き、米海軍もレーダーで監視し、島へのミサイルによる攻撃準備も始めた。
ルパンは小石・賢者の石を奪い返し、不二子と再会。フリンチ達に追われ、エレベーターでマモーの部屋へ。
そこでルパンと不二子は永遠の命を断り、脳波を測定されるが、ルパンは夢を見ず、神の領域に達していると、処刑を始める。
だが、米海軍の爆撃が始まり、次元と五エ門が駆けつけ、銃を向けるマモーの脳天を次元が撃ち抜く。
ルパンを抱えて逃げる中、五エ門はフリンチを相手に戦い、合金チョッキに刃を折られるが、顔を横に斬り、倒す。
心が折れた五エ門を連れ、モーターボートで逃げ、銭形は爆撃を浴び、海中へ。
なんとか生き延びた銭形はコロンビアの田舎まで捜しに来た警視総監に見つかり、中止命令を受けるが、捜査を強行する。
一方、ルパンは目覚め、不二子は億万長者ハワードがマモーだという事を受け入れられず、ルパンは処刑された自分がクローンだったと考えていると、マモーが現れ、幻覚を見せられる。
マモーは自分を神のような存在だと説明し、ルパンはトリックだと嘲笑うが、窓の外にいたマモーは不二子を連れ去っていった。
ルパンは天災を見せろと迫ると、マモーは大地震を起こす。それによりスタッキーは再軍備を固めた。
ルパンは地下に原発を見つけ、装備を整え、怯える次元を置いて、銭形の尾行付きでアジトへと入る。
そこでマモーを倒すが、それはクローン技術の穴から生じる粗悪品。クローン技術に欠陥があると知りつつ、マモーは不二子に地球破壊用の核ミサイルのボタンを押させた。
マモーが大統領と会話をしていると、ルパンが割り込み、核ミサイルを破壊したと報告。
マモーは不二子を連れて逃げ、ルパンはレーザーに狙われてしまい、武器の代わりに、ポケットから斬鉄剣の切っ先を出し、レーザーを反射させ、マモーに命中。マモーは不二子にすがろうとするが、溶けてしまった。
すると死体から機器が出てきて、巨大な脳がオリジナルであり、マモーを操っていたと知る。
巨大脳はロケットで宇宙へ逃亡。だがルパンが仕掛けていた爆弾が爆発し、ガラスが割れて脳は太陽へ。
間一髪、逃げたルパンは不二子へと近寄るが、銭形が手錠を嵌める。しかしルパンは構わず不二子とキスし、そこには米軍のミサイルが。
スタッキーに処分されるとも知らず、ゴードンは快哉を上げ、次元がセスナから梯子を伸ばし、不二子は掴まるが、ルパンは銭形と二人三脚で爆風の中を駆け抜けた。
DVD通販 DVD/CDレンタル

管理人の批評

1978年、日本の作品です。
共演(声):西村晃 小林清志 井上真樹夫 増山江威子 納谷悟朗 飯塚昭三 三波春夫 赤塚不二夫 梶原一騎
国民的大ヒットアニメ『ルパン三世』の劇場版第1作にして、あまりにも衝撃の大きい作品です。
不要かと思いますが説明をさせていただくと、『ルパン三世』とは、モンキー・パンチ原作で、双葉社刊行の雑誌『漫画アクション』に連載されていたショート漫画です。
アニメ化され、後に1stシリーズと言われるそのアニメが再放送で火が付き、2ndシリーズは150話以上の作品が制作され、現在でも日本テレビ放送網『金曜ロードショー』枠でのTVスペシャルや長編短編問わずの劇場公開作品、TVシリーズ、海外先行放送など老若男女だけでなく、全世界にファンがいる作品です。
またスタジオジブリの宮崎駿監督も2ndシリーズには照樹務名義で参加し、なにより、長編監督作品、映画『ルパン三世 カリオストロの城』は日本テレビ『金曜ロードショー』で、つまり地上波で毎年放送されている、おそらく日本で一番認知度の高い映画作品です。
内容は、フランスの怪盗アルセーヌ・ルパンの孫に当たる主人公ルパン三世が次元や五エ門といった仲間、峰不二子という謎の美女と時に協力や仲違いし、悪人や、自分を逮捕しようという銭形平次の子孫・銭形警部と組んずほぐれつ入り乱れて、財宝を華麗に手に入れるロマンティックドタバタコメディーです。
この作品の魅力は財宝を巡る物語を縦軸に、人間ドラマ、恋愛ドラマ、財宝を得るまでのトリックやプロセス、してやったりの展開など様々なパターンが組み込まれている事であり、なおかつルパンの泥棒が悪党から奪う義賊である事だと思われます。
さて、今作ですが、注目ポイントは敵のマモーです。このあまりのインパクトがウッチャンナンチャンの内村光良さんがコント番組「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」で演じるキャラクター、「マモー」の元になり、「マモー&ミモー」というユニットでCDデビューし、一大ムーブメントを巻き起こしました。
巨大トレーラーを谷底に転落させるくだりはおそらく、スピルバーグ監督作品『激突!』のオマージュと思われます。向こうではTVムービーですが、反響が高く、世界で公開される際は映画館にて公開されました。
この映画の凄いところはアメリカ、ロシア、核ミサイル、クローンなどやけにリアリティが高い、ダークな作品だという事です。本来のルパン三世の持ち味たる、大人向け漫画の原点に戻ったと言えるのは、声優キャストが2ndシリーズのキャストだからです。
ちなみに、三波春夫さんはエジプト警察の署長、赤塚不二夫さんと梶原一騎さんはそれぞれ電話に登場するアメリカとロシアのトップを演じています。
声優に関して言えば、マモーの声が西村晃さんというのは、やはり『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』の佐野浅夫さんのように、水戸黄門という日本の善玉が悪役を演じているというのが面白く、どういう演技をしているかというのも着目ポイントだと思われます。
シリアスな作品を見終えた後に、三波春夫さんの歌声に乗せて迎えるエンディングは、全ての嫌な事つらい事を忘れさせてくれる気がします。シリアスであり、コメディーであり、アニメの枠を飛び越えたこの作品、まだの方はぜひご覧ください。